スカパーの独占契約が2016年で切れるJリーグの放映権について以前から交渉の話はこぼれていましたが、
本日、経済系のニュースサイトで一斉に報じられている様に、無能にして諸悪の根源であったスカパー切りで決着したようです。
<追記> ゲキサカ Jリーグが10年総額2100億円で放映権契約を締結、英動画配信大手のパフォームと
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160720-01629426-gekisaka-socc
<追記2>Jリーグが中継制作製作コストを負担することで、ライツ(権利)がJリーグに帰属することになる。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1011065.html
日経 Jリーグ、ファン開拓にメリット 英社と放映権契約
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDH19H5L_Z10C16A7UU8000/
朝日新聞デジタル Jリーグ放映、ネット中心に 主契約先、英社・NTTに
http://www.asahi.com/articles/ASJ7M6QZ4J7MUTQP038.html
記事によると、年50億と言われていた契約額が17年度から160億で始まり、26年まで段階的に上がり10年間で計2000億円、年平均200億円になるようです。
一般の方は、へーJリーグ凄いねー、で終わると思うのですが、一昨年のセカンドステージ騒動を経験したJリーグファンは思うわけです。
あ、ということはセカンドステージ制度は廃止ですね、と。
セカンドステージ制度導入の経緯
導入の際、Jリーグ運営から突然降って湧いた話として受け止められ、多くのJリーグファンは困惑し、怒った人も沢山いました。
その際に、ファンに対する説明として運営側の論理展開は以下の物でした。
・ 1シーズン制が理想であり、今でもベストと認識している。
・ 成長が鈍化している事もありスポンサー、スカパーから来季10数億円の減額を提示された。
・ Jリーグを発展させる為にはリーグと各クラブ(分配金)に資金が必要。
・ 各項目の数値次第だが、数年で理想の1シーズン制に戻せるなら戻す。
この説明を聞いて、納得したファンも多いかと思います。
『 弊社としても魅力を感じるのですが、今年度の予算が既に決まっておりまして~』的な事を言われると、まぁ、金が無いんじゃ仕方ねぇな、ねぇ袖は振れねぇって落とし所になるアレです。
ところが、今回の契約更新にて放映権収入が年平均額で4倍になると、あくまで仕方なく、苦肉策として行っている理想とはかけ離れた今のセカンドステージ&チャンピオンシップ制度は早ければ2017年から廃止となるのが順当なロジックとなります。
インターネットというリングで激論を交わした皆さんには、このノーサイドを機にこれまでの遺恨は水に流して頂ければと思います。
スカパー暗黒期の終焉
2007年から始まったスカパーによるJリーグ放映権の独占が10年も続いてしまいました。
当初から警鈴を鳴らす識者もおられましたが、正にその指摘の通りに、Jリーグの成長を鈍化させる引き金になったと言って良い数字が残りました。
これまでJリーグには平成不況によるクラブの消滅、2回に渡るW杯惨敗の影響など色々有りましたが、年間の総来場者ベースで見た場合におけるJリーグの成長が鈍化したタイミングは、このスカパーによる放映権の独占時期と合致します。
当時としては破格の放映権収入でしたが、目先の金に目が眩んで成長を鈍化させる辺りは、流行ったWEBサービスが収穫期を見誤り消えていく、マイスペースやミクシィの事例を彷彿とします。
もっと知って貰わないといけない普及段階のリーグが、知れ渡り文化として根付いている成熟段階のリーグを表面だけ真似た事による失敗事例として、サッカー界では良い資料として活用出来るかと思います。
ここで、いかにダメなのかという細かい事例を羅列する事もできますが、この放映権契約の更新を巡る事例だけ見れば十分じゃないでしょうか。
スカパーが儲からないから50億円から減額しろと言っていたら、1年後にはその4倍の額を提示するライバルが現れる。
その額を払ってでもビジネスとして勝てるヴィジョンを持ってるという事です。
電波利権に守られ、時代のユーズに対して変わろうとせずにテレビで放送してるだけの典型的なテレビ事業者で、これ以上付き合っていたらJリーグまで沈没します。
我々は、標的艦にされ消し炭になり沈む長門を目に焼き付け”さらば古き時代よ”と胸に刻み、より良い未来を目指しましょう。
2017年からJリーグは2016年夏にサービス開始のスポーツ配信サービス DAZN が提供
http://www.rbbtoday.com/article/2016/07/19/143589.html
スカパーオンデマンドを契約の人は解約することになりそう。
チャンピオンシップは残そう
現行の制度について、Jリーグを日本社会へ宣伝するという点でチャンピオンシップは悪く無いなぁ、と感じた人も多かったのではないでしょうか。
なので私はセカンドステージ制は廃止にしても、チャンピオンシップという華時合を残す為に天皇杯を改革したら良いと考えます。
・ 開催は天皇杯準々決勝~決勝の時期 年末から元旦で固定
・ 出場チームは同年のJリーグ上位8チーム
・ 年間順位上位にアドバンテージ(引き分け勝ち抜け)のあるトーナメント制
アマチュアチームにもチャンスがあるみたいな形式はもう止めて完全に分離で良いかと思います。
この程度なら、Jリーグ成長の為にという理由でセカンドステージ制を導入するのに比べたら、遥かに容易(たやす)い事ではないでしょうか。
これによりプレーオフ制度を採用しつつ、クラブW杯との日程問題、リーグ最終戦からプレーオフまで時間がなくチケットを売る時間が無い問題(肝心の観客がガラガラだった)、過密日程の解消&プレーオフ進出チーム以外でシーズン終了が早くなりすぎる問題(12月上旬までスケジュールが取れる)、
更に天皇杯を捨てゲームにして手抜きして負ける不敬な問題も含めて、全て解決出来るのではなかろうかと考えております。
@Speir_sさんのツイート