横浜・F・マリノス マルティノス先生から学ぼう
マルティノスがパスを出さない?
そんな声を加入以来、聞く事が絶えないマルティノスだけど、彼の方が正しい判断をしているという視点が必要ではないだろうか。
マルティノスの行動様式
フローチャートでロボットの思考回路を組み立てるみたいなゲームをやった事があると分かりやすい説明です。
状況① ファーストタッチでゴール方向に向けるパスを受ける、尚且つ、数的に同数で対峙(つまり1対1)。
1,先ずドリブルを仕掛ける。
1-1 成功
→ 次の段階として、更に自身が決定的な仕事を担うアクションを継続する
1-2,失敗 時間を使ったが相手を剥がす事が出来ない
→ 周囲との連携、及び利用、再起動
1-3,大失敗及びその可能性 ボールロストのリスクが発生、又はその可能性が高い数的不利に陥る
→ パスで逃げる、サイドラインに逃げる
【要点】1か2ではなく、あくまで先ず1択、その結果により分岐する。
状況② 相手を背負った状態でパスを受ける
2-1,ボールキープ、サポートを待つ
2-2,持とうとしないで次の展開に動き直す
【要点】こちらは2択、攻撃の速度が加速している段階なら2,遅い段階なら1が多い。
これを踏まえて見ていると、実に、彼は自分のルールに忠実に動けているのか解ります。
ブレがない。
状況①
昨日ツイートしたのが反響あったので、マルティノスの行動様式が凝縮された1連の攻撃シーンを抜粋。Jリーグに怒られたら消す。 彼の行動様式を理解した上でこれを見ると、山中のオーバーラップには絶対にパスしないタイミングなのがお分かりいただけるかと。 pic.twitter.com/U6t1S7ZfCB
— Speir_s (@Speir_s) 2017年10月1日
http
s://twitter.com/Speir_s/status/91437015329
状況②
一方で、マルティノスが前に張っているシーンが多いロングカウンターで良くある、余裕がある状態で持てない時は、持とうとしない行動様式が生んだ、山中のパスをマルティノスがスルーして、山中に通したプレー。 彼は理解が必要なだけで、持ちすぎるエゴイストなプレーヤーでは決して無い。 pic.twitter.com/dcdnmpHvbD
— Speir_s (@Speir_s) 2017年10月1日
マルティノスの判断
ではその選択肢の結果として、上手く行かないことが多いのですが、果たしてそれはマルティノスの責任なのか。
天野、山中の判断と、マルティノスの判断、について、ボールをロストしない事や、クロスを上げる事ではなく、目的であるゴールの確率を高めるのはどちらなのかを再確認する必要があると考えます。
ガンバ戦であった象徴的なシーン
行動様式の方が解りづらいので、雑仕事だけど補足。 【天野は】1対1したい選手なのだから、近寄らなくていいし、セカンドトップの役割としてゴール前のスペースを優先して狙うべし。 【山中は】オーバーラップでパスが出るタイミングはインサイドに突っ掛けて詰まった時、と理解するべし。 pic.twitter.com/02DaxMNkHL
— Speir_s (@Speir_s) 2017年10月1日
これはマルティノスが右にいても、度々、起きてしまう、結果として、マルティノスがチャンスを潰してしまった様に見えるシーンです。
ですが、マルティノスの行動様式を理解し、その意図を汲み取る事で、ゴールが少なすぎる現状を大きく打開するだけでなく、天野や山中は、プレーヤーとして飛躍する事にもつながります。
マルティノスを皆がフォローしすぎて、失敗した図。
チームとして、もっと良い条件でドリブルでの打開(1対1)をさせる為にはどうすれば良かったのか。
私が思う この局面で天野が優先するタスク
前回の記事でも書きましたが、セカンドトップとして最優先するのはゴール前のスペースで、サイド補助ではないのですが、このカウンターが決まるかどうかの局面でも、ゴール(得点)の可能性を上げる為の判断にミスがあったと思います。
彼が近寄らないことで、同時にセンターバックを引き剥がし、マルティノスにスペースをもたらす事にもつながります。
フォローしないことがフォローになるという理解であり、やはり、役割の優先度として、チャンスメイクよりもゴールなんだ、と考える必要がありそうです。
エリア内が数的同数の所へ、発射されるマルちゃんミサイルの図。
どうです、ワクワク感ありませんか。
山中の動くタイミング
この局面において、これは右の松原も良くありましたが、絶対にマルティノスからはパスが出ないタイミングで、オーバーラップしてしまっています。
再度、失敗の図を見て考えますと、逆に、マルティノスがサイドラインに勝負できるスペースを奪ってしまいました。
これにより、カットインの1択しかなくなったドリブラーを止めるのは難しくない、と相手の守備を助けてる事になっています。
ここで、山中がどう動くのかは、マルティノス次第となる理解が必要です。
例えば、マルちゃんがカットインを選択したら…
サイドバックを吊り出して、開いてるスペースへオーバーラップ
逆に、縦を狙ったら…
ダメだった場合にアーリークロスをダイレクトで蹴れる位置
そして時には大失敗に備えてのリスク管理
アカン…カウンター食らう
彼らは全員プロ、つまりは専門家であり、例え年齢が若かろうが、私のような趣味の素人が偉そうにダメ出しをする事は、本来、おこがましい行為です。
ですが、上手く行かないのは、個人の問題ではなく、あくまでチームであり、マルティノスが悪目立ちしてしまう部分はあるかもしれないですが、あまりにもファンやサポの間でもマルティノスに対する理解が進まない事もあり、書きました。
彼がサイドアタックの国、オランダで育ち、育成年代別代表も経験し、プロとしても150試合近いキャリアを持つ、正にサイドアタックの専門家である点を強調したいです。
マルティノスが正しいんじゃないか、という視点は、プロとしてのキャリアを積み上げ始めたばかりの天野や山中がマルティノスに合わせる事で、最適解や、定石を身に着ける事で、プレーヤーとして大きく成長するチャンスであると考えています。