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ワーストゲーム 21シーズンJ1 マリノス鹿島戦雑感

J1リーグ2021シーズンを戦うマリノスにとって、現時点で最も酷い試合だったと言える。

 

 

それは前回3-5で敗れた試合、開幕戦、勝ったのが不思議なガンバ戦を含めて、辛いゲームは沢山あったが、標榜するアタッキングフットボールの根幹である、得点機会のクリエイトが最低だった事を意味する。

 

 

フットボールラボにて集計されるゴール期待値において、今季これまで最低だったのは、5月22日に行われた松原の一撃で辛うじて同点で終えた柏戦だった。

 

この試合のゴール期待値は今季平均1.909を大きく下回る0.674、まさに幸運で特別な一撃が必要な、可能性の低い攻撃だったと言える。

 

ところが今回の鹿島戦ではそれを更に大幅に下回る0.567、今季ワーストを記録した。

 

 

戦力運用

 

この8月、首位の川崎が三笘と田中を失い、攻撃のクオリティに問題を抱えている一方で、好調に思えたマリノスセンターバックの人員に問題を発生させていた。

 

川崎が再開以降に3試合で2分1敗と勝ち点7を喪失したのに対して、マリノスは最後の最後に勝ち点3を失うツケを払うことになった。

 

2試合連続で終盤に足がつり、前試合に至っては最前線の”ミソッカスポジション”で休養しながら試合を終えた畠中をそれでも起用したのは結果的には、今後中期的に戦力ダウンが起きる事も含めて大失敗だった。

 

明らかな”サイン”が出ていた選手を中2日で先発させるこの采配は同時に實藤に対する信頼感の無さを浮き彫りにさせた。来季に向けて一番動きがあるかもしれない。

 

 

また、連勝中は途中交代を最大限に活用した前線選手の時間基準での運用が成功していたが、組み合わせにより生まれる効果が考慮されているとは感じなかった。

 

鹿島という敵を過小評価していたのだろうか。

 

サイドに開いて足元にボールを受けてからアクションを起こす、もしエウベルであれば…右サイドではそういう局面が前半だけで何度も見られた。

 

他には失点シーンとなった被カウンターの直前などが典型例だが、内側に入る前田が敵サイドバックを引き連れる事で空くサイドのスペースで和田がフリーになる、という構造が度々起きていたが、右側同様に、ここでもティーラトンだったら…と思わされた。

 

 

更には全体的な組わせとして、マルコスが敵2.5列目に徹底監視される中、扇原とティーラトンが居ない、右は松原でもない、クォーターバックが一人も居ないのに、両ウイングがレシーバータイプとして、誰が彼らにパスを投げる? 一体、どういう想定だったのか、意図が分からなかった。

 

連戦だからとにかくプレータイム重視なんだ、として、それが今季ワーストの攻撃につながり、更には唯一運用しない決断をしたセンターバックが、その代償を個人もチームも払うことになってしまったのを見ると、遣る瀬無き、という気分である。

 

 

 

偶然と必然

 

ゲーム自体を総評すれば0-2はアンフェアな結果と言える。

 

鹿島の決定機はオープン(シューターとGKの間にDFが居ない)な物であったが、90分でそれのみでしかなく、同様のシーンはマリノスは終盤にアーリークロスから両ウイングがそれぞれシュート機会を迎えている。

 

両ウイングは元からシュート成功率が低いからせめてどっちか一本は…として、シュート名人と言えるマルコスの”確信的ショット”が枠を捉えなかったシーンも含めれば、鹿島のゴール期待値はマリノス以下の0.4台であり、決して一方的に、完敗したゲームとは言い切れない。

 

結局の所、対鹿島というのは彼らが究極的ミス待ちサッカーで挑んできて、特にマリノス側で守備の局面においてミスが出た際に発揮されるエネルギーと集中力が極めて高く、それは元から彼らが「それで一点突破しよう」という意図を持ち、準備しているからだと言える。

 

 

その点で、最初の失点シーンにおけるミスとは何か?

 

畠中がやらかしたどうこう以前に、敵GKがあの位置から精神的余裕が十分とれるフリーキックで(つまり完全にノーカバー、オープン)でボールを蹴るのに、DFラインをセンターラインまで5m未満まで上げる必要があるのか?

 

ミスを待って蹴り込んでくる相手に、どの様な陣形をとるべきか。仮にマリノスの2列目が競る位置だと、そんなに問題が起きるだろうか。

 

ゲームの形勢が決まりかねないリスクを犯して得られるメリットは何だろうか。蹴られた瞬間にダッシュで後方に一旦戻ってからヘディングで対応する事になるのが、果たして良いことなのか。

 

何故マリノスが鹿島に連敗中なのか、それはミス待ちサッカーに対して、ミスが起きやすい事を繰り返してるからではないか。

 

 

また2失点目に関わった喜田のプレーは残念だった。

 

ゴール前での残念さはネタでしかないが、彼のレゾンデートルに関わる残念なプレーだった。喜田の評価基準に得点力は入ってない、入ってるならトップクラブであるマリノスのユニホームを着ていないだろう。

 

 

被カウンターの局面、人数的なリスクコントロールは出来ていた。にもかかわらず、なぜ、敵陣内でピトゥカを潰そうとしなかったのか。

 

2人しか居ない相手に追走のマルコスを含めて4人の局面でリトリートするのが今のマリノスだろうか。コーナーエリア前から蹴られるGKのフリーキックにDFラインをセンターライン付近まで上げるのに?

 

徹底してミスを待つ相手に対して、リスクのとり方がちぐはぐに見えた。

そして起こるべくしてミスが起きて、それが全て失点につながった。

 

まったくもって遣る瀬無い、である