迷走するJリーグアウォーズを斬る
この記事は、いつものマリノスファンとしてマリノスをキニナル皆さんに送る記事ではなく
~ スポナビブログ時代に適切なタイミングで良いタイトルを入れるだけ、で簡単に2,3万PV行くので書いてた ~
普段とは異なる記事です。
なお全て、個人の感想です。
授与式を面白くする必要はあるのか?
Jリーグアウォーズは表彰式であり、賞を授与する場です。
あの、聞きたいのですが、それが面白い必要があるんでしょうか?
まぁ、万人ウケを求められるテレビ番組なら、そういった要素が必要な面もあるでしょう。
そもそも論で、よく考えて欲しい、賞の授与式に最も必要なのは…何だろうね。
賞を授与する人を観て、笑う必要が、笑ってもらう必要が、あるのかい。
主催者が授与式で先ずやるべきことは…
賞の価値を高める演出だろうがよ!!!!
その点において、別に芸能人を呼ぶなとかではないですよ。
ただ、プロフェッショナルとして、仕事に挑む緊張感がそこに有った様にまるで見えなかった。
例えば、先日の国民祭典で祝った、彼らにはそれを感じた。
多くの人がJリーグアウォーズに感じた不快感。
それは インテンシティがゼロだった 事だ。
この緊張感ゼロの空気を作ったのは『賞を授与する場で最も重視する事は何か』を定義できていない主催者のJリーグに他ならない。
サッカー好きな芸能人が集まって気楽に、フランクな姿勢でダベる会は、裏のYoutubeチャンネルでやればよろしいのでは?
ベストイレブン選考
競馬のJRA賞など、普段は優勝劣敗のみがまかり通るスポーツで、順位付けに投票式を採用している場合、色々と紛糾することはある訳ですし、結論として、民主主義とはこういうものだ、と思います。
ただし、賞に応じた選出方法というのが有ると考えます。
最優秀選手賞、つまり年間リーグMVPについては、実際に対戦した選手監督による投票、つまり印象票で決しても、何も問題はないでしょう。
それに付随する、優秀FW、MF、DF、GK、各項目で投票数の上位3名、などとする。
ベストイレブンについては、それとは別に、スタッツデータ等を元に、試合を分析するプロが選ぶのが納得感が高いと私は考えます。
納得感。
例えば、私がここで、2019年ベスト映画はゴジラです!!!!と宣言します。
ただし…
天気の子? ジョーカー? アベンジャーズ? アナ雪2?
は? 全部観てませんけど何か?
これで納得感ありますかね。
全チームの全試合を観たんだろうな???
え?
むしろ殆ど見てない、印象だけで決めたんですかー?(ニヤァ)
そこに納得感は生まれますかね。
2019年Jリーグで行われた全選手のプレーを出来るだけ広く網羅できるのは統計データだけです。
そして最後に人の目として、試合分析のプロが、例えばサイドバックとしてより優れている数値を出した選手は誰か、という複数人による議論を行い、
GK、センターバック、サイド(ウイング)バック、守備的ミッドフィルダー、攻撃的(サイド含む)ミッドフィルダー、FW(ウイング含む)
みたいな各ポジションを選出した方が、異論は絶対に出るとしても納得感は高くないでしょうか。
また、密室ではなく「AとBを比べたが、このポジションであれば、このデータを重視すべきと判断しました」のようなプロセスもサイトなどに公表したら良いと思います。
この点、競馬のJRAでは、機関紙の優駿において、トップハンデという馬の能力を数値化する一種の賞があり、ハンディキャッパー達による議論が毎年公開されていて非常に面白いコンテンツでした。
先ず授与式とは何なのか。
そして、より納得感のある選出方法。
今のJリーグは、日本サッカー協会とは異なり、合理的に良くしようというプロセスを歩める団体であると信じています。
20億円も前借りするんだから、ちゃんとやろうぜ。
いや、お願いしますよ。
DAZNから入る公衆送信権料(放送権料)収益が来年度は約25億円増額されることに加え、22年度の増額見込み分16億円を前借りして20、21年度に配分、先行投資する異例の取り組みを「強い意思決定」(米田理事)として決議。
横浜F・マリノスがJリーグで優勝した理由 全試合見続けたファンが2019年に何が良くなったのか説明する
明治安田生命J1リーグ2018シーズンにて、勝ち点41、正にギリギリの残留という結果に終わったチームは、なぜ翌年の2019シーズン、チャンピオンになれたのか。一体、何が良くなったのか。
https://twitter.com/jsgoal/status/1203218170233769985
誰もが気になる部分に、定点観測を続けたファンならではの視点で答えたい。先に言う、長いぞ。
前年との比較ではなく、CFG以降の5年を振り返るならこちらの記事から
おさらい 失敗の2018シーズンと低迷した真の理由
監督も認めた失敗に終わったシーズンを総評すれば、何もかも原因はラディカル(急進的)過ぎた変化、時間が足りなかったという準備不足に求められるだろう。
ビジョンや方向性、正しいやり方だとしても、急ぎすぎては上手く行かなかった、それが最も顕著に出たのが所属選手の構成、つまり編成だった。
40歳の選手が肉体の限界を越えてまでピッチに立っていたとして、まだセンターバックが物理的に足りず、サイドバックは交代要員が一人も居ない状態でシーズンを終えた様に、昨年の夏にバックラインは質以前に、物量において壊滅的状況であった。
その後、夏のマーケットにおいて獲得した、ドゥレ、チアゴ、畠中の3人が揃った後半の13試合は明らかな誤審を除けば13失点、つまり、シーズン換算では34失点となり、これは十分に堅守と呼べる状態であるし、守備に関しては、監督が望んだ選手が揃ったらどうなるのか、が翌年に先んじて示されていた と言える。
2019年2月9日記事
2018シーズン失点データ
<前半>
第1節から22節まで 21試合 合計 40失点
1試合平均 1.904 シーズン(34試合)換算 64.736
<ドゥレ、チアゴ、畠中が揃ってから>
第23節から34節まで 13試合 合計16失点(誤審3)
1試合平均 1.230 シーズン換算 41.846
一方で、前半戦の勝ち点は20、そして後半戦も勝ち点21とあるように、失点数が激減したにも関わらず勝ち点を稼げなかった。多くの人は異なる印象かもしれないが、これが数字的には正しい。
2018シーズンにマリノスが最後まで残留争いに巻き込まれた真の理由は、夏には解決した守備陣の編成問題にはない。
誰もが攻撃は良いマリノス、と思っていたかもしれないが、実の所は総得点数に誤魔化されていたにすぎない。
本当は得点力が低い、1試合4点以上を記録した、8得点の仙台を象徴とする、通称バカ試合を除外した場合における平均的な得点数、これに問題があった。
2018年9月27日記事
24試合 28得点 1試合平均 1.166
※記事投稿時点
この1試合大量得点を除外した数値が、2018シーズンにおけるマリノスの真の姿であり、この数値は同じ方法で算出したモンバエルツ時代より、なんと0.2も低い数字である。
その結果、今季に向けてウーゴ、伊藤翔、ユン、ブマル、前線スカッドもバックライン同様に、大幅な総入れ替えが行われた。更に2018シーズンは全体的な計画性を欠いた結果、バックラインに外国籍選手を使う関係で、比較的、得点関与率が高いブマルを使いたいのに使えず選択肢を失う、という事態も招いた。
前任者は、辣腕と呼べる優秀なSD(スポーツダイレクター)だったが、20人近い選手の入れ替えを現実と戦いながら、ワンシーズンで達成するのは、いくらなんでも無理だった。
振り返ると昨シーズンの失敗を招いた編成だが、先ずはディフェンスライン、そして今季はアタッカー陣にリソースが割り振られたと言える。
そして、時間さえあれば、シティフットボールグループの最先端の分析力、情報網、海外現地での協力体制という、Jリーグではチート(インチキ)とも言える、最適な選手を連れてくる確かさは皆さんご存知のとおりだ。
「日本ではよく外国籍選手の補強に関して、『当たり、外れ』という表現が使われますが、我々はそういう言い方はしません。我々はギャンブルしているわけではなく、情報を集めて精査して、自分たちのスタイルにあう選手を選んでいるので。」
CFGにマリノス専属のコンシェルジュみたいな人がいて、その人に『俺に話してくれれば問題を解決するよ』と言ってもらっています。試合分析においても、CFG側にシーズンを通してマリノスのためにリソースを割いてくれる人がいますからね
最後方の2-2ユニットから始まる流動性
信念が揺るがない監督、もっと言えば頑固者。
そんな監督が、プレーの根幹に関わる部分において、就任以来続けてきたが、今年に入って変えたことがある。
昨シーズン開幕からマリノスでは、最後方でビルドアップする時の枚数を頑ななまでに2-3(2人のセンターバックの前に、喜田+サイドバックが基本)としていたが、これは敵からすると特攻プレスに行く時に2トップでハメやすかった。
特に有効だったのは、GKまでは追わないで持たせて、ロングボールを蹴らないことが分かってるGKからマリノス陣内へ出るボールを数的同数で狙うやり方で、自陣でのロストを重ね劣勢になる事例が目立った。(顕著な例は2018年10月20日のガンバ戦 前半1-0から1-2の逆転負け)
これは2018年夏に、一時期3バックを試した時ですら、ボール保持時は3人のセンターバックの内、1人は1列上がらせるほど、絶対に2-3の形を維持していた。
さて、今季、どうするのかと見ていたが、開幕からは引き続き頑固なまでに2-3だったので不安を覚えた。
案の定、その形に向けて対策(用意)をしてきた相手にビルドアップが上手く行かない、更には相手が勝負時とばかりに圧力をかけてくると、ボール保持すら危うい状況は改善しなかった。
変化が起きたのはある程度シーズンが進み初夏を迎える頃。 選手の欠場などもあり、ユニットの組み合わせを模索する中で、対策に対する柔軟性が高いシステム、解消案として、遂に発見したのが、2人のセンターバックと2人のミッドフィルダーからなる、2-2ユニットである。
これは基本的に最後方は2人のセンターバックで担当するが、敵1列目の人数に応じて、ミッドフィルダーの内、1人が最終ラインに入り、3を形成するというもの。
マリノスが今何をやっているのか。両CBと両SB+喜田の2-3だった後方の形を、両CBと喜田+1に変えて、相手次第で3-1の安定型にする。この場合は両サイドバックがワイドポジションと同時にウイングがインサイドに落ちる3-1ー3(両SBとマルコス)-2(インサイドに落ちたWG)-1 #fmarinos pic.twitter.com/dISnhMLj1b
— Speir_s (@Speir_s) 2019年6月1日
これだけだと、なんだそんな簡単な事かと思うかもしれないが、タスクとして『絶対に最終ラインを数的同数以下にしない』という意識が強く植え付けられているのを感じる。
同時に、これはパターンではなく、あくまでも状況次第な動きである為、最終ラインが数的同数以下にならなければ2-2のままを維持するし、注意事項として、マリノスの場合、1列下がって最後方で3を作る選手は、センターバックの間に降りる、とは決まっていない。敵がどの様にプレスをかけるか、敵陣形のどこを突くのか、次第である。
また、2センターバックと喜田は基本陣形であり、そのコンビとなるミッドフィルダーがキーとなるべく、正に常時、盤面を認知、分析し、配置的優位を意識したポジショニング、ポジショナルプレーの実行が要求されると言える。
その結果、レギュラーポジションを掴んだ扇原は1試合の走行距離で連続1位を記録する期間もあった。
みんな扇原という選手を正しく理解しているかい。名古屋戦以降の10戦無敗(9勝1分)における、5試合で1試合中の走行距離1位を記録、残り5試合も100m単位で2位。Jリーグで最も走るチームのマリノスにおいて、更に1番走る選手。長いパスを蹴るのが上手いだけではない。
— Speir_s (@Speir_s) 2019年12月1日
by Jリーグ公式トラッキングデータ
これは、日本代表が未だに柴崎という一人の展開力に依存しているのとは異なり、正に最先端の司令塔と呼べるプレースタイルだ。
数的な優位性を保ちながらボールを前進させることを重要視しているポジショナルプレーにおいて、選手の距離感は生命線。だからこそ、左右に動き回りながら味方との位置を調整するジョルジーニョは「適切な位置関係」を保つことに寄与する。
広い範囲を動き回りながら、正解にゲームメイクをこなす彼は、新時代のレジスタと呼ぶべきだろう。一本のパスで戦況を打開する天才ではなく、チームの組織の中で力を発揮する彼らは、今後の育成が目指す選手像にもなるに違いない。
また、両サイドバックにもそれは高度な水準で求められ、彼らは2-2ユニットの状態を見て自身も適切な配置をしなければならず、時に、最終ラインで3の一角に入ることもあれば、3の前で1をやることもあるし、必要なら3-2の配置を取ることもあれば、マルコスの代わりにトップ下の位置で、敵2列目の裏を狙うこともある。
(川崎戦の松原からエリキへのスルーパスを送ったシーンは標本と言えるプレーであり、後方が生み出した時間とスペースというリソースを、前進のエネルギーに転換するハブの役割も担う)
これぞ正に開祖であるヨハン・クライフが言うところの「サイドバックが60mを上下移動するなんて馬鹿げている」「彼らはボールについてまわる選手」であり、その難解なイメージをグアルディオラが分かりやすく『偽サイドバック』と翻訳したプレーである。
マリノスの攻撃について、流動性が言われるが、それは前線の、ゴール前の話だけではなく、最終ラインから始まっているといえる。
情報を取得し分析、判断、実行する能力(リーダーシップ)を獲得した選手に、柔軟性の高いシステム(プログラム=命令)を与えることで、予習をされても、簡単にはハマらないチームになった。
2019の特徴① オフサイドトラップ
マリノスでは駆け引きや守備ゾーンのコンパクト化だけなく、タックルをするのと同じくらいに、ボールを奪う手段として、オフサイドトラップを採用している。
そして、マリノスはラインが高いから裏を狙おう位の軽い気持ちで挑んできた対戦相手は、山のようなオフサイドを積み上げた。
ただ、これはボールホルダーへのプレッシャーが全くない状況でも実行してしまう為、同時に多数の失点につながっていた時期もあり、若干のやり過ぎ感もあった。
典型例
夏の時点でマリノスは、被シュート数が少ない(リーグ3位)のに、いざシュートを打たれれば簡単に決まる脆さがあった。被シュート決定率 11.4%(リーグ14位)
ところが、上位を追い詰める10試合で、24試合で11.4%だった数値が、33節終了時に10.5%と激減した。だからといって、オフサイドトラップを減らすなんて解決方法でないことは試合を見ていれば誰でも分かる。
ポイントになったのは、エリキが優秀なアタッカーであったとして、どこで使うのかに揺れていた時期にある。 夏加入でマリノスのやり方も分からず、ボールの猟犬と化してしまったエリキが、自ポジション(当時は右サイド)を全く守れない時期に行われた数試合。
マリノスのハイ(敵陣)プレスを回避しても、ゆっくりとゴール前までボールを運ぶ名古屋はなんの驚異でもなかった。
だが、徹底的にその穴を突かれ、実は薄氷の3-0勝利だった広島戦、そして広島戦をよく研究しており逆転負けしても不思議ではなかった仙台戦の手痛い引き分けを経て、最終的な陣容が固まった。
この距離ならwi-fiが届く感じ?
— Speir_s (@Speir_s) 2019年8月25日
名古屋のシュートが全然、枠に行かなかったのは、オフサイドラインを突破された時と異なり、シュートのカバレッジがゼロではなく、大なり小なり効いていて完全なオープンではなかったから。 pic.twitter.com/b8rngBauZ8
非ボール保持の時、屈指のインテンシティが生まれた。
「自陣にフリーのボールホルダーがいなければええんやろ?」
信仰による勝利。
2019の特徴② コンパクトネス
次にチームの守備における特徴として、フットボールラボにおいて、昨季よりも顕著な変化を感じるデータが、コンパクトネスだ。
マリノスが守備時におけるブロックの平均サイズが以下になる。
2018シーズン
横幅 37.5m
縦幅 30m
2019シーズン
横幅 36.3m
縦幅 28.5m
特に縦幅は、昨年の方が最終ラインの平均位置が高いのに縦幅が広く、前がむやみに追いすぎていた、前線のプレスバックが甘かった、その結果、後ろは広大に空き、中身もスカスカだった傾向が垣間見える。
平均値なので、ハイプレス時だけでなく、自陣守備時も含めて、リーグトップレベルにコンパクトな、敵ボールホルダーを圧縮する守備陣形、これが2019シーズンのマリノスである。
多くのチームが、圧縮されたことによって生まれる空間、『逆サイド』を目指したが、屈指のインテンシティにより「逆サイドに逃さなければええんやろ?」と封殺した。
もちろん、後ろはゴールキーパーとして、エデルソンやノイアーを越える『フィールドにおけるパスカット数』を記録しそうなパク・イルギュが控えている事も追記しておく。
これ凄いし、このゲームでパギはGKが記録した『パスカット』としてはかなりの数値ではないか。 #fmarinos
— Speir_s (@Speir_s) 2019年7月6日
Jリーグを観るならDAZN https://t.co/ECSGcjwvnO pic.twitter.com/WBiaOGn6P8
信仰の勝利。
2019の特徴③ 最強のトランジション
次に劇的な変化が見れるのが、トランジション(切り替え)の局面において、負の切り替えと言われる、攻撃→守備において計測した指数が、昨年の58から、今季は75と、約30%のアップが確認できた。
この指数は、ボールを失ってから3秒以内に自チーム(全員)が走った距離が10m以上あり、それが敵チームの1.5倍の時に計測される。
つまりボールを失った時に、いかにチームがフルパワーでエネルギーを注いでいるか、という指数であり、マリノスが記録した物は、他のどの数値よりも、リーグ内で最も突き抜けた数値であり、オフサイドトラップの多用、コンパクトネスと並び、今季マリノスの特徴と言える。
ちなみに川崎は41、鹿島に至ってはリーグ最低で38と、この指数は攻撃回数の多さに関連性はなく、失った直後に取り戻す意思を表す数値、故意によるものなのかが分かる。
また2位は走って頑張るチームと皆が思っている湘南だが、指数は64、それを10以上も上回るマリノスの突出ぶりが確認できる。
リバプールや、シティといった最先端を見ても思うのは、ボールを失った瞬間にエネルギーを注げないチームに強度は生まれないし、強さを感じない。
②と③の複合的な要素として、コンパクトな守備陣形と、全力の切り替え勝負、これが生み出すハイ(敵陣)プレス成功率が、リーグ最強のショートカウンターにもつながっている。
持ちたがるチームが、ボールを取り上げられたら厳しい、みたいな論があるけど、高い強度で奪う力&速いアタッカーを持つマリノスの場合はむしろ得点力が上がる。
— Speir_s (@Speir_s) 2019年11月30日
名古屋戦52%(5-1)川崎戦49%(4-1)
ショートカウンターからシュート迄いける確率26.4%、それが決まる確率3.9%(共にリーグ1位)
2019の特徴④ ポゼッション攻撃の進歩
遂に訪れた収穫の時、苦しみの時代終焉。
初めて読む人もいるかと思うので、昨年の開幕前から何度も言っていることを再び言う。
マリノスがボールをロストしやすいカウンター頻度を落とし(行けそうな時は全力で行く)、攻撃権を大事にして、より敵ゴール前のプレー機会を求め、ポゼッション攻撃に傾倒し始めたのは、モンバエルツ時代から、それは2017年の夏前からだ。
この時間は忍耐を要する、正に苦しみの経緯、歴史であり、特にモンバエルツ時代は死屍累々、悲惨なまでの自陣でのボールロストを生んだ。
2018年1月14日記事
ポゼッション攻撃に取り組んだ代償
被チャンス構築率 12.2%(リーグ17位)
平均被シュート数 14.4本(リーグ16位)
とても5位になったチームの数字とは思えない…モンバエルツがいかに失点率を減らす、守備ブロック構築の名人だったかと言える。
そして2018年、勝利する為の最善手であると信じる監督、信念のポゼッションをする監督に変わった事もあり、ボール保持率はシーズン平均約59%と、歴史的にもミシャのレッズを越える、最もボールを持つチームが完成した。
グアルディオラのフットボール哲学「ポゼッションにはエモーションが必要。それがないならば堅守速攻を選ぶ」|サッカー新聞エルゴラッソ https://t.co/ew34AX0dSg #EGFN #エルゴラッソ
— サッカー新聞エルゴラッソ (@EG_spy) 2019年7月2日
だが、前述したように、前後に選手が揃わないこと、監督が固辞するやり方が対策を立てやすい事もあり、2018シーズンは劇的な変化を見せつつも、ルヴァンカップ決勝戦を象徴する様に、得点や、結果として勝ち点に繋がらなかった。
また傾向として、前年は、自陣ポゼッション指数70、敵陣ポゼッション指数56と、10ポイント以上も自陣が高く、これは後ろで持ってる時間が長い、同時に前に進めない事を暗に示す、ボール保持の拙さが垣間見えるデータが残る。
この点においても2019年は、自陣ポゼッション63、敵陣ポゼッション60と、バランスは大幅に向上している。
前年に、ルヴァンカップ決勝でボコボコにやられた湘南の特攻プレスを手玉に取る。例の騒動前の試合である事も追記しておく。
サイドバックが中で受ける3-1-2。湘南が後半に守備ブロックを下げざるを得なかったのは天野がピボーテタスクを消化し始めた結果、何度も空転させられたから。最後方を安定させ、なおかつ前進のスイッチを入れる、パス成功率92%。 #fmarinos
— Speir_s (@Speir_s) 2019年6月1日
Jリーグを観るならDAZN https://t.co/ECSGcjwvnO pic.twitter.com/mfLG6gPwiG
428本のパスがボール保持の安定感、そしてボール支配率が多数の攻撃機会だけでなく、同時に相手からボールを取り上げる守備に直結しているのが分かる。
2019年夏、保持して殴り勝つを目的に、プレシーズンとは言えマンチェスター・シティに対して、ここまでやれるチームがJリーグにあるか。
スコアの差がゴールにおけるクオリティの差でしかなかったゲーム。勝てた、残念。 #fmarinos pic.twitter.com/SgTVPfvtOk
— Speir_s (@Speir_s) 2019年7月27日
『ペップのシティ』がここまでボールを失ったのが驚きだったので2シーズンプレミアリーグを遡ってみたが、やはり最も健闘してるのが昨季のリバプールで、H49%(0-0)A50%(1-2)、次にトッテナムが4試合47、8%で安定、チェルシーはアザール入りで46%が最高(0-6)勇猛果敢 #fmarinos https://t.co/RwRxR2gNam
— Speir_s (@Speir_s) 2019年7月27日
ちなみに、この試合、グアルディオラは「暑すぎるので事前に取り決めた時間よりも早く、選手交代タイムを要求したい」と、通訳としてピッチレポーターを捕まえて4審に交渉したにも関わらず、自分は75分までほぼフルメンバーで戦った。何たる負けず嫌い、ずるいぞ。
2019シーズンの平均ボール支配率はJリーグクラブ前人未到の61%台に突入したが、その数値向上は、再奪取のクオリティ上昇は勿論、敵の圧力に対して自陣で失わずに、敵陣ポゼッションに移行が出来ている証だろう。
ゴール前のクオリティにかける執念
選手個々のファンもいるだろうから、あまり多くは語らない。
マリノスは、夏に、これだけの数値を残す選手がいるのに、満足できないでマテウスを獲得した。
ポジションが約束されない状況は不満かもしれないが、十分な成長曲線。 #fmarinos
— Speir_s (@Speir_s) 2019年11月5日
モンバエルツの2シーズン計
1585分 シュート42本成功率4.7% 2得点
2018シーズン
1982分 シュート45本成功率4.4% 2得点3アシスト
2019シーズン(これまで)
1987分 シュート51本成功率9.8% 5得点7アシスト https://t.co/unWddtRIIT
また、事実として、共に日本代表出場歴のある三好と天野は、マリノスでポジションを失った後にベルギーへ移籍した。
そのクオリティをチームにもたらすのは誰か?
マリノスは、この5年において、成績が悪くてクビになった監督はいないが、ダイレクターは2人が席を追われた。競技面(クラブの競技力)において、編成こそがプライオリティであり、更に最も権限がある人間は、責任も一番重い、明確。 https://t.co/3cvq00CPPy
— Speir_s (@Speir_s) 2019年10月19日
マリノスが変えなかった事 ポステコグルー監督
「過去に拘って今のサッカーを変えずに、このままやった方が良いのでは、という人もいます。そういう状況でも信念を貫いていくことが最も大切。」
「自分は必ずこのチームで成功すると信じています。」
今季も多くのチームが監督を変えたが、「今、チームに起きている問題は監督を変えれば解決するんですか」と疑問に感じる事が多い。
また、問題解決の方法として、負けそうだから将棋盤をひっくり返す、解けないから問題用紙をビリビリに破く、といった、問題解決ではなくて、解決できないまま無くしただけ、という一種のヒステリーであり、エキセントリックな方法も目立つ。
サッカーに必勝法は存在しない。
だからこそ、勝つ為に最も良いやり方というテーマにおいて、私は、我々は、何を信じるのか、という一種の宗教である。
マリノスはサッカーというゲームを、どの様に定義するのか。
そしてマリノスが彼を、信じるものが同じである事を理由に選んだのだ。
利重氏「Jクラブでは、監督が変わるごとに目指すサッカーのモデルが簡単に変わってしまうことが多いのですが、先ずはこれを改めて、中長期的に成果の出やすい、費用対効果も高い体制に変えていこうとしたわけですね。」https://t.co/rTdCKcsKXR
— Speir_s (@Speir_s) 2019年9月20日
※ 取締役、前統括本部長
そして望んだ結果が出ないとして、マリノスの分析力は、先ず自チームに活かされている。
今のマリノスは間違えない、一言で言うなら、しっかりしてる。思惑や願望ではなく、科学を拠り所に、最先端にキャッチアップし、リソースを確保し、適時、合理的な姿勢で問題に正しく取り組む。
2018シーズン、マリノスが同じ物を信じている監督を変えたとしても、原因は前述した編成にあったのだから、何一つ解決する問題はなかった。だから変える必要はない。
至極当たり前の事を当たり前にやっただけかもしれないが、不安や焦り、外圧もある中では、その当たり前をやり抜く事こそが一番難しい。
そして改善や解決というのは、先ず、何が問題であるのか、問題を正しく認識することが最重要である。
変える必要が無いものは変えなくていい、大変革の中で基準点を失わない事は、何よりも重要であった。
「私が日本に来て驚かされたことを強いて挙げるとすれば、人々がいかに保守的であるかということだ。だいたいそういうことだろうというのは感じていたが、日常には保守的なところが多いし、彼らのフットボールについても同じだ」
「日本が育てている選手たちのタイプに関して言えば、私と結びつくことはなかなか無い。技術的にとても恵まれた選手が育っており、彼らはとても速いテンポの中でプレーすることができる。そうしたフットボールは私が望んでいるものだが、彼らのプレーの傾向はとても保守的なんだ」
「相手に対して主導権を握るようなプレーより、ゆっくりとしたテンポでのプレー、組織的なプレーをしたがる。これには驚かされたが、我々はこの点にも取り組んできた。」
※ ここにおける主導権とは、攻撃権(ボール保持)ではなく、リアルタイムストラテジーゲーム的に、(判断する・考える)時間というリソースを奪う様な概念を意味すると思われる。
全てではないが
これでもかなり削ったが、長くなった。
時々における巧みなプレー、活躍した選手個々についてなど、まだまだ語るべき事は多数あるのだが、それらは表面的で分かりやすい事でもあるので、この記事ではあえて触れないでおく。
注目が集まって騒がしくなるが、マリノスとCFGをメディアが正しく伝えてくれることを望む。全ては2009年、ゴーンに「持続可能な状態ではない」と赤字補填を打ち切られ、自立途上の2013年に突然のクラブライセンス制度発足と、債務超過によるライセンス失効という、消滅の危機から始まってる。
— Speir_s (@Speir_s) 2019年11月30日
2014年に沈黙の壊滅的状態からリスタートしたサッカークラブ、横浜F・マリノス。
最初の5年で、1は10くらいになっただろうか。
当時、CFGジャパンの代表としてインタビューに答えた利重氏はこう言った。
『シティ・フットボール・グループ』にとって、クラブ経営はイコール、ビッグクラブの経営です。
だからこそニューヨークであり、メルボルンであり、横浜なのです。
また、シティフットボールグループにとっても、大きなマイルストーンとなった。
グループの中で後発になるマリノスというクラブが、いち早くそれにを成したのは、莫大なリソースを、優位を活かすバックボーンが、オリジナル10として過ごした約30年によって備わっていたからこそ、である。
未知の領域へ
さらなる発展を求めるなら、次の5年はよりパワフルでなければならない。
やるべきことは単純だ。
ハンドルを握り(正しい方向へ)サイクルを回せ(漕ぎ続けろ)
マリノスの戦いは まだ始まったばかりだ!
(ポステコグルー監督の次シーズンに、ご期待ください)
思いついた事を書きなぐった駄文ではあるが『今季のマリノスは何が変わったのか』について、少しでも伝われば幸いである。
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再構築と再点検のロストエジガルとオフサイドトラップ
根拠を示す事で、多くの人が納得できる情報発信が必要だと、ここ数年、状況が悪い時にこそ、記事を更新してきた。
3連敗、遠ざかるACL、タイトルを意識するのであれば苦境と呼べる今、一体何が、何故、本当に悪い所は何なのか、自分の考えをシェアしたい。
ロストエジガルの攻撃
未来が期待される若者ではなく、トップスコアラーを失って戦力が落ちないチームは今のJリーグに存在しないだろう。
この点で、李の離脱まで重なり、単純な選手の入れ替えすら出来ないマリノスでは大津を試すなど鹿島戦でも一定の成果はあったが結論は出ていない。 更に、そこから選手のインアウトがあったことで、セレッソ戦で試されたオプションは、マルコスにより大きな自由を与える2トップだった。
先ず、大前提として、それがセレッソに驚異を与えたのか、論理的な勝利を目指しているとして敵チームよりも決定機を作ったのか、という部分で確認をすれば、成功だったと言える。
ゲームスタッツ by DAZN
そして、次に、これ、この思想に基づく配置が試されるのは決して、今回が初めてではない。
マルコスと三好が同時に出る時に、これまで何度か試されてきたオプションであり、先日のマンチェスターシティとのゲームで先制点につながったシーンも消えたマルコスと、上がった三好、の関係から生まれている。
さらに最後に二人が同時出場した鹿島戦 72分の決定機
問題は、このオプションをとる場合、マルコスのパートナーとなる選手には、マルコスの位置に応じてポジションを取る事、それは前のスペースを狙う動きだけでなく、更にはクロスに対してニアサイドで勝負するなど、常にファーストトップとしてマルコスがやらない事をする動き、補完する働きが90分間求められる。
この点において、初コンビながらエリキは引いた位置でボールを受け、マルコスにアシストを通し、更には三好よりもクロスの局面でエジガル的なファーストトップの動きも見せるなど、非常に高いマルコス補完力を見せてくれた。
攻撃が左からビルドされる場合は
エリキは後半良かったですけどね。これは左からの攻撃が増えた結果、マルコスが下がって『エジガルな位置』に居れば良いって展開が多くなり、決定機3回。この点、右からビルドすると、ただの2トップになり後半は喜田と渡辺も支援に行けず、数的にも不利な局面が目立ち速攻しか有効打無し。 #fmarinos
— Speir_s (@Speir_s) August 21, 2019
45分間で、この位置から3本シュートを打って1本も決まらないのは最早悪いジョークだ、忘れよう。
質的優位というオプション(選択肢)が登場した左サイド
マリノスはポジショナルプレーを標榜しているとして、一人でドリブルから、例えば、これまでマリノスがゴールを量産してきた低弾道の高速クロスを味方に送れる選手がいたら、合致しないだろうか。
そんなことはない。
シティにおけるサネは、マンチェスターシティというフラッグシップモデルを知る人であれば誰もがずっと望んだオプションであり、正にマリノスが目指す攻撃における質的優位の具体例として見られており、選択肢としてずっと欠けていると焦がれるラストピースだった。
ボール周辺に人数をかけないでも、マリノスの選手がゴールに近い位置でシュートを放つ、という目的を達成出来るなら、それに越したことはない。
この点において、マテウスは質的優位を発揮したか?と聞かれれば、少なくとも2つはゴールを決めるべきシーンを作り出した事からみて、YESと答えない理由がない。
更に、激しいポジションチェンジによる流動性と、マークの混乱を狙う立ち位置を噛み合わせ、位置的優位や瞬間的な数的優位を論理のベースとする攻撃が、
台風通過後のフェーン現象による格段の蒸し暑さを記録し、今季のJリーグでワーストとも呼ぶべき芝グラウンドで出来るのか、という疑問を持つのは当然の事で、それに対する選択肢としては悪い判断であったとは思えない。
繰り返しになるが、実際に何が起きたのかを90分確認した結果、エリキによるマルコス補完と、マテウスがもたらす質的優位は十分に機能した。完璧ではないが、デメリットを感じた部分は殆どなかった。
喜田とティーラトンの位置を見て、正しい位置に入ったマテウスが絡んだ5レーン攻撃。後半、セレッソは左に比べると右の方が守備強度も低かった。 #fmarinos
— Speir_s (@Speir_s) August 20, 2019
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マテウスの仕掛ける判断が絶妙なプレー。水沼とソウザを引きつける、だけど追いつかれてはいないので、あくまでも1対1で質的優位を発揮できるタイミング。ドリブルで1人、タイミングで2人を無効化しゴール前を3対3の同数にしたプレー。 #fmarinos
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パスに対する守備とシュートに対する守備
昨季、端的にマリノスを評する様な外部の声はハイライン&プレスだったが、今季はそれらを盛り込んだ上で、オフサイドトラップが象徴的だ。
その結果として、目的とする『相手に何もさせない』方向には間違いがなく進んでいるのだが、ここにきてやりすぎ感、もっと言えば確率論で見た時に有効なのか、論理的に勝つという方向に合致するのか、若干の疑問を感じる部分がある。
データ by フットボールラボ https://www.football-lab.jp/
マリノスに対して敵チームが得た攻撃機会と、その攻撃がシュートまで達した確率は9.1%とリーグ2位の数値であり、その結果、1試合辺りの被シュートは10.8本と3位となっている。
一方で、その放たれた敵シュートが決まる確率、被シュート決定率は11.4%とリーグ14位と、下から数えた方が早い。
被チャンス構築率 9.1% 被シュート平均10.8本
被シュート決定率 11.4%
ちなみに1位は川崎で被チャンス構築率は7.7%、被シュートは8.6本と恐るべき数値だが、被シュート決定率が9.5%で9位と、昨季より1%以上悪化しており、イマイチ勝ちきれないのはココにあるかもしれない。
シーズンを通しての被シュート決定率が1ポイント異なるのはこれほど重い数値だということ。
そして「なんでだ」となるのだが、この数値は先日のセレッソ戦や、鹿島戦でもそうだが、いざオフサイドトラップを突破された場合に、シューターが完全にフリーで打てる状況になってしまう事が大きく関与している。
1失点目も清武のキックフェイントに対してオフサイドトラップを仕掛けた結果、マークする敵選手を見失ってしまっている。
裏一発パスの前では無駄に無効化される人数が増えるだけだった謎5バック
アメフト的に言うと『マリノスの守備は、シュート(シューター)に対するカバレッジが無いのである。』となるのだが、この意図をもっと噛み砕いて言うと、「シュートを打たせない守備しか用意されていない。シュートを打たれることが想定に無い守備をしている。」となる。
勿論それは、大分戦、松本戦、浦和戦(前半のみ)で炸裂したように、まさに観るものすら畏怖させる、凄まじいゲームを披露する事もある。
(永久保存版) 『ハーフタイム』の表記が味わい深いですね(*´ω`*)
その一方で、ハイラインだから、オフサイドトラップを多用するから、というよりも、敵シュートに対する備えが「ゴールキーパー頑張れ」だけ、という、完全に何もさせない事を目的としている副作用が、この2連敗、特に、残り時間が少ない状況で決勝ゴールを食らうという形で、顕在化したと見ている。
データ解析をしていれば、ゴールキーパー頑張れという方針でも、敵のボール保持時に、失点率が低いエリアと、そうではないエリアが統計的にチームはとれている筈だ。
確率論で勝って行こう、という論理的勝利のプロセス、思考を持つチームとして、更に現実が信仰よりも勝るとして、DFラインの人数を増やすのではなく、敵が自陣のレッド(危険)ゾーンでボールを保持している状況で、オフサイドトラップを控える方が遥かに効率的だと思うのだが。
パスを通させないのではなく、ラインをブレイクして、通ったとしてもカバレッジが効いている(シュート成功率を下げさせる)状態、をオプション(選択肢)として持たないと、相対的な競技における勝負強いチームにはならないと考える。
今季、皆さんが簡単に失点する印象があるとしたら、選手の個人能力ではなく、パスが通った後の備えが無いからだ。
1方向に突き詰める、突き詰めすぎた結果の袋小路にハマったとして、一端、下がってみる冷静さがあることを期待したい。
エスパルス戦は悪いゲームだったが、そこ(底)からチームは復活出来ている。
この連敗はゴール前のクオリティと、オフサイドトラップのリスクをコントロール出来ていない監督の判断にあると私は考える。
自陣ゴール35m圏内でセットプレーも含めて、フリーのボールホルダーに対してオフサイドトラップを行うのは自分の運命をコイントスに委ねるのと同じではないだろうか。
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マリノスとCFG(シティ・フットボール・グループ)の5年間 雲は掴めるのか
シーズン中に出す感じのテーマではないが、皆さん既にご存知の通り、フットボリスタが始めた下記の特集をみて、
私の方でも、ターニングポイントとなったタイミングに投稿した記事を振り返ってみました。
当方は、ただのスポーツ観戦ジャンキーなので、内容は、スポーツ(競技)面を中心に、経営、編成等になります。
表面化した変革 2016年12月
資本関係的に、今後も数年に一度、頭というか社長は代わると思うのですが、今までと異なるのはCFGという一貫性を持ったメソッドが存在することで、真の意味で中長期ビジョンが持てるようになるのではと期待しています。
まぁ、この時にあった色々な騒動は今更蒸し返して話すこともないでしょう。
また、サッカー外部のメディア、特に経済メディアであったが為に、意外とマリノスを応援する皆さんに届いていなかった情報を再確認しました。
この騒動の中で、多くの人は初めて2013年の段階で、マリノスは多額の債務超過に伴うクラブライセンス失効による、消滅の危機にあった事を知ったのではないでしょうか。
今では悪の何でも屋ドンキホーテ化してるカルロス・ゴーンさんですが、彼が「マリノスは持続可能な状態ではない」と判断した結果、「では持続させるにはどうするか」ということで、シティとの提携という出口が見つかった、とも言えます。
現在マリノスが企業スポーツの延長として続いた日産サッカー部に終止符を打ち、プロサッカークラブへの転換点にあるとして、クラブの歴史においてカルロス・ゴーンは偉人になるのか、というテーマがあるな。欧州でサッカーを利用したブランディング戦略が先にあっただろうし。
— Speir_s (@Speir_s) June 27, 2019
世界的自動車連合のトップよりもお時間が取りやすくなると思うので、是非とも先鋭的なサッカーメディアであるフットボリスタには、ゴーン氏の関与について、獄中より届いた手記などの掲載を頑張って頂ければとお願い申し上げます。
※ 現在、氏が問われている罪に関して有罪は立証されていません。
選手の獲得能力 2017年2月
横浜F・マリノスについて、こんなにも期待感が大きいシーズンは無い、と感じている人も多いのではないでしょうか。
世間では過去の実績でしか物を測れない人々が、マリノスは降格する、戦力激減と大騒ぎしてくれましたが、現実は全く異なりました。
このシーズン、チームは、上手く行かなかった事も沢山あるけれど、一丸となって、もがき、あがき、最後のゲームまでACL出場圏内を争い、天皇杯では120分で涙を飲むという、一定の成果まで辿り着いた。
それを成したのは、個々の努力もあるとして、やはり戦略、あとで困らない為の先の読みの施策としての編成が良かったと考えます。
DVDから統計的な分析へ
マネーボールとは何か、簡単に言うと、勝利貢献度を数値化することで勝てる選手を安く買おう、という考え方であり、投資の最適化を目的としてます。
これ(野球のマネーボール)をサッカーにそのまま流用出来るとは思えませんが、監督の望む選手を揃える、というテーマでは十分に機能するかと私は思います。
現在、選手をデータ化して能力、特徴を把握する部分において、CFGは世界でも最先端を行っているのは以前説明した通りです。
システムの『Jリーグへのチューニング』は年々高まっているのを感じます。
「しかし、ここへきても古いチームを解体せず、
君のやり方を否定し続けている連中は、いずれ滅びる。」(映画 マネーボールより)
大変革の時 2018年1~2月
補強とは、選手を獲得するという意味だけではなく、弱い所を補い、強くする、というのが本来の意味だ。
この為、ここでパニックになって行動する必要はなく、弱い所は別にあるのだから、ウイングの代わりはもう要らないと思う。
大人げない事は言わないです、はい。
チームとして何がしたいのか、したかったのか。
そして、選手の特性とやりたい事に適合する選手とは、という話ですね。
2017年のチームを統計的に分析した結果として、スポーツダイレクターのドル氏とそれを支持するクラブは、モンバエルツでは、やりたいことを実現できない、と考えての交代だったと、私は思います。
クライフ教団では信仰無きポゼッションは許されない。
— Speir_s (@Speir_s) July 2, 2019
"「もし、あんなポゼッションを、命を持たないポゼッションをするならば、私は後方に引いてカウンターを仕掛けることを望むよ」" https://t.co/lIImNNKA85
チームが目指す場所に導く人、正に同志であり導師には、理解ではなく、信仰に基づく信念、断固たる意思、それを持った人物が必要だったといえます。
今年のマリノスはどうなろうと面白いに決まってる。
だって僕らの教祖がこれなんだもの。
覚悟しよう、我々は気がついたらスペクタクルの殉教者となっていた。
まぁ、正直、不安でしたよ。
サッカーやクラブの行き先ではなく、皆さんは覚悟が出来ていないだろうなと。
その後、ラディカル(悪い意味で性急)な変化は成績に直結していく訳ですが、一致団結し揺るがないチームと、何より、それを支持する声が多数を占めた事にこそ、あの2016年末から、クラブとしての成長を大きく感じる場面ではなかったのでしょうか。
この時は、言っても伝わらないだろうから、体感して貰うしか無いと考えていましたが、今やクライフ教団ポステコ支部はかなりの信徒を獲得したのではないでしょうか。
進歩を推し量るKPI(重要指標) 2018年3~12月
今季のマリノスは苦労するとして、その中身は、定石の習熟に苦労するのではなく、盤面を崩壊させる様な、個人スキルに依存する致命的ミスと、選手はリーダーシップ(指し手という概念)を獲得できるのか、という事だと考えます。
マリノスは競技面で、何を目指すのか、何がゲームにおいて重要と捉えるのか。
今季は若干、スポーツダイレクターのプレゼン内容が控えめに変わったのですが、前任者が連れてきた監督がそのままなのだから、チームがやりたい事も、この時にドル氏より語られた内容から大きく変わっている事はないでしょう。
モウリーニョくらい『ぬるいプレーしてると3年間スタンドに座るぞ』くらいの激しさがあってもいいかもしれない。
正直、もっと…な監督でした。
スターティングメンバーを見比べて下さいとしか、言いようがないです、はい。
20節消化でリーグ最多失点と、大変苦しい時期の記録。
昨シーズンよりも進歩したからこそ、やりたい事が出来るようになったからこそ、ぶつかっている問題をまとめています。
この時に抽出した指標と、今季記録している同じ指標を比べたら、いかに1年で積み上がったのか、というのが感じる事が出来ると思います。
だが、何よりも低迷の原因は、データから攻撃回数の得点転換率、ゴール前のクオリティにあるのは明白で、後は、駒の質を上げる、より転換率が高い選手に変えるしか、答えは無いように思う。
ゴール前のクオリティ向上が急務のチームで生き残れるか。
チームが苦しい、成績が良くないとして、原因は統計的に考えないと、問題解決にはならないと考えています。
転換率の低かった選手は皆チームを去り、今季は転換率の高い選手がポジションを得ている、その結果、半分を過ぎて暫定で2位にいる。
例えば、先日、首位決戦と呼ばれた東京との試合に2-4で敗れたとして、敗因は果たしてお決まりな『守備崩壊』なんていうフレーズが最適なのか?
敗因は正確に。右からの低いクロスに遠藤と和田が”触った”プレー、遠藤がゴール正面ドフリーでコケたプレー、山谷と和田がペナルティアークから放ったシュートは除外。殆どがゴールエリア内で放たれており、この内1本が50cmずれて、パギの弾いたシュート3本の内1本が逸れれば同点。 #fmarinos pic.twitter.com/94BfUlXDdk
— Speir_s (@Speir_s) June 30, 2019
苦しい時ほど、何故苦しいのか、を冷静に考えないと間違った答えにたどり着きやすい。
例えば、柏が2018年の前半に低迷した理由は、シュートを一番打つクリスティアーノの決定率が激減した事による1点差負けだった。
監督変える前に、夏に選手取ればこんな事にならなかったんじゃないですかね…。
清水の復活もドウグラスありきであるし、FC東京の失速もディエゴ・オリヴェイラの決定率がシーズン前半は30%越えの異常値を記録してから、16%まで収束するのと毎年リンクしてる。
そういう意味で、今季、仲川が既にビッグチャンスのミスを昨季の倍以上記録しているのは惜しまれる所、復活を期待したい。
だが、シーズンを迎えた段階における編成ミスがもたらした混乱は、それらを帳消しにしかねない大きな失敗となり、今季の成績に、失敗に終わったシーズンに、大きく関与しているのは間違いがない。
シーズンは何故失敗したのか、といえば、ここに帰結する。
ドル氏はその手腕は見事な、正にやり手ではあったが、先読み、戦略という部分では性急、傲慢だったかもしれない。
そういった戦力状況の中でも、70%のフレームを完成させた監督の手腕は見事であり、十分な準備がなされるであろう新シーズンには期待が高まった。
心配がない(白目)
いや、ちょっと待て、言い訳をさせてもらおう。
後半、マリノスが改善を目指す課題に24失点している総失点の減少があるとして、0-3で負けた2つのゲームを除外すれば、16試合で18失点であり、更にこれは致命的ミスが散発した序盤戦、壊れたゲームの清水戦、不平等な決定率だった東京戦も含めての数字。真の課題は大失敗のゲームを1回もしない事。
— Speir_s (@Speir_s) July 12, 2019
みろ! 16試合で考えれば1試合1.125失点じゃないか。
開幕戦のアレとか、その他諸々で皆さんが天を仰いだシーンを含んでの数字だ。
ただ、今季は失点が減ったが故に、映像でパターン失点集が作れると思う様な欠陥が目につく。
まだまだチームは信念に基づいた成長途上にあり、修正に期待したい。
さらなる飛躍へ
マルコスとはポジションを争えないけど、扇原とは争える、どうする天野。
けれども彼は、「もっと前で得点に絡む」姿を追い求めたいと言う。
( ゚д゚)
・・・・・・・・・・・・・・・残念ながら去っていく選手もいるだろう。
2014年からの5年を外から見たファンの感想として。
それは日産サッカー部という、昭和の時代から続く『プロサッカークラブとはなにか』が定義できていなかった体制からの脱却であると私は思う。
競技で成功し、ビジネスの成功に還元させ、多くの人を巻き込み生態系を拡大し、クラブを発展させる、それが2015年、利重氏がインタビューにおいて、ビッグクラブとしての運営を明言したシティグループが行っていること。
2014年に新生した、プロサッカークラブとしてのマリノスの5年間を総じてみれば、よちよち歩きの赤ん坊は見事成長し、それは成功と言える。
そして、1が3になったとして、これを10に、100へ、このまま発展のカーブを描き続ける事は出来るのか。
次なる5年はよりパワフルでなければならないし、それが成した時、次の5年後には、マリノスは、とんでもない坂の上に立っているかもしれない。
と夢を見る。
2019年6月という今のマリノス(雑文)
何ともしまらないタイトルになったが、1記事1テーマというスタイルにおいて、まとめるにはコレしか無い、という着地点である。
時系列として、扇原と喜田にマルコスというユニットを見出してから、湘南戦のアクシデント、清水戦、そして直近の松本戦という経緯で見えてきた現状についてまとめる。
マリノスは何の意図があって、みんなが『ダブルボランチ』って呼んでる喜田と扇原のコンビに変えたのか。
『マリノス対策』にボコられて3敗
これについては書かれてる記事も多いので今更触れないが、二人のセンターバックと喜田の3人、三角形で構成される最後方のボール保持に対して、2トップで圧をかけて、外に逃げたボールの流れからボール奪取を始める。
マリノスが、悪い配置のまま無理に前に行こうとするならカットからロングカウンター、ボールを下げればセンターバックまで詰めてショートカウンター、どっちも地獄が待ってるぜ、そんな感じ。
そこでマリノスが対策の対策として採用したのが、ハブ(結節点)として優れた性能を持つ喜田を先端(前方)に残した上で、ひし形を形成すること。
喜田の相棒となる扇原が、センターバックの間だけでなく、両端にまで動いて、最後方からビルドアップに参加する。 原則なので、状況によっては喜田が後ろで扇原が前の時がない訳ではない。
この点、扇原のアクシデントにより途中交代で湘南戦に出場した天野について、酷評する声もあったが、パス及びボールロスト、攻撃参加のリスク管理として、センターバック(最終ラインの選手)の基準が求められたと思えば、ほぼパーフェクトな出来と私は判断した。
サイドバックが中で受ける3-1-2。湘南が後半に守備ブロックを下げざるを得なかったのは天野がピボーテタスクを消化し始めた結果、何度も空転させられたから。最後方を安定させ、なおかつ前進のスイッチを入れる、パス成功率92%。 #fmarinos
— Speir_s (@Speir_s) June 1, 2019
Jリーグを観るならDAZN https://t.co/ECSGcjwvnO pic.twitter.com/mfLG6gPwiG
そして、この『対策の対策』により生じるメリットは、やり直しで下げた時に数的同数のラッシュを受けず、ボールを保持しやすく(特に湘南はやる気マンマンで特攻してきたが、空転で疲弊した)
何より敵陣攻撃では、次のひし形を形成してサイド攻撃、敵陣ボール保持の安定により中央にスペースを生み出しやすい事。
後ろのひし形が、前のひし形を生んでいく
5-3-2のブロックに完全詰んだ大分戦
5-3-2でマリノス対策を予習してきた松本戦のゴールシーン
敵2トップの横に侵入した畠中から遠藤にパスがでた瞬間。
敵ブロックに対してボールホルダーを頂点とした三角形で詰んでいるのが大分戦だとすると、
ひし形を形成して攻撃を開始、ここからティーラトンと大津のランにより、ハーフスペースをガラ空きにして攻略したのが松本戦。
天野は謎ポジション、喜田が前に出てるのだから、リスク管理として最終ラインの前にとどまるべきだった。
逆サイドのインサイドハーフが根性で走ってこい、ではなく、各選手最小の移動距離で、自然と次のひし形が敵陣内に生まれる事で、流動性の高い攻撃からスペースを作れるようになった。
左サイドでは、マリノスのボールが敵2トップ脇の位置に入った瞬間、遠藤が内側に移動し、ティーラトンが外に張る内外交換によるひし形の形成も頻繁に見られる。
生き馬の目を抜く早い世界、ウイングは幅を取るのが仕事、という概念も、もう古い。
3-1の連環。扇原との関係性と同じくターン師の喜田が前で受ける役、天野は後ろで捌く役。左はサイドバックがワイドの遠藤がインサイド移動だけど、右は仲川が張り出し、和田はマルコスが1列降りたスペースを補完。遠藤に当ててティーラトンに落としてエジガルが裏抜けオートマチック。 #fmarinos pic.twitter.com/D4Cp6f81dy
— Speir_s (@Speir_s) June 1, 2019
ただ、もちろん良い配置になったとして、勝てるとは限らない。
良いパスが出るか(遠藤のスルーパス)
デュエルで勝てるか(大津の強さ)
決定機を活かせるか(ストライカーエジガル)
ゴール前のクオリティが、より問われていくだろう。
実質5連勝(当社比)
もう対策とか効かねぇからな!
ファジーが生み出した真なる具現者
松本戦、ボスことポステコグルー監督は前半がものすごく不満だったようだ。
前半は45分でシュート9本、これにはペナルティエリア内でフリーの選手が放ったシュートという決定機も3本あったのだが、45分でシュート3本、枠内シュートはエジガルの決勝ゴールだけだった後半の方が良いみたいだ。
その意図を読み解くと、原因には、やはり『言わんでも分かるやろ』的なファジー(曖昧)過ぎる方針があるように思う。
松本戦、前半の30分くらいまでは決定機も多く、とても良かった。ヒヤリとする場面も3回あったが、どれも対応するマリノスの選手に十分な余裕があったのに起きたミスを起因とするもので、敵によって誘発したものとは言えない。
途中までは良かった、途中までは。
その理由として、この日は『俺はマルコスの代わりだ』と振る舞った天野に代わって、『U-20で居なかったから新しい構造よく分かんないです』という山田に代わって、
その場の状況判断のみにおいて、和田が前述した、喜田の相棒として最後方のビルドアップにおける中心に居たからである。
喜田を先端に対2トップでひし形を形成
3人の真ん中、ひし形の先端になることも。
和田の姿には、これぞ正に、クライフが「タッチライン際を60m往復するのは間違っている」と断言し、ダニー・ブリントを最適な選手と言った真なるサイドバックの具現者の到来を感じ震えた。
代わりに『マリノスのサイドバック』の様に振る舞った山田が、この時間帯は広瀬的なタスクが回ってきたので、マルコスの代役ポジションが回ってきた後半よりは活躍した。
しかし、他の選手によって導き出された和田のタスクは、他の選手次第なので、偶発的な物で、それにより和田が広瀬的な動きをするようになると、上手くいかない、ボスがフラストレーションを貯めた時間が過ぎていった。
天野どうすんだろ
天野も和田ショータイムにおいて、マルコス的な位置に、僅かに開いた空間で受けて何かをやろうとはして、結果、何も出来なかったが、居るだけは居た。
ブロックされたボールが自分の前に転がって仲川に決定的なパスを通したのが見せ場。マルコスならあれを偶然ではなく、必然でやるクオリティがあるということ。
ここ数年、見てきて分かったのは、スペースに走り込んだ瞬間など、いい状態でボールを貰えば決定的な仕事ができる、正確性が高いプレーが活きるのだが、一方で、敵を制圧し橋頭堡を生み出すのは出来ない、ということ。
敵のブロックに隙間を見つけてボールを引き出し前を向きたい、として、喜田やマルコス、仲川にとっては、十分な時間とスペースでも、天野にとっては足りない。
精神論で彼を批難しても、根性の問題というより能力の問題だから仕方がない。
一方で、プレーの正確性という特徴を活かす為に、前を向いた状態でボールを受けやすいポジション、サイドバックや最終ラインは最適な様に見える。
マリノスのアタッカーとして、マルコス、三好に見劣りする、そして11人という枠から外れて、扇原を襲ったアクシデントによりチャンスがある状況。
去年の同時期とスターティングラインナップを見比べると、『言わなくても分かるやろ』という監督は見切りが超早い。
「あ、喜田の相棒、最後方のビルドアップ部隊には和田を組み込めば、マルコスと三好並べられるやん、左の遠藤とティーラトンより、仲川と三好、マルコスでひし形作れるやん、ワクワクするやんけ」と閃いたらそれまで、である。
松本戦、監督の修正により、後半は最後方での関与が増えたが、まだ自分の特徴が活きるはずのタスクに徹する事に対して迷いがあるように思える。
これは精神論で批判できる、能力ではなくエゴ(自己欲求)の問題。
広瀬より同点で勢いついた清水がキックオフから全力で来る雰囲気は分かりきってた中、後ろ3枚と喜田でそれを交わすとして、それをティーラトンに任せて自分は前に行った判断はガッカリしたなぁ。最も危険な位置でロストしない事の価値と、それを行える天野を評価する事が観てる側も重要。 #fmarinos https://t.co/Qf4xu5rLV4
— Speir_s (@Speir_s) June 16, 2019
ティーラトンや山中の様な選手にやらせてはいかんのだと、天野がノーミスで安定させる重要性を清水戦で再確認。
やったぞ東京と勝ち点3だと、今後も1位を意識して行きたいのであれば、不利が続いた試合を引き分けで終わらせる勝ち点1は重たい。
マルコスとはポジションを争えないけど、扇原とは争える、どうする天野。
戦術とか別に分からなくても良いと思うぜ。だけど、昨日の天野を評価しないのは、彼に迷いを与えるのではないだろうか。マリノスのスタープレイヤーという系譜からは異質でも、鼻血流していても、カッコいいぞ10番。 #fmarinos pic.twitter.com/dJASV0ABt5
— Speir_s (@Speir_s) June 1, 2019