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2021年 マリノスに新加入するエウベルってどんな選手?

書いてる時点(1月5日)では内定だが、2021年に横浜F・マリノスへ加入する事が決まった、新外国籍選手のエウベルについて、どんな選手なのか統計的に探る。

 

www.f-marinos.com

 

視覚的に動画の意味はあるが、時にそれは数シーズン分をまとめた物であり、例えば3シーズンで3000分プレーした選手のそれが10分だったとして、いいとこ取りな事を含めて、300分の1を把握したものに過ぎないと言える。

 

一方で、統計的なアプローチは3000分全てを網羅することで、選手の傾向(タイプ)をより具体的に把握出来る方法と言える。

 

DATE by sofascore&whoscored&transfermarkt

 

 

ブラジル1部のヤバい奴ら

 

ウォーミングアップ的な雑談

 

Jリーグは歴史的にもブラジル人選手が活躍してきた事もあり、たまに電源すら入らなかったり、時には爆発する事もあれど、AppleiPhoneくらい、信頼感のあるブランドと言える。

 

 

またリーグの競技力は、欧州がチャンピオンズリーグを成功させ、マネーが集まり、それ以外との差が大きくなっている中でも未だに高く、個人的感想としてはイングランド、スペイン、ドイツ、イタリア、フランスに続く、第6位を争う集団の先頭付近に位置すると考える。

 

この点、近年は欧州でのステップアップを求めてトップ5の周辺・辺境リーグに多くの日本人選手が旅立っていく傾向にあるが、その多くがプレーするリーグよりも上にあるということになる。

 

例えばグアルディオラやクロップが、ブラジル1部から自由に選手を選んで良いなら、日本代表に論理的勝利するチームがいくつ作れるだろうか? 3つ?5までいけるか?

 

 

移籍したものの、全く良いプレーを見せれず酷評の嵐となっている元日本代表選手もいるようだ。

 

「44歳の私より遅かった」ボタフォゴ退団の本田圭佑を元ブラジル代表MFがバッサリ! 同僚やOBなどからも厳しい声「俺たちをだました」【現地発】 | サッカーダイジェストWeb

 

 

この為、直近までブラジル1部へ在籍するチームにおいて、11+3程度の枠内でレギュラー格としてプレーしていた選手の実力には何の不安もないと言える。あとは本人のやる気と新しいチーム(監督)にマッチするかどうか。

 

 

 

日本に来る(Jリーグが買える・雇える)選手

 

このようにブラジルは競技力が高く、欧州のビッグクラブは常に目を凝らし、尚且、2億人という南米大陸の約半分が住む大国におけるナンバーワンスポーツという基盤もあり、日本(Jリーグ)が、まだ年齢的なプレミア(転売)価値が残る20代のトップレベルな選手を引き抜くことはかなり難しい。

 

一方で、売り頃、買い頃な選手として、シーズンの出場時間が1500分台前後のレギュラー格な選手を特に近年のマリノスは狙っていると思われる。

 

例えばエリキは2018年1327分、2019年は8月まで828分、マルコスは2018年1372分、エジガルは2018年1728分となっている。

 

そしてエウベルは2020シーズン、22試合出場、17先発、1431分をプレーした。

 

なお、ブラジルのシーズン終了は遅れており、それなりの移籍金で獲得したらしい選手が、フリーでシーズン中に途中離脱なので、ファンが荒れるのも仕方ない。

 

ごめんちゃい(*˘︶˘*)

 

 

 

エウベルはどんな選手か

 

結論、やべぇ。

 

 

プレー傾向を追うと、ポステコグルー監督の就任以降では他に見ないタイプの選手である事が分かった。更に、その数字の価値に迫る。

 

 

先ず、参考として、昨シーズンもマリノスで活躍したマルコスとエリキだが、ブラジル1部時代のプレー傾向はJリーグでも変わらずに、強みも弱みも見えた。

 

どちらもシーズンのプレータイムは1400分以下であり、例えば二桁ゴールといった派手な数字は無いが、シュート成功率の高さは日本でも変わらずに発揮されたと言える。

 

マルコス 19%前後 → J1リーグ通算 21.84%

エリキ 35%前後 → J1リーグ通算 23.59%

※ 2020シーズン シャドーとしてプレーした9試合では10得点46.66%

 

特にエリキは得意な形を発揮しやすい位置に配置すれば、爆発的ゴール決定率を発揮する事象がマリノスでも変わらず確認され、母数が少ないことによる”まぐれ”かなと認識していた高すぎる数値の謎が解けた。

 

 

一方で、マルコスは上手いように見えるのに低めなパス成功率なのは、かつての中田英寿ではないがスペースに縦パスを狙うことが多く、チャンスを撃ち抜く一方で、味方にもキラーパスという要素があるのが分かったし、

 

ウイング系の数値が高くないエリキをウイングに置いたとしても、やはり個での打開、クロスでのアシストなど、ウイング的な活躍を期待するのは無理だったのが、マリノスのユニホームでも如実に反映された。

 

 

そして統計から見える傾向として、エウベルはどんな選手か、と聞かれれば、こう答える。

 

対地対空に強いパワーを有し、パス成功率、更にスルーパスでのチャンスメイクも期待され、一番の武器はドリブル、ただ守備は下手くそかも。

 

全体的に能力が高い指数を記録している、にもかかわらず、更にドリブル性能が突き抜けた選手。

 

 

これまで歴史に名を残す名ウインガーを数多く生み出した本場ブラジルから来る、純ドリブラー

 

 

 

トラウマを残すレベルの活躍

 

2020シーズン、三笘にボコボコにされた対面の選手は試合後にどんな気持ちでピッチを去っただろう。

 

 

90分換算時のドリブル成功回数と、シーズンのドリブル成功率は?

 

マリノスのウイング

 

2019仲川 0.9 55%

2019遠藤 0.9 46%

 

前田大然 0.4 48%

エリキ 1.2 48%

高野 1.1 58%

 

 

2020J1リーグのトップクラスドリブラー

 

ジュニオールサントス 1.8 58%

セレッソ坂元 1.6 60%

川崎F三笘 2.0 55%

 

 

羅列してみると、上手い、印象に残るレベルの選手は55%以上を記録しているし、回数も多いのが分かる。

 

 

その一方で、マリノス(ポステコグルー監督)的には意外と回数を必要とせず、仲川や遠藤の様にボールを受ける前の動き&速さ、それにより生まれた一瞬のスキを活かすクロスが重要だったのかもしれない。

 

この点で見ると、高野にはドリブルとクロスがあったが、ACLで露呈したマークを外して受ける能力(速さ)が足りず、最後にポジションを失った前田は速さがあったが、それ以外のドリブルも、クロスも、マークを外す上手さも無かった、ので順当と言える。

 

 

速さも上手さもあったエリキだが、左に立つと中に向かってしまい、クロスの選択肢は皆無で、中に向かうには三笘級の破壊力が必要だったが、そもそも、そういうタイプではなかった。

 

 

 

そしてエウベルである。

 

完成された選手なので、強みは他にも沢山あるけど、やはり武器はドリブルであり、従来のウイングとは全く異なる純ドリブラーと言える。

 

 

彼は今季ブラジルの1部でプレーしていたので、当然J1リーグのデータではない。

 

アゴ・マルチンスみたいな選手が、日本よりちょっと多めにいるだけである。

 

 

上記と同じ尺度で取られたデータではあるが、あくまで傾向が読み取れる参考値と言える。

 

 

 

 

 

 

2020エウベル 1.9 74%

 

 

 

 

(  Д ) ゚ ゚

 

 

 

 

バ、バケモノかっ(;゚Д゚)

 

 

 

ブラジルの1部リーグで、2020三笘以上の確率で、対面の敵を個で破壊してきた、破壊型ドリブラー

 

ただ、シュート成功率は約14%程度なので、余りこだわらず、マルコスか仲川へショートパスをするパターンがいいかもしれない。

 

 

ドリブルの次に選択するプレーとして、スペースに走り込む選手に出すスルーパスが的確で、90分換算でのボールロスト数がとても少ない、サックされないクォーターバック

 

 

 

 

 

各チーム、右サイドバックの皆さん、覚悟はよろしいか。

 

 

 

動画というのも、選手を統計的な傾向を掴んだ上で見ると、また違った感じに見えるかもしれない。

 

 

 

そしてついでに

 

噂がされる2部でプレーするセンターフォワード、レオ。

 

プレー傾向としては、今のチームで得点に特化した役回りを与えられているからかアシストはほぼ無いが、マリノスでプレーした中ではエジガルに近く、ウーゴよりはボールタッチ数、パス本数が多い、多少はゴール以外も関与する傾向が見える。

 

シュート成功率は約20.5%と十分で、2部ではあるが対地、対空のデュエル勝率も悪くない。

 

 

だが、神がかったドリブルシュートと、一度止めたボールを打つのは上手かったが、肝心のダイレクトシュートが、殆どセンターバックがもう一人いる状態だったジュニオールサントスが13得点に終わった様に、得点の割合も気になるところではある。

 

エリキの様にどちらも神なら成功率は25%にもなるだろうが、エジガルの様にどちらもこなせる程度の能力で、マリノスでも20%は決めてもらいたい所。

 

 

なおレオについて、今は2部の選手、であり、5年前は琉球の選手であった事がクローズアップされるが、2018年はブラジルセリエA(1部)の選手であり、残した数字は以下になる。

 

同年に同じリーグでプレーしていた、マルコス、エジガルとの比較。

(2人共翌年はマリノスでプレー)

 

 

 

契約の関係上、フリーになった(0円移籍)マルコス、エースの座を奪われたエジガルは日本へ、そしてレオは2部に移籍し、2シーズン連続で2桁ゴールを決めた。

 

 

 

また、ゴールパターンという点で言うと、オナイウの課題は明確で、ダイレクトシュートは上手かったが、マリノスのファーストトップにはそれ以外のシュートシーンが多く、故にシュート成功率が8%であり、これではタイトルを狙うチームの得点源にはなれない。

 

ぜひ、機会が多いマリノスでプレーすることで成長し、コンプリートなシューターになってもらいたい所である。

 

フォワードの生命線はシュート成功率である。