バージョン3.0 2021年の横浜Fマリノス
川崎との開幕45分を見た時には、目眩がした…なんて事は今さら起きず、見慣れた”やらかし”に「あぁ今年で最後かなポステコさん」と、サッカー界で言われる所のサイクルの終焉を予感した。
所が、最初からそのつもりだったのか、状況がそうしたのか、詳細を語ることがない指揮官から、その理由(ワケ)を知る術もないが、マリノスはこれまでとは大きく異なる、ポステコグルー監督の就任以来2度目となるメジャーアップデート、正にバージョン3とも言える、最終形態にモデルチェンジした。
これは新しいサイクルの始まりであり、大きな変化、革命を起こさず、同じ監督が自身でこれを成すことが出来るのは凄いことである。
引用 https://twitter.com/prompt_fmarinos/status/1385894009088790533
日程だけではなかった問題
オフには量より質を求め、良いトレードが出来たと思いきや、突出した記録を残したエースを失い、リカバリーとして行った補充も、コロナ禍により、それがいつ届くのか、全く見通しが立たない苦境に追い込まれる。
攻撃を標榜するチームでありながら、そもそも前線の駒数が足らず、特に左ウイングは高卒ルーキーである樺山を開幕先発にせざるを得なかった所に苦しさが伺えた。ポステコグルー監督にしても、やらかしとは君たちが言うが…と別に色々と理由を言いたい開幕戦だったと言える。
引用 https://twitter.com/prompt_fmarinos/status/1365300051602407429
一方で、前年にあらゆるタイトルを失い、持たざる者として2021新シーズンに挑む横浜Fマリノスだったが、常軌を逸した過密日程さえなければ、という思い込み、それはつまり、マリノスは何も変えなくとも、日程さえフェアであれば勝てるという誤解があるとすれば今年も昨シーズン同様に勝ちと負けがイーブン程度になると考えていた。
問題は増幅した状態でシーズンを終えており、2021シーズンに向けて大きな懸念点であり、問題が解決しているとは言えない状態である。
編成の問題は若干残ったが、それよりも覇権奪還を成し遂げる上で、焦点は昨シーズン顕になった問題を解決できているのかどうか、だった。
コンパクトネス依存からの脱却
引用 https://twitter.com/prompt_fmarinos/status/1367288400357715968
マリノスはポステコグルー監督の理想を具現化するべく年々と特化、先鋭化してきたが、失点と直結する要素として、フットボールラボの提供するデータにおけるコンパクトネスと高い関連性があった。
これは対戦相手が自陣でボールを保持しプレスがかかっていない時、どれだけ守備陣形が狭いか数値化されたものだが、マリノスにおいてはコンパクトネスの低下=失点しやすい状態となる事が、ポステコグルー監督のロジックとして存在していた。
DFラインは限界まで高いので、1列目で、戦術的に吊り出される、切り替えの遅れ、プレスミス、プレスバックのサボり、を起こすと失点しやすく、昨年は何処のチームも狙ってやってくるようになった、と言える。
この点において、昨シーズンに守備で上位に健闘した大阪の2チームも(何処を守るのか方法は異なるが)コンパクトネスに守備の堅牢さが依存しているタイプと言える。
他方、守備の堅さをコンパクトネスに依存しないスタイルとして、昨シーズンのJリーグにおいて、最もリスクなく戦った上位2チーム、川崎と名古屋があった。
ハイプレスを生命線としながらもディフェンスラインがマリノスほどヒステリックじゃなく、蹴られる局面では下がる川崎。自陣のスペースを完全に埋める為、横に広くなることで、コンパクトネスが下がる名古屋。
そして、今シーズンのマリノスは、この2チームの中間に位置し、守備のロジック、構造として従来のスタイルから脱却し、コンパクトネスに依存しないタイプへと転換したと言える。
大人のディフェンスライン
シン・エヴァンゲリオンはディティールの確認を含めて、2回観に行ったが、大人になることの重要性、そしていかに問題だと思っていたことが、自身の振る舞い1つで問題ではなくなるのか、を見せてくれた。
話をマリノスに戻すと、敵にプレスのラッシュをかけている時は連動してオフサイドトラップを仕掛けている、今までと変わらずにラインは高いのでは、と感じている人もいるだろう。
データではマリノスの”大人な振る舞い”が明確に反映されていた。
引用 https://twitter.com/prompt_fmarinos/status/1372365513955758084
フットボールラボが提供する、敵陣で敵がボールを保持し、マリノスのプレスがかかっていない時における最終ラインの高さを数値化した指数において顕著な差が出ている。
2019年 最終ライン指数 77 コンパクトネス55
2020年 最終ライン指数 81 コンパクトネス47
昨年はコンパクトネスが低下しているのに、プレスがかかっていない状況で更にラインを高くしていた、全体として前に吊り出されていたのがわかる。
そりゃー、もし途中で3バックをやっていなければ、2018年同様に年間で60失点しかねない数字だったのも分かる。
そして2021年、大人になったマリノスでは
最終ライン指数 46 と、プレスがかかってなければラインは上げられない、と常識的な振る舞いを見せるようになった。
大人になったなポステコはん…
シンエヴァを観てない人には何の事か分からないかもしれないが、大人になれば、「何であの時に私が怒っていたのか分かってんの?」と、答えがない地獄の設問に、黙っていれば「話聞いてんのか?」とガン詰めされる状況も華麗に切り抜けることが出来る。
問題は問題ではなくなるのだ。
コンパクトネスとハイプレス指数
引用 https://twitter.com/prompt_fmarinos/status/1379671278571855872
昨シーズンまで、マリノスはプレスがかかっていない状況でもラインを高く保っていたので敵は当然と裏に蹴る、その結果、だいたい通らないけど、通れば簡単に失点、シュート3本で3失点した試合もあった。
今季は上げられない状況においてはラインを上げないが、その分、一発勝負ではなく、自陣で時間をかけて守るようになったと言え、その結果、川崎よりも自陣で守る、名古屋よりは敵陣で守る、中間のチームになった。
ハイ(敵陣)プレス指数は川崎の72に対して40、元からマリノスは集計方法的に低めだったが
2019年 51.4 成功率47.8%
2020年 52.5 成功率50.3%
と大幅に下がっているものの、成功率は川崎を凌駕するリーグ1位 54%と大幅な上昇を見せている。
また、この3チームにおける共通点は前項で触れたが、コンパクトネスに依存しない、関連性は一切感じない点であり、それはマリノスにとっては激的な進化、革命とすら言える。
この為、敵チームが敵陣でボールを保持し、マリノスのプレスがかかっていない状況において、マリノスの守備陣形は、特に横に広くなっており、コンパクトネス指数も40になっている。
優勝した鬼プレスと言われた2019年が55、守備崩壊と言われた2020年が47、2021年はそこから更に大きく下がっているのだが、守備は過去1番というほど安定している事になる。
これは構造・ルールが変わった事を意味し、パラダイムシフト、変革である。
時間をかけて守る=自陣で戦う機会の増加
引用 https://twitter.com/adidasJP/status/1385730187518783492
敵チームは苦し紛れにラインの裏を狙う、そしてパスカットやオフサイドトラップが決まると、それは気持ちの良い守備かもしれない。
一方で、プレスが上手く行っていないのに、それを狙うことで、無抵抗な失点を重ねてきた。その結果、マリノスは攻撃が良いけど守備はねぇというイメージが浸透している。
だが今季、プレスをかけられていない時はステイ、と待つ時間を持った事で、敵が一発勝負をする機会が減り、守備時にコンタクトプレーが激増しているのが伺える。
フットボールラボにおいて、タックル、ファウル、空中戦、ブロックなどを指数化したフィジカルコンタクトにおいて、ポステコグルー監督就任以降、初めて50を越える数値を記録。
2018年 31
2019年 36
2020年 43
2021年 51
被ゴール期待値と利益
引用 https://twitter.com/prompt_fmarinos/status/1385928358240784389
その成果として失点数が減っているとして、一つ前のデータが被ゴール期待値と、その差分、つまり利益だ。
ゴール期待値とは、打たれたシュートの状況、場所や敵の配置などから、平均的な能力の選手が放った場合の得点数をAIを用い割り出した数値となる。
昨シーズンのマリノスは1.357の被ゴール期待値に対し1.6失点と必要以上に失点をしている状況だった。今季は、被ゴール期待値で1.205と改善した上で、0.7失点と大きな利益を出している。
※予想失点数が1.2点に対して、0.7失点しかしていない、ということ。
これはサッカーという競技において1点は重く、ゴール期待値と実際のゴールという関係において、「うちの子供でも決められるよ!」というようなイージーな状況が一回あるだけで、数値の上振れが起きやすい。イージーミスが多いチームほど、損失が増えやすい。
例えばルヴァンで高野がミスした後の状況とか、試合を通して数値は低くとも、エラーが起きれば実際のゴールは増えやすいのだ。
この点、データの見方として、昨シーズンまでのマリノスはいかに、オープンなシュート状況を生み出しやすい、守備のエラーが起きやすかったのか、と見るべきだろう。
1試合の平均利益は0.5に及び、これはとても優秀な数値であり、今季は如何にエラーが起きていないのかということだ。
上述してきた要素の成果として、大人の対応がもたらす安定感と言える。
前線の新サイクル
引用 https://twitter.com/prompt_fmarinos/status/1379441703451418630
エリキの移籍、そして度重なる仲川の離脱、遠藤の売却が決まり、優勝時とは総入れ替えとなった前線には新たなサイクルが生まれている。
エウベルはデータ通り、ドリブルの破壊力はリーグ屈指のレベルであり、全体的に弱点がないコンプリートなアタッカーと言え、更に実際にプレーした発見としてはパスに喜びを見出す、パスが好きな選手だった。
これにより復活したのがハーフスペースの攻略で、以前よりも警戒され狭くなった中で、走り込む選手の足元にピタリと止まるスルーパスは見事という他ない。今までのマリノスになかったクオリティである。
例えばセレッソ戦において、左右の攻撃を査定する上で『オープンになったボールホルダーがクロスを蹴ったか』という点において、右サイドが45分で2回と完全にスタックする中、エウベルは自身のドリブル突破、ハーフスペースに走り込む選手へのスルーパス、8回を記録した。
エウベルというクオリティによる攻撃効率向上の実現化と言える。
https://twitter.com/prompt_fmarinos/status/1378234179301699584
湘南戦では、オープンな選手が蹴るクロスの危険性を理解しましたね。攻撃が上手く行っているかどうか、どのようなプロセスでゴール前にボールが供給されたのかを注視してもらいたい。
また、ファーストトップとして活躍していた前田をウイングで使うしかないとして、昨シーズンの様な置物化の悪夢がよぎったが、何となく足の速い奴を置いただけという状態ではなくなっている。
タッチライン際で開いて受ける従来ウイングの仕事を他の選手に任せ、中に進出していく動きがかなり多く、そこに空間が生まれ、マルコスが新たな仕事場として活用、さらにクロスに対して強みを見せるオナイウと前田が中にいる状態を作り出している。
ここに、ベッカムの領域すら感じる水沼のクロス攻撃、もう少し時間はかかるだろうがレオという新戦力の上積みもあり、そしてルーキー樺山や、怪我がちな仲川をデトネイター(起爆剤)として毎試合時間制限で活用するプランなど、始まったばかりの新しいサイクルはまだまだ可能性を残している。
引用 https://twitter.com/prompt_fmarinos/status/1388403351511977987
また自陣からのビルドアップ・攻撃においては、ドリブル、ロングボールなど従来パスワークとは異なる方法の使用率も増えており、こちらも上手く行かない時の別手段に改善が見られた。
今季も川崎は独走し、過密日程は続き、そして8月は常軌を逸した真夏の連戦が待ち受けている。奪還には、追撃をしながら、更にもう一段のレベルアップが求められる。
土台は整った、あとはリーグNo.1の攻撃、アタッキングフットボールを標榜する前線のクオリティ向上に期待したい。
21年マリノス開幕雑観 川崎戦
祝明治安田生命J1リーグ開幕!
今年は金Jオープニングマッチに選ばれ、川崎と対戦を迎えたマリノスの雑観をツイートするには長くなったのではてな記事にまとめた。
今年は3バックと前触れもあったが、システムは関係ない、やる事は同じ、と言う監督。
練習を見た人間の解釈が足りなかったのか、守備時における最終ラインの並びは4枚、変化としてボール保持時に若干、両サイドバックのタスクが異なり、ティーラトンだけが中央まで進出する微調整程度の物と感ずる。
敵陣プレスでは、これまでの「敵なんか関係ねぇ!オレ達は行くんだ!」という能動的な、時間を奪う為の破壊的なアタックは見られず、
GKとCBにはボールを持たせ、天野がシミッチ番としてアンカー潰し定番を行いつつ、そこから出るボールに対してファーストプレスを始める、受動的な、選択肢を減らしていく安定性が高いやり方に。
その安定的守備の練度として、極めた川崎と、去年の秋から取り組んでいますのマリノスでは差があったとしても、よりゲームにおける優劣を決めたのが、パスアタック(パスで前進して行こうとするプレー)におけるエラーによって起きる、自陣ロストの数なのは観ている誰もが感じた事だろう。
何故こうなったのかと言えば、被決定機の発生を連発した畠中はあまりにも酷かったが、選手のクオリティに求めるのは簡単として、更に選手の適正と流動性の欠如が考えられる。
2018から2019年前半にかけて、頑なに2-3と言う形で最終ラインからのビルドアップ部隊を構成していたポステコグルー監督(以下ポステコさん)
まだJリーグに敵陣プレスを仕掛けるチームが少ない中で、それでも特攻してくる相手にはボコボコにされていた中、2CBに2ボランチのボックス陣形をベースに、プラス両サイドバックと言う構成を見出し、
2-2のボックスを維持、また松原だけが最終ラインに残ったり、ボランチが1列降りたりして3枚になる、など、高い流動性を生み出す事で対抗策とした。
だが今回の実験では、タスクを明確に割り振った結果、硬直が起き、選択肢を奪っていくプレス合戦において、マリノスはパスをすればする程に悪い状況になるという切なさで、敵陣への前進率(自陣からのパスアタック成功率)で惨敗となった。
攻撃回数があれだけ一方的になってしまえば、2-0というスコアはGKを褒めるべき結果だろう。
更に選手の適正として、扇原やティーラトンは狭さなんて関係ない、いやそもそも狭くないよね、と言う選手ではなく、流動性の中で運動量が活かし、そしてオープンになれば前進パスが出せる選手で、
「俺は正拳突きしか撃てないが、見えないほど速く、当たった物全てを砕く威力があれば、それでも問題は無い」
とでも言うべき、剛の者的論理を実現するには、マリノスにはリソースが、マネーが足りな過ぎる。
また、リスクを掛けて、苦労をして、ボールを前進させオープンな選手を作っても、低い可能性にベットできる、マルコスの様な勝負師なクォーターバックが居なければ、エラーによって起きるマイナスのみが目立つ結果になった。
ボールを守りファウルで逃げるのが上手い天野がアンカー、遠くを狙える扇原が、セカンドトップに入りボールを引き出し、前線で第二攻撃地点となった方が、あそこまでの劣勢にはならなかったかもしれない。
そんな訳で苦闘の45分であったが、4年目になれば「またやっとるな、ポステコさん」である。常に可能性を模索していく彼のラボでは成功と引き換えに積み上がった失敗作が、そろそろ山の様になってきた。「見たくないゲーム」と言うが、こちらは最早、見慣れた光景ですらある。
可能性の模索を実践で行う手法でチームを仕上げていくのはいいとして、選手のみならず我々も辛い45分、場合によれば90分を過ごしてきた訳だが、
『でも、これまでの経験上、無理じゃないですかね。』みたいな、
あれ、もしかして、前のアレを失敗とは認識していなかったのか、解釈の相違を感じる事も珍しく無い。昨年の名古屋戦とか、どうでしたっけ?
一方で、これがレオの合流が遅れているからかなのかは分からないが、前田がマリノスに加入して以降では最も真価を感じさせるプレーを見せた。
「やっと彼がウイングではないと、我々の思いは通じた…トラストミー!」
その効果は絶大で、45分で記録したスプリント数26にとどまらない。
サイドの上下に費やされていたそれは、ピッチ中央がスタートとなる事で、まさに縦横無尽。
ロングボールでの裏抜け、失った瞬間のファーストプレス、更には被カウンターにおけるプレスバックとして、そのベクトルはあらゆる局面で全方向に向けられた、太陽拳ならぬ八極拳。
※八極、全方向へのエネルギー=爆発 を意味する
更に、これにより前半は存在しているのか確認不能だった、オナイウが敵DFラインから浮いた、セカンドトップ的な立ち位置に入る事が増えて復活。
彼の持つ武器の中ではドリブルシュートよりも遥かに優秀な、トラップとショートパス、そしてリバウンダーとしてセカンドボールの争奪における成功数が光った。
DAZNデータでは前半12-4と明らかな劣勢だったシュート数は、後半6-7と大幅に改善。
明らかな失敗ゲームは、この後に控える、マルコスとエウベル、そしてレオの合流と、更には樺山のブレイクというオマケまでついて、何とか今シーズンに期待を持たせる光を見せつつ終わる事が出来た。
前田はゲームを変えるデトネイター(起爆装置)としてセンターに置く、オナイウはセカンドトップとして振る舞わせてクロスからのゴールを期待したい、スペースを打ち抜けない天野は第二次攻撃地点よりビルドアップ部隊に組み込んだ方がボールを守れる、扇原のアンカーはいい加減諦めて…
役割や構造変化よりも、先ずは個性を活かす適正な選手起用の方が、今いる戦力で成果が出るのではないだろうか。
就任以来、成長がキーワードのポステコさんだか、外からだと妙に感じるこだわりで選手が疲弊している様に見えるタスク割り振り、運用の改善に成長を期待したい。
2021年 マリノスに新加入するエウベルってどんな選手?
書いてる時点(1月5日)では内定だが、2021年に横浜F・マリノスへ加入する事が決まった、新外国籍選手のエウベルについて、どんな選手なのか統計的に探る。
視覚的に動画の意味はあるが、時にそれは数シーズン分をまとめた物であり、例えば3シーズンで3000分プレーした選手のそれが10分だったとして、いいとこ取りな事を含めて、300分の1を把握したものに過ぎないと言える。
一方で、統計的なアプローチは3000分全てを網羅することで、選手の傾向(タイプ)をより具体的に把握出来る方法と言える。
DATE by sofascore&whoscored&transfermarkt
ブラジル1部のヤバい奴ら
ウォーミングアップ的な雑談
Jリーグは歴史的にもブラジル人選手が活躍してきた事もあり、たまに電源すら入らなかったり、時には爆発する事もあれど、AppleのiPhoneくらい、信頼感のあるブランドと言える。
またリーグの競技力は、欧州がチャンピオンズリーグを成功させ、マネーが集まり、それ以外との差が大きくなっている中でも未だに高く、個人的感想としてはイングランド、スペイン、ドイツ、イタリア、フランスに続く、第6位を争う集団の先頭付近に位置すると考える。
この点、近年は欧州でのステップアップを求めてトップ5の周辺・辺境リーグに多くの日本人選手が旅立っていく傾向にあるが、その多くがプレーするリーグよりも上にあるということになる。
例えばグアルディオラやクロップが、ブラジル1部から自由に選手を選んで良いなら、日本代表に論理的勝利するチームがいくつ作れるだろうか? 3つ?5までいけるか?
移籍したものの、全く良いプレーを見せれず酷評の嵐となっている元日本代表選手もいるようだ。
「44歳の私より遅かった」ボタフォゴ退団の本田圭佑を元ブラジル代表MFがバッサリ! 同僚やOBなどからも厳しい声「俺たちをだました」【現地発】 | サッカーダイジェストWeb
この為、直近までブラジル1部へ在籍するチームにおいて、11+3程度の枠内でレギュラー格としてプレーしていた選手の実力には何の不安もないと言える。あとは本人のやる気と新しいチーム(監督)にマッチするかどうか。
日本に来る(Jリーグが買える・雇える)選手
このようにブラジルは競技力が高く、欧州のビッグクラブは常に目を凝らし、尚且、2億人という南米大陸の約半分が住む大国におけるナンバーワンスポーツという基盤もあり、日本(Jリーグ)が、まだ年齢的なプレミア(転売)価値が残る20代のトップレベルな選手を引き抜くことはかなり難しい。
一方で、売り頃、買い頃な選手として、シーズンの出場時間が1500分台前後のレギュラー格な選手を特に近年のマリノスは狙っていると思われる。
例えばエリキは2018年1327分、2019年は8月まで828分、マルコスは2018年1372分、エジガルは2018年1728分となっている。
そしてエウベルは2020シーズン、22試合出場、17先発、1431分をプレーした。
なお、ブラジルのシーズン終了は遅れており、それなりの移籍金で獲得したらしい選手が、フリーでシーズン中に途中離脱なので、ファンが荒れるのも仕方ない。
ごめんちゃい(*˘︶˘*)
エウベルはどんな選手か
結論、やべぇ。
プレー傾向を追うと、ポステコグルー監督の就任以降では他に見ないタイプの選手である事が分かった。更に、その数字の価値に迫る。
先ず、参考として、昨シーズンもマリノスで活躍したマルコスとエリキだが、ブラジル1部時代のプレー傾向はJリーグでも変わらずに、強みも弱みも見えた。
どちらもシーズンのプレータイムは1400分以下であり、例えば二桁ゴールといった派手な数字は無いが、シュート成功率の高さは日本でも変わらずに発揮されたと言える。
マルコス 19%前後 → J1リーグ通算 21.84%
エリキ 35%前後 → J1リーグ通算 23.59%
※ 2020シーズン シャドーとしてプレーした9試合では10得点46.66%
特にエリキは得意な形を発揮しやすい位置に配置すれば、爆発的ゴール決定率を発揮する事象がマリノスでも変わらず確認され、母数が少ないことによる”まぐれ”かなと認識していた高すぎる数値の謎が解けた。
一方で、マルコスは上手いように見えるのに低めなパス成功率なのは、かつての中田英寿ではないがスペースに縦パスを狙うことが多く、チャンスを撃ち抜く一方で、味方にもキラーパスという要素があるのが分かったし、
ウイング系の数値が高くないエリキをウイングに置いたとしても、やはり個での打開、クロスでのアシストなど、ウイング的な活躍を期待するのは無理だったのが、マリノスのユニホームでも如実に反映された。
そして統計から見える傾向として、エウベルはどんな選手か、と聞かれれば、こう答える。
対地対空に強いパワーを有し、パス成功率、更にスルーパスでのチャンスメイクも期待され、一番の武器はドリブル、ただ守備は下手くそかも。
全体的に能力が高い指数を記録している、にもかかわらず、更にドリブル性能が突き抜けた選手。
これまで歴史に名を残す名ウインガーを数多く生み出した本場ブラジルから来る、純ドリブラー。
トラウマを残すレベルの活躍
2020シーズン、三笘にボコボコにされた対面の選手は試合後にどんな気持ちでピッチを去っただろう。
90分換算時のドリブル成功回数と、シーズンのドリブル成功率は?
マリノスのウイング
2019仲川 0.9 55%
2019遠藤 0.9 46%
前田大然 0.4 48%
エリキ 1.2 48%
高野 1.1 58%
2020J1リーグのトップクラスドリブラー
ジュニオールサントス 1.8 58%
セレッソ坂元 1.6 60%
川崎F三笘 2.0 55%
羅列してみると、上手い、印象に残るレベルの選手は55%以上を記録しているし、回数も多いのが分かる。
その一方で、マリノス(ポステコグルー監督)的には意外と回数を必要とせず、仲川や遠藤の様にボールを受ける前の動き&速さ、それにより生まれた一瞬のスキを活かすクロスが重要だったのかもしれない。
この点で見ると、高野にはドリブルとクロスがあったが、ACLで露呈したマークを外して受ける能力(速さ)が足りず、最後にポジションを失った前田は速さがあったが、それ以外のドリブルも、クロスも、マークを外す上手さも無かった、ので順当と言える。
速さも上手さもあったエリキだが、左に立つと中に向かってしまい、クロスの選択肢は皆無で、中に向かうには三笘級の破壊力が必要だったが、そもそも、そういうタイプではなかった。
そしてエウベルである。
完成された選手なので、強みは他にも沢山あるけど、やはり武器はドリブルであり、従来のウイングとは全く異なる純ドリブラーと言える。
彼は今季ブラジルの1部でプレーしていたので、当然J1リーグのデータではない。
チアゴ・マルチンスみたいな選手が、日本よりちょっと多めにいるだけである。
上記と同じ尺度で取られたデータではあるが、あくまで傾向が読み取れる参考値と言える。
2020エウベル 1.9 74%
( Д ) ゚ ゚
バ、バケモノかっ(;゚Д゚)
ブラジルの1部リーグで、2020三笘以上の確率で、対面の敵を個で破壊してきた、破壊型ドリブラー。
ただ、シュート成功率は約14%程度なので、余りこだわらず、マルコスか仲川へショートパスをするパターンがいいかもしれない。
ドリブルの次に選択するプレーとして、スペースに走り込む選手に出すスルーパスが的確で、90分換算でのボールロスト数がとても少ない、サックされないクォーターバック。
ボールを失わない訂
— Speir_s (@Speir_s) 2021年1月19日
20 マテウス
ドリブル成功率48% 地上デュエル勝率45%
90分辺りのボールロスト 19.1回
三笘
ドリブル成功率55% 地上デュエル勝率49%
90分辺りのボールロスト 11.3回
エウベル ブラジルセリエA
ドリブル成功率74% 地上デュエル勝率63%
90分辺りのボールロスト 9.1回 https://t.co/Juva8ovoO4
各チーム、右サイドバックの皆さん、覚悟はよろしいか。
動画というのも、選手を統計的な傾向を掴んだ上で見ると、また違った感じに見えるかもしれない。
そしてついでに
噂がされる2部でプレーするセンターフォワード、レオ。
プレー傾向としては、今のチームで得点に特化した役回りを与えられているからかアシストはほぼ無いが、マリノスでプレーした中ではエジガルに近く、ウーゴよりはボールタッチ数、パス本数が多い、多少はゴール以外も関与する傾向が見える。
シュート成功率は約20.5%と十分で、2部ではあるが対地、対空のデュエル勝率も悪くない。
だが、神がかったドリブルシュートと、一度止めたボールを打つのは上手かったが、肝心のダイレクトシュートが、殆どセンターバックがもう一人いる状態だったジュニオールサントスが13得点に終わった様に、得点の割合も気になるところではある。
エリキの様にどちらも神なら成功率は25%にもなるだろうが、エジガルの様にどちらもこなせる程度の能力で、マリノスでも20%は決めてもらいたい所。
なおレオについて、今は2部の選手、であり、5年前は琉球の選手であった事がクローズアップされるが、2018年はブラジルセリエA(1部)の選手であり、残した数字は以下になる。
同年に同じリーグでプレーしていた、マルコス、エジガルとの比較。
(2人共翌年はマリノスでプレー)
2部の選手で大丈夫なの?
— Speir_s (@Speir_s) 2021年1月23日
レオ・セアラー 2018
ブラジル セリエA
17試合15試合先発 1250分プレー
5得点 シュート成功率 約19%
マルコス 2018
ブラジル セリエA 28試合17先発 1374分プレー
2得点3アシスト
エジガル2018
ブラジル セリエA 27試合20先発 1728分プレー
6ゴール1アシスト
契約の関係上、フリーになった(0円移籍)マルコス、エースの座を奪われたエジガルは日本へ、そしてレオは2部に移籍し、2シーズン連続で2桁ゴールを決めた。
また、ゴールパターンという点で言うと、オナイウの課題は明確で、ダイレクトシュートは上手かったが、マリノスのファーストトップにはそれ以外のシュートシーンが多く、故にシュート成功率が8%であり、これではタイトルを狙うチームの得点源にはなれない。
ぜひ、機会が多いマリノスでプレーすることで成長し、コンプリートなシューターになってもらいたい所である。
フォワードの生命線はシュート成功率である。
2021年 横浜F・マリノスはどうしたら良くなるのか
優勝から9位。
勝ち点はマイナス23と、30%以上の大幅なダウンを記録した2020年の横浜F・マリノス。
一方で得点数は68を記録した昨年から1増えた69と、水準は維持しており、連覇、更にはアジアチャンピオンという飛躍を目指したチームにとって、大きな足枷となったのは21も増えた失点数なのは間違いがない。
もう一度水準を取り戻し、タイトルを戦えるチームになれるのか、その問題は解決できるのだろうか。
DATE by フットボールラボ https://www.football-lab.jp/
シーズン60失点もあり得る
まず、現状を把握しよう。
同じく50点以上失点した2018シーズン(56失点)は、実の所、2018年内に問題は解決しており、新シーズンが始まる前に不安は解消していたのは以前に書いた通りだった。
だが、2020シーズンにおいては、思い出したかのように突然4バック(ウイング有りき)に変えたことで、ラスト9試合で20失点 と、むしろ問題は増幅した状態でシーズンを終えており、2021シーズンに向けて大きな懸念点であり、問題が解決しているとは言えない状態である。
この点について、今年は異例の超過密日程(特にマリノスだけ)、疲労で走れない、その為にプレス強度が落ちた、という仮説があるが、少なくともデータ上ではそれを確認することが出来ない。
より先鋭化したマリノス
2019シーズンにおいて、チームの総走行距離が116km未満だった試合は
2019 34試合中 13試合
2020シーズンにおいて、チームの総走行距離が116km未満だった試合は
2020 34試合中 4試合
共に退場者が出た試合がワーストを記録したが、2019シーズンは77分に扇原が退場した鹿島戦で、104.33kmで、2020シーズンは40分で高丘が退場した川崎戦の106.68km。
また、2020シーズンは前半に退場者を出した1試合を除くと、残りの3試合全て114km以上を記録しており、113km未満が6試合もあった2019シーズンよりも遥かに走行距離は増えている、と言える。
マリノスにも5人交代制の恩恵があった部分があるのでは、と推測できる。
またフットボールラボ独自指標として、AGI・KAGIというものがある。
AGI 攻撃時にどれだけ相手ゴールに近づけたか
- 攻撃時間のうち、相手ゴールに近い位置でボールを持っていた時間の割合が高い
- 攻撃が始まってから、敵陣のペナルティエリアまで到達するのにかかった時間が短い
場合に高い評価となるように指標化しています。
KAGI 守備時に相手の前進を許さない、ゴールに近づけさせず終えたか
- 相手の攻撃時間のうち、自陣ゴールから遠い位置でボールを持っていた時間の割合が高い
- 相手の攻撃が始まってから、自陣のペナルティエリアまで到達するのにかかった時間が長い
場合に高い評価となるように指標化しています。
これは受け取り方として、チーム同士を比べるよりも、マリノスの様に継続したプロジェクトにおいて、その進捗を見るのに適したデータではないかと考えている。横よりも縦で見ろ、みたいな。
なので、単純に、上がれば良い、高ければ良い、という数値ではない。
2018年シーズン
2019シーズン
2020シーズン
チームはより走り、そして、より敵陣ゴールに近い位置でプレーする傾向をとても強めた、と言える。
年々と強まっているのだから、これは、より監督の目指すべき状態になっているとも言えるだろう。
で、失点が激増。
なんでやねん
被ゴール期待値から見える堅牢さ
例えば、マリノスに比べて、2つの大阪を本拠とするチーム、セレッソとガンバの印象はどうだろうか?
実は、この2チーム、実際の失点数はマリノスよりも、かなり少ないが、確率的な失点数、被ゴール期待値ではマリノスを下回るのである。
※ ゴール期待値とは
チームが獲得又は、受けたシュート機会において、AIによって統計的な積み重ねを分析した、『J1で標準的な能力の選手がシュートを打ったら何点決まるか』という数値。
2020シーズン 被ゴール期待値
マリノス 1.357 実失点 1試合平均1.6失点
セレッソ 1.400 実失点 1試合平均1失点
ガンバ 1.675 実失点 1試合平均1.2失点
マリノスは1試合辺り、0.243点を必要以上に失点しており、シーズンで8点以上の損失
一方で、セレッソは1試合あたり0.4点も失点を防いでおり、シーズンで13点以上の利益
この期待値からの損得幅は21になり、セレッソがシーズン37失点で堅守と言われ、マリノスは22多い59失点で守備崩壊と言われる、状態となっている。
この差は何処で生まれるのだろうか。
唯一にして最も落ちたのがコンパクトネス
ポステコグルー監督就任以降の横浜F・マリノスにおいて、顕著な傾向が出ているのが、コンパクトネス、最終ラインの高さ、ハイプレスである。
2019シーズン 38失点
2020シーズン 59失点
前項で示したように、2020シーズンはより監督の意向が反映され、走力及び敵陣ゴールで近い位置でのプレー時間が増えた為、最終ラインはより高く、そして敵陣でボールホルダーに対してのプレス(距離を詰めるダッシュ)が増えている傾向が出ている。
一方で、大きく数字を落としているのがコンパクトネス、ボールホルダーにプレスしていない時における守備陣形の広さだ。
今季の傾向は前年よりも、56失点した2018シーズンに近く、マリノス単体で見たとしてもコンパクトネスの低下に関連性を感じざるを得ない。
2018シーズン 56失点
また、前述した被ゴール期待値はマリノスよりも高い大阪の両チームにおいて、コンパクトネスが高かった事も注目したい。
被ゴール期待値から実ゴールを引いた差分において、つまり利益においてリーグ1位と2位が大阪の両チームである。
セレッソ 37失点 被ゴール期待値 1試合あたり0.4利益(リーグ2位)
ガンバ 42失点 被ゴール期待値 1試合あたり0.475利益(リーグ1位)
一方で、そもそも被ゴール期待値が低い1,2位は川崎と名古屋だが、どちらもコンパクトネスは低い。
だが、両チームともマリノスとは異なるコンセプトであり、ハイプレスはかなりするけどラインはそれほど上がっていない(川崎)、撤退時に横に大きく広がるので数値が低くなる(名古屋)など、この2チームは、そもそもコンパクトネスと守備力との関連性が薄いと言える。
一方でマリノスは2018、2019、2020を比べると、関連性が強い傾向が見え、低下はイコール、悪化と捉えてよいだろう。
マリノスのコンパクトネス
2018 41 56失点
2019 58 38失点
2020 47 59失点
収支の悪化が伺える被攻撃回数の増加
もう一つ気になるデータが、被攻撃回数となる。
元からマリノスは、川崎や名古屋と比べると、攻撃(ボール保有)権の移動が多いチームであり、にもかかわらず支配率が高い。
この異常さこそが、走力を資本に、ハイテンポという時間による圧殺を目的とした、シティとは一線を画す、ポステコグルー監督のアタッキングフットボールなのだが、それにしても今季は敵の攻撃回数が多すぎた。
※ 以下は1試合平均の数値である
2019シーズン
2020シーズン
ハイテンポで攻撃権が行き交うのは良いとして、今季は敵の方が回数が多く、その結果、被シュートも1試合平均で2.1本も増加している。
奪うよりも失う回数の増加、これはJ1リーグの傾向として、ハイプレスに取り組むチームの増加であり、GKを含んだビルドアップを導入したチームの増加、ポジショナルプレー的な概念の伝播など、敵チームの奪う力と交わす能力向上が、如実に反映した結果かもしれない。
少なくともデータ上は、2019シーズンと比較して、より攻撃権が移動するハイテンポ化は進んだが、保持できなくなり、奪えないチームになったと言える。
ボール支配率 61.4% → 58.1%
その結果、敵に撃たれるシュート数がシーズンで71.4本増えた。
また被シュート成功率は約3%も悪化しており、10.2%→13.0%、より悪い状況で敵の攻撃が始まり、最終的に悪い状況のシュートを受けているのも、被ゴール期待値と合わせて伺える。
つまり、前項のコンパクトネス低下から、より空間がある状態で攻撃を受け、更にボールが持てない結果、より悪いシュートを、より多く打たれたのだから、失点も増えると言える。
Jリーグの進歩と新競技への対応
ファッションの世界には、朝令暮改ではないが、朝のトレンドが夕方には時代遅れになる、的なセリフがあるらしい。
現状の不安としては、超過密日程などをエクスキューズ(言い訳)に出来るマリノス側の低下ではなく、対策という枠を越えて、ポステコグルー監督に時代が追いついた、もっと言えば優位性を失った可能性がデータからは伺える。
そもそも、リーグ屈指のハイプレスをみせた川崎がそうであるし、チャンピオンズリーグを制したバイエルンも、チームの総走行距離は106km程度であり、強度が高いハイプレスを実現するにあたって、走力に依存し過ぎなのではないだろうか。
また、リスクに目を瞑り、本当にそこまでラインを高くする必要があるのだろうか。
スーパーなタレントが居ないJリーグであれば、一撃で裏を取られずに安全な位置に立って、例え一旦DFラインの前にパスが通っても、遅らせられるので2列目のプレスバックで十分、という割り切ったチームが成功している。
更に、監督が抱える矛盾として、そこまでハイテンポを求めるなら、もっと早いタイミングで敵ディフェンスラインの裏を狙う、ロングボール攻撃を使用するべきではないだろうか。
(自陣でボール保持時における30m以上のロングパス使用率はリーグ17位)
速いアタッカーを揃え素早くスペースを突き、ハイテンポで敵に考える時間を与えずに、より敵陣ゴールに近い位置でプレーしたい、グアルディオラではなく、クロップを参考にした方が良いのではないだろうか。
少なくともロスト数は今と変わらずに(これ以上は悪くならずに)、なおかつ自陣ロストによる、悪い状態で攻撃を受ける事が減るのは間違いない。
チームが低迷をすれば、過度な選手補強を求める声が高まるが、今のマリノスには十分な戦力があり、問題はフレームに存在する過剰というタコツボと矛盾、そして統計的には効果的ではない適切な戦力運用の修正ではないだろうか。
デトネイター detonator (起爆装置)が必須
一方で、必要な戦力は存在する。
2020シーズンに分かった事として、給水タイム採用による4ピリオド(4分割)化、そして5人交代制度はサッカーという競技を、別の新競技に変えた。
マリノスは従来競技における2019シーズンのチャンピオンであり、川崎は新競技におけるチャンピオンと言えるだろう。
その点で、新しいチャンピオンから学ぶ事はある。
今季、MVP候補にもなったのが三笘薫。
彼は30試合に出場したが、その内、プレータイムが50分未満の試合は19試合にも及び、正にパートタイマーであり、新競技の選手と言える。
先発は11、フル出場、それに準ずる85分以上出場は僅か5試合であり、旧世代の人物が多いであろう選考において、MVPに選ばれなかったのは理解ができる。
また同様に、エースと言われた小林悠も、全27試合中、先発が13、更に14試合が45分以下の出場にとどまっている。
一方で、好調な川崎の中には僅か1ゴールだったアタッカーもいるようだが、両選手、三笘薫は13ゴール12アシスト、小林悠は14ゴール4アシストと、正に新競技に対応した活躍を見せた。
マリノスに十分な戦力はあるが、それはあくまでも旧競技の水準。
1ポジション2人のコンセプトにおいて、予備の選手はいるが、新競技において、ゲームを決めるラストリゾート(切り札)が無い。
リフレッシュ以上の期待を持つ選手、それは観客も、仲川が疲労で仕方なく交代するとして「正直、厳しくなるな」と感じる様な選手では駄目だということ。
特にアタッキングフットボールの尖兵となる、結果なんて無視してでも監督が拘った両ウイングには、ただ出来るだけではなく 破壊的なプレー が可能なクオリティを持った選手を、パートタイマーとして用意できるかどうか、これは本当にチャンピオンを目指すのであれば至上命題となるだろう。
そして、このタスクが与えられる選手はパートタイムで運用するからこそ、過密日程でも30試合以上で使えるとも言え、チーム数も増える2021シーズンでは、レギュラー選手と同じく、トータルで1800分以上はプレーすることになるだろう。
そういう意味では、かつて活躍した”大魔神”佐々木主浩的でもある。
三笘と同レベルで
破壊的な…
プレーが…
可能な…
デトネイター(起爆装置・雷管)が!
画像引用元 https://twitter.com/prompt_fmarinos/
お後がよろしいようで
湘南の畑大雅は今シーズンのサプライズであった。
元は、右サイドの選手らしいが、左でも問題なくプレーし、この点、左右でプレー可能と言え、秋以降レギュラーポジションを掴み、殆どの試合で走行距離3位以内、スプリントに関しては全13試合でズバ抜けた回数を記録した上での、1位である。速い。
昨年はU-17ワールドカップでプレーしていた、2002年生まれの18歳というのだから末恐ろしい。
もっと攻撃機会を得られるチームで、潮流(ブーム)に乗り、両ウイング&両サイドバック可能な、ポリバレントなパートタイマーとしてプレーしたら、強烈なインパクトを残すだろう。
ツイッターはこちら
どうしてこうなった 横浜F・マリノス極めて低調な2020シーズン
これさえ取れば…
2020年の横浜F・マリノスにとって、異常な日程に巻き込まれ、まともに競争力を発揮する事が、物理的に困難な状況に追い込まれたリーグ戦は日程を消化する事のみがプライオリティであり、その最中に組み込まれているルヴァンカップも、それに準ずるコンペティションだった。
一方で、開催日程が揺れに揺れたACL2020について、今の世界情勢を考慮してもベターな方式であり、もっと言えば、東大会に関しては全チームがほぼ同一条件(中国チームはグループリーグ未消化だった為、2試合多い)で戦う構図となり、リーグ戦と同時並行で開催される通常スケジュールよりも、勝ちやすくなったと思えた。
アジアチャンピオンになれば、勝利ボーナスやラウンド進出ボーナスを含めれば賞金6億円が得られ、今シーズン、紆余曲折あったが、全てはこの為にあったのだ、と思えるような大団円を迎える事が出来る算段も立った。
だが、現実としてはリーグ戦同様に、チームは低調なパフォーマンスのまま、ラウンド16で敗退となり、特に、過密日程がエクスキューズに使えない惨憺たる試合内容については、最早、来シーズンへの不安まで感じる物だった。
どうしてこうなってしまったのだろうか。
編成の失敗
水原戦のスターティングメンバー by Google
この一戦に、2020編成の泣き所が詰まっていた気がする。
2020シーズンに向けて、沢山の選手を獲得したが、結局の所、最終的な並びとして、昨年の優勝メンバーからマテウス&遠藤と、パギが居なくなった、パワーダウンを感じさせるラインナップでラストマッチを迎えた。
今シーズンの泣き所となった左ウイングには、リーグ戦で1000分の時間を与えた前田ではなく高野が選ばれた。あれだけの機会で0アシストの選手ではアタッキングフットボールは成立しないと遅ればせながら判断したのか、出れば高確率でクロスからアシストを記録する高野が選ばれた。
ただ、ポジティブな面もあったが、やはり急造ウイング、例えば仲川が得意とする敵ラインとの駆け引きで裏を取るような動きが身についておらず、タッチラインの選手が前半だけで4回オフサイドになるなど、裏への動きを封じられると、下がって受ける足元に入るパスを徹底的に狙われ、左サイドはボールロスト地点になった。
ティーラトンから高野の所はロストの山だな、ショートカウンター全振りみたいな相手に修正しないと一撃が怖い。
— Speir_s (@Speir_s) 2020年12月7日
また、高野はドリブルの仕掛けも武器であるが、この試合でマリノスに同点ゴールを叩き込んだ対面の選手が強力で、質的優位を感じるシーンは一度も無かった。扇原、畠中、ティーラトンが揃うと、敵陣に入る縦パスは左サイドが多くなる傾向がある中で、出口になるポジションが急造選手で、その急造感が、ジリジリとあぶり出される展開は段々と劣勢になるのも当然であった。
今季のウイング事情としては、先ずマテウスは獲得できず、遠藤もシーズン途中で送り出してしまい、新加入の杉本は1試合も使われない、途中加入の選手達も、ジュニオールサントスは活躍したが、それは同時にエリキをウイングで疲弊させるだけとなり、前田は1000分使って諦め、松田は、まぁ日程消化ミッション用なので任務達成と、迷走感だけが残る物であった。
そして、ラストマッチとなったこの試合、たどり着いた答えが、サイドバックの人員を削っての高野起用では、マテウス&遠藤というスピアヘッドを90分敵陣に突きつけていた昨季からみると、大きなマイナスでしかないのは説明不要だろう。
ここで編成の責任だけなのかと言えば、他にも前、山本がそうであるが、J2から獲得した選手を1試合も使わないでレンタルで出す事になった結果、直後にセンターバックが足りませんなど、ポステコグルー監督の選手運用にも大いに疑問が残るシーズンでもあった。
特に、新獲得選手に対する、もはや冷遇と言える物は、監督は望まない選手だったのか、編成との関係に溝でもあるのか、と大いに不安を残した。ルヴァンや天皇杯で慣らす時間が、というが、前田や松田を即起用している時点で、その憶測は成り立つのだろうか。
まぁ冷たい見方をすれば、当初に想定された同時並行となる9月以降の日程で、重要度が低い天皇杯序盤などを想定した、最初から重要な試合では使わないと決めていた、人数合わせ程度の最低限な人員だったとも言える。
だが、今、監督の信頼を得ている選手が並んだラストマッチ、それは明らかに昨年よりも弱いチームだった。
川崎フロンターレが、三笘、旗手、山根といった3選手で、小林、大島や家長を復活させたのと比べると、マリノスが2020に向けて獲得した3人の選手は一試合も出場する事なく、更に仙頭も含めれば、全員が今J2でプレーしている。
ウイングレス(3バック)とはなんだったのか
仲川が怪我を繰り返す中で、ウイング適正のある選手が居ないポステコグルー監督はウイングを用いない、2人のセカンドトップと、両ウイングバックを用いた手法を使うようになった。
これは初登場の名古屋戦は未整備感が溢れるものだったが、次のセレッソ戦は上記記事にあるように、スコアは負けたが、敵陣プレスの改善を含めてウイングレス構造でアタッキングフットボールの復活を感じさせるゲームだった。
この予感はその後、
8試合で 5勝1敗2分 20得点 8失点
と昨シーズンの10勝1分ほどではないが(神戸にシュート3本で3点とられたりとか)低調な今シーズン全体で見れば、かなりポジティブな数字を残した。
特に、酷いことになっていた1試合平均失点は優勝した19シーズンと遜色が無い物で、1点が物を言うノックアウトラウンドのカップ戦を見据えれば、残り8試合、実践で練度を高める時間も十分に残されており、大いに期待を出来る変革だった。
がっ!
何故か突然止めた。監督はテンプレート回答を用い、本音や意図を語ることがないので、何で止めたのかは一切わからない。
その結果、残りのリーグ戦は確かに対戦相手にリーグ上位が多いという余地はあるが、
8試合で 3勝5敗 17得点 17失点
と、3バック以前に巻き戻り、そして明らかに失点数が激増した。
特に、4バックに戻した試合以降、ACLを含めた13試合において失点をしなかった試合は2試合のみで、その2試合も…
FC東京戦は途中で相手選手が暴力行為で退場したにも関わらず、シュート数 18 - 12(枠内 5 - 4)とかなり敵の攻撃を受けており、ゴール期待値も1.47 - 1.214 と論理的には敗北している。
1-0で勝利した上海戦についても、オビがPKをストップしたのが重要であるし、優位なゲームだったという感想を持っている人はいないだろう。
確かに鳥栖戦でもそうだし、特に最後のウイングレス構造での試合となったガンバ戦では、2人のセンターバックとGKに対して圧が低くなりがちで、そこからロングボールを蹴り込まれ続けると、セカンドボールも拾えずに、更に敵が人数をかけた場合におけるサイドの守り方も未整備で、押し込まれ続けるという苦しいゲームもあった。
まぁ、マリノスの選手クオリティで、耐える守備をすれば、1失点で耐えられたけどな。
でもさ、それこそ大阪アウェー連戦を始めとした、超過密日程が問題で、解決可能だったんじゃないのか、と。
だが、マテウス&遠藤の補填をする事は物理的に解決できないと、ACL2020が再開する前に分かっていながらもウイングありきの構造に拘った。やれるかどうか、ではなく、やりたいことをやる監督の悪癖が、弱体化したままのチームでラストマッチを戦う事になった要因ではないか。
基準がよくわからない
昨シーズンはシュート数で明らかに敵を上回り、その結果、「決めるべきチャンスを決めていれば」という敗北が多かった。
だが今季は、明らかにボコボコにされる試合が多く、ゴール前のクオリティ以前に「このゲームは監督が望まれるアタッキングフットボールに程遠くないですか、え?何もしないのですか」という状況が多い。
自陣でしっかり守る相手にもボコボコ
敵陣プレスにくる相手にもボコボコ
対戦した感覚としては、今季、川崎よりも鹿島の方が強かった。
そして水原相手にも殴り負ける
前半に追加点が奪えなかった事ばかり注目をされるが、前半から確認されていた現象として、敵陣でボールが奪えずに、自陣からビルドアップを開始する機会が増えるも、5人で中を固めて外に追い込み、外に出たパスを狙うという水原の狙い通りに、自陣又は敵陣入り口でのロストを繰り返していた。
特に、中に立っていた選手がビルドアップで、外へと受けに出たタイミングでボールをロストしてしまい、そこからディフェンスラインの前がワイドオープン(拡大して開いている=ガバガバ)な状況で受けるショートカウンター、これ2018年のルヴァンカップ決勝戦と同じで、一番危険な形から2失点。
その経緯を、前半が終わり1-0でリードしていたのに、危険な構造をそのままにしていたから、だと思うのだが、監督的には決定機を決めてればよかった、また決定機を作れる、という感じなのか、「このまま続けたら無理じゃないですかね」という時も、何かすることは、これまでの試合、シーズン中同様に、先ず無かった。
水原戦、前半に決定機を作ったと言っても、敵コーナーキックのクリアがこぼれたのをエリキが独走した、個人力のロングカウンターと、オビが蹴ったボールがたまたま裏に抜けただけの偶発的なチャンスしか作れてなかった。
こういう試合をすると、リードを守るような試合展開を覚えるべきだ、という論調も増えるだろう。
だが、別に1点のリードを守る思想のような基礎的な物を変更せずとも『このまま打ち合いをして、より多く決めて勝てばいい』というのは別にスタイルとして有りだと思うが、目の前の試合、現実、そのインとアウトを見比べ、収支としてマイナスになるのではないか、という基準が存在していないのは問題だ。
今季は逆転負けの試合数が注目をされるが、その要因として、マリノスは前線のクオリティが高いので先に迎えた、少ないチャンスを物に出来るが、インアウトは論理的にマイナスで、それが90分を通せば具現化したに過ぎない事が、データからも確認出来る。
※右マリノスの数字
札幌 スコア 3-1 シュート数 15-11(枠内 7-4)
名古屋 スコア 2-1 シュート数 9-8(枠内 4-3)
川崎 スコア 3-1 シュート数 14-11(枠内 3-3)
C大阪 スコア 4-1 シュート数 18-13(枠内 7-4)
鹿島 スコア 3-1 シュート数 26-13(枠内 7-5)
そもそもマリノスは論理的に負けてる、これは来シーズンになればいつの間にか直っている問題ではない。
ハイプレスと回避の時代に
時代はハイ(敵陣)プレス
以下はフットボールラボにおける、敵陣でボールホルダーにアタックするなどの条件をベースに算出される、ハイプレス指数(回数ではなく偏差値)
データ by フットボールラボ 横軸が指数で、縦軸が成功率
2019年
2020年
2019年は50を超えるチームは、マリノスを含めて少なかったが(マリノスはボール保持時間も長く回数が少ないので、算出されにくいハイプレスだった)
2020年は明らかに全体が右にシフトしているのが確認されている。
C大阪はほぼ不動なので、昇格した2チームはC大阪型になり、殆ど全てのチームが同じく不変の大分よりも右側に移動する、前進傾向が加速したシーズンだった。
これは間違いなくマリノスがJリーグに与えた衝撃の影響であるだろうし、チャンピオンズリーグを始めとした世界基準に、他のチームが遅ればせながら追いつこうとしている、とも言える。その結果、今季は簡単に大差がついてしまうような試合も増えた。
マリノスが以前そうであり、そして今季もそうであるように、オープンなシュートシーンが発生しやすく、シューターへのプレッシャーが低く、難易度が下がり、決まりやすい。
同時に、マリノスというよりも資金的に小さい大分の成功を受けて、世界的な潮流であるゴールキーパーを含んだビルドアップによる敵陣プレスの回避が、これに拍車をかけているのでないか。
また、直ぐに、頑張りに要因を求める傾向があるが、マリノスの選手はこの超過密日程でも、最も走っているし、そもそも個々の走力で解決しようという方法論に限界が見えたことに気が付かなければ、来シーズンに暗い影を落とす可能性がある。
マリノスのチーム総走行距離が116kmを下回った試合は 33試合中僅か4試合
セレッソ大阪戦は128.74kmを記録したが、論理的にもスコア的に1-4で負けた。マリノスが記録した得点はゲームが終わった91分だった。
5人交代制と、給水タイム採用という4クォーター制度によるサッカーのアメリカンスポーツ化をJリーグが来季も続けるのならば、この新競技にマリノスは対応しないと不利になる一方だ。
フットボールラボの指数(偏差値)で
マリノスの最終ライン高さ平均位置、は昨年よりも 4上昇
76 → 80
マリノスのハイプレス頻度は 12上昇
46 → 58
その結果、コンパクトネス(ボールホルダーにアタックしていない時の守備陣形)が
13マイナス
58 → 45
・ 前線の選手は昨年よりもボールホルダーにアタックし
・ ディフェンスラインもそれに呼応して高くなり
いざ攻撃を受ける局面では、守備陣形がスカスカになっている
※ 更にマリノスの場合はラインまで突出して高い
高い位置でボールを奪いたい、としても、GKがボールを持つことすら拒否する、フルコートオールプレスのような狂信的で、ヒステリックなプレスではなく、走力に依存しない論理的解決が必要ではないだろうか。
選手の質があるガンバや鹿島はロングボールでシンプルかつ安全に回避してくるだろうし、今年、交わす練習をしたチームが、もっと上手くなっているだろう。
選手クオリティの向上
ライバルの不在。
左ウイングは既に動きがあったようだが、ジュニオールサントスを野に放つのか、という疑問がある。
悪くない手応えがあったウイングレス構造を見限り、高野をコンバートしてまで、明らかに上手くいっていないウイングに拘ったポステコグルー監督。 となれば、仲川、新外国籍選手、そしてジュニオールサントス、それ位のクオリティが無いと、監督が望むアタッキングフットボールは成立しないのではないか。
出し惜しみをするのであれば、監督に変更を飲ませる必要がある。
また、ポステコグルー監督で行くことは決まっているのだから、マンチェスター・シティがグアルディオラを全面的にサポートしているように、後ろの人員にも十分な投資が必要になるだろう。
だって、もう皆分かった事として、監督に変化を求めるのは無理であり、つまり解決方法は選手のクオリティを上げるしか無いのだから。
問 わ れ る 編 成 力 !!!
「チ ャ ン ピ オ ン に な り た い の か」
そこで、もうJ2から獲得するのはリスクが高いと言える。監督が使わないのだから、例えば前田のようなアンダー代表クラスの選手じゃないと、戦力アップにならない。正にガチャ(運頼み)になってしまう。
J1リーグで十分な実績(プレータイム)と、不利な配置でもビルドアップでエラーしないスキルが求められる。
先ずキニナルのが、今季は敵の前でボールを触ろうとして入れ替わられる事が頻繁に見られた畠中には、彼と並ぶ資質を持つ、蹴れるセンターバックを用意して、絶対的な位置ではなく、駒の一人化する必要があるだろう。
例えばU-22代表であり、アヤックス化が進む鳥栖で才能が活きてきた原輝綺とか。
また、水原戦で喜田は先制点につながる見事な縦パスを通したが、危機管理に主軸を置く2.5列目という点で、和田、渡辺、扇原では完全に代用にならないのが分かった。アンカーも務まる、更に喜田と競うクラスの選手を狙いたい。
自陣ビルドアップ特化チーム、大分の長谷川雄志(大卒2年目でJ1リーグ3300分プレー)とか。
うらやましいですよね、シティは昨シーズンのセンターバック問題をルベンディアスとアケ、即座にお買い上げで解決しました、みたいな。その結果、ラポルテの出場機会が激減中とか。
絶対的なパフォーマンスをしてるから、アンタッチャブルな選手になるので、パフォーマンスが落ちているのにチーム事情で代わりが用意できないので、アンタッチャブルというのは、これは歪みが出てくる。
まぁハイプレス問題は5…49失点くらいに頑張ったとして、自陣ロストを減らし攻撃機会を増やして、破壊的なウイングがボールを運ぶ機会が増えれば、マルコスがビルドアップに追われて接触で疲弊し、雑な捨てパス蹴る機会も減り、エリキがシュートを25%の確率で沈めて、シーズン90得点とればどうにか…
なるんじゃないでしょうかねぇ。