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スティーブ・ホランドの一夜城 25年の横浜F・マリノス

2025年2月15日、25年シーズンのJ1リーグは開幕した。

 

既に12日、今季初の公式戦としてACLEグループラウンド第7戦として上海シェンホアにホームで勝利していたマリノスであったが、この日に準備したと思われる自陣での守備陣形532を選手たちが消化できずに、特に前半はパーフェクトゲームを展開される惨憺たる内容であり、それは大転換を図る現状において、前途の多難さを予感させ、今期の先行きに多くのファン・サポーターは不安を募らせた。

 

それからわずか一週間。

 

水曜日ゲームとなる2月19日にACLEのグループラウンド最終節を中国のアウェーで戦い、とんぼ返りで広島へのアウェー遠征となったJリーグ第2節。

 

今期のJリーグで練度と戦力編成の完成度から優勝候補となっている広島を相手に、一週間前と同じチームとは思えない戦いを見せた。

 

特に攻撃回数を特徴とする広島であるが、この日は完全に沈黙した。

 

 

この結果は守備に力を注ぐスティーブ・ホランド監督にとって、その実力を測る上で、最高のリトマス試験紙となった。

 

シュート数(Sofascore)をベースに今期広島の対戦成績を見てみよう。

 

・スーパーカップ vs 神戸戦

  21本 Pエリア内シュート 18本

  アタッキングサード侵入 81回

  Pエリア侵入 42回

 

・J1開幕戦 vs 町田戦    

  15本 Pエリア内シュート 9本

  アタッキングサード侵入 84回

  Pエリア侵入 19回

 

・J1第2節 vs マリノス

  7本 Pエリア内シュート 4本

  アタッキングサード侵入 64回

  Pエリア侵入 9回

 

参考24シーズン広島

 1試合平均シュート数 18.3本

 

 

シュート数は神戸戦の3分の1、町田戦の半分。

 

この様に、今のJリーグで守備こそをウリにしている2チームとの連戦で開幕を迎えている広島であるが、最も何も出来なかった、エリア内でボールを殆ど触れすらしなかったのがマリノス戦である事が分かる。

 

この日の放送を担当した自分の仕事をはき違えた解説者には目の前で何が起きているのか全く理解すら出来ていなかったようだが、スティーブ・ホランドの仕事は見事だった。

 

また、シュート数は計測方法によってバラツキが出る数字なので確定値ではないが、もしもフットボールラボでも広島のシュート数が10本未満であれば、これは2023年11月の札幌戦9本以来の出来事となる。(24年はゼロ)

 

 

この極めて膠着したボールハント合戦で活躍したのがデュエル王へまっしぐらの数値をたたき出すジャン・クルードであり、最終ラインでパーフェクトという水準を見せたキニョーネスだった。

 

 

 

特にジャンは2試合を通じて、対空デュエル7勝(勝率70%)地上デュエル14勝(勝率64%)を記録しており、ここ数シーズン不動と言えたボランチのポジション争いに対して、喜田と渡辺に割って入る価値を示している。

 

参考24シーズン

 喜田 地53% 1試合平均3.6勝 空44% 1試合平均0.4勝

 渡辺 地48% 1試合平均2.0勝 空19% 1試合平均0.1勝

 知念 地55% 1試合平均4.9勝 空59% 1試合平均2.4勝

 

今期

 ジャン 地64% 1試合平均7.0勝 空70% 1試合平均3.5勝 Monster‼

 

 

同時にシャドーを絶対捕まえつつボランチも警戒するという、442で広島と戦う上で運動量が問われる中で、連戦にも関わらず12.9㎞を走破してチーム1位の総走行距離を記録した。

 

インテンシティはフィジカルに宿るとすら言えてしまう、アスリート化が進む現代フットボールのトップ水準を示す事が出来る選手だ。

 

 

また、急増の中で健闘していたウォルシュと、多タスクに追われていた植中の判断ミスから不運とはいえPKで失点してしまい、それを取り戻す決定的なシーン創出まで至らなかった訳だが、攻撃にも一体いつ練習をしているのか、と思うような変化があった。

 

 

そのままシュート蹴らせた方が良かった。

この位置で、こんな角度で手に当たってるんだから枠には絶対入らない

 

 

 

マリノスの陣地回復

 

攻撃でも守備でも高い位置、敵陣でプレーが行われていれば満足できるのがスキッべが好むフットボールと言える。

 

その中で多くのチームは陣地回復が出来ず、ボールを持っていようが無かろうが、自陣内でのプレーが続く事で、ショートカウンターコーナーキックフリーキックミドルシュート…一方的に被シュートを浴び続ける事が多い。

 

 

この点においてGK周辺での保持を好むマリノスは特に構造的にプレー位置が低くなる事になり、プレス回避は一方的な試合にならない為の生命線と言える。

 

上海との2戦、新潟との試合を見て、最も多くの人が不安を抱えていた部分だろう。

 

しかし、この日のマリノスには”こんな短期間に出来るなら、開幕戦までにやっておいてよ”と言いたくなる位に、一週前とは全く別の連携、オートマティズムがあった。

 

とにかくこの日は、後方からロングパスが蹴られるシーンにおいて、蹴り先に当たる箇所で、前線の選手2人が近くで縦の関係になっている事が繰り返し、義務を感じるレベルで確認された。

 

 

3分40秒 パクイルギュのロングパス(ロブパス) ロペス―ヤン

 

6分5秒 渡邊泰基のロングパス ロペスー遠野

 

16分50秒 パクイルギュのロングパス(ロブパス) ロペス―植中

 

 

22分13秒 キニョーネスのロングパス(ロブパス) ヤン-植中 ファール獲得

これは最後に遠野の左サイド突破につながり ロペスのヘッドが惜しかった

 

 

佐々木が後ろからユニフォームを引っ張ってなければロペスはボールに触れたのでは?

 

 

 

26分30秒 渡邊泰基のロングパス(ロブパス)

植中が競り、下りたロペスがカバーに戻った荒木のマークを外してフリーに

 

29分30秒 パクイルギュのロングパス 植中‐ロペス

 

下りたロペスを荒木が捕まえきれなくなり、植中に競らせてロペスという展開が2回続くなど、時間経過と共にマリノスが段々と陣地回復を成功させる回数を増やしていく。

 

やはり30分を過ぎた頃にアルスランの守備は怪しくなったので他のチームは是非とも狙い目だ。キニョーネス―松原の所でアルスランの裏を突いていく動きが出来ればもっと良かった。

 

 

33分40秒 パクイルギュのロングパス ロペス―ヤン

 

 

ウイングと2トップは常に斜めの関係、中央では2トップが常に縦の関係

 

上海2戦、一週前の新潟戦では全く見る事が出来なかったロングパスに対する蹴り先での準備、コンビネーションは徹底されていた。

 

 

これは23年にマスカットがやりかけで放り投げた例のアレである。

 

開幕から1年やって、全然上手く行かずにウイングの打開力だけでどうにかするしかなくなった例のアレである。

 

まぁシュート数が増えなかったのだから、上手く行ったのかと言えばもろ手を挙げて喜ぶ段階ではないが、チームとしてやろうとしている時点で遥かに良い。

 

見ての通りディフェンスでは23年マスカットのチームよりも遥かに高いレベルに達しており、1年を通じてリーグ2位だった事にリスペクトはするが、このゲームだけを切り取れば1週間で1年の仕事を越えてしまったともいえる。

 

 

こうして中国遠征を含む中2日連戦の中で、いつの間にか築かれたスティーブ・ホランドの一夜城は昨シーズンの思い出に浸ろうと考えていた広島に主導権を与えず、十分な緊張感を与えた。

 

www.odawara-kankou.com

 

 

成立させる適正

 

付け焼刃だったとして、監督のイメージを成立させる選手が揃っていた。

それは後方で守備のタスクを担った選手のみならず、前線の選手も同様だ。

 

 

例えば、24年のJ1リーグにおいて、FW登録(ウイング含む)、1000分以上出場した上で、トータルデュエル(対地&空)の勝率が最も高かった選手は誰だろうか?

 

勿論、常にCBに背中から突かれるファーストトップは低めの数値になる事もある。

一方でSBやボランチと競れるウイングやセカンドトップは大型選手にとっては有利だ。

 

 

1182分で勝率55.21%を記録したのが名古屋でプレーしたパトリックとなる。

なおパトリックは昨年の広島戦でゴールも決めており3-2の勝利に貢献している。

 

今期パトリックは名古屋で契約満了となりJ3でプレーしている事から、23年マスカット再びになるのが分かっていればフリーで取れた選手だった。

 

 

そしてこの基準で見た時に、このゲームにおけるマリノスには戦える選手が揃っていたと言える。

 

同基準でJ1リーグ2位だったのが1738分で勝率54.19%を記録した遠野 大弥だ。

 

そして6位が勝率50.59%を記録した植中 朝日。

キープ力とドリブルが得意なヤンは勝率46.33%で13位。

 

参考

 オセフン 50.36%

 武藤 49.89%

 鈴木優 48.95%

 

昨季の大迫は不調で数字を落としている 45%→41.86%

決定機逸の数も致命的で、衰えというのが来たのかもしれない。

 

鈴木武蔵や染野 45%台

マルセロヒアンやルキアン 42%台

レオセアラ、木村勇 40%台

 

 

この点でロペスは35.91%と当てるプレー、競らせる前提のプレーを構築するのが明らかに適していないのではないか、というスタッツが残る。

 

比較と分類でいえば弱い選手だ。

 

例えば補完性で補うとして、京都では勝率47%ある原がロングパスのメインターゲットになり、38.54%のエリアスとは役割を補完している。

 

 

23年マスカットが上手く行かなかった理由として、ヤンとロペスしか連動しないというコンビネーションの規律もまるで見られなかった事もあるが、西村は元より、ロペスのトータルデュエル勝率も34%と特に低く、植中が入るとマシになったのに何故か使われなかったというプロセスがマリノスにはある。

 

今期、今後も後方でボールを保持する意思を維持し、その中でハイプレス回避はずっとついて回る課題であり、どんなに規律を整備しても、中央エリアで適した人材が乏しい。

 

 

誰か…

 

昨季にJ1リーグで1000分以上プレーしたFW登録で…

 

トータルデュエル勝率が高い…

 

ボールを保持するチームでのプレー実績を持つ…

 

今からでも獲得可能な…

 

 

 

えー、人生の決断というのは尊重した上で

 

大変失礼は承知ですが

 

 

1シーズンだけ

 

現役復帰していただけないでしょうか!

 

鈴木孝司選手!

 

 

 

24年J1リーグ 新潟

 1133分プレー 12先発18試合出場 2ゴール2アシスト

 シュート成功率13% キーパス1試合平均1.1本

 トータルデュエル勝率 46%

 

 

news.yahoo.co.jp

「新潟との契約が満了となり、自分の今後を見つめ直す期間となりました。指導者のライセンスを取得する中で、自分がやりたいことが明確に見えてきました。それでも、ピッチを離れるという決断は簡単ではありませんでした。自分はまだまだプレーできるという気持ちが残っていたのも事実で、答えを出すまでに長い時間を要しました。自分が進む次の道を気にかけてくださっていた皆様、お待たせして申し訳ございません!! 新たな一歩を踏み出そうと思います」

 

 

パートタイム運用がメインです。

特に連戦の機会で必要となります。

今期からJ1ベンチ人数は9人となっています。

 

リーグでは550分程度が想定されますが、活躍次第で増加する可能性はあります。

前所属チームよりも優れたタレントが多く、周囲を活かすプレーを期待しています。

 

 

マリノスでは育成選手に対するサポートも充実しており、

彼も元気にプレーしています!

 

number.bunshun.jp

 

 

冗談か夢物語の様な話ではある。

だが、24年J1リーグのデータを何度見つめなおしても結論は変わらない。

 

戦術に合致した3番手FWは既にマリノス(というクラブの中)にいる

 

 

www.youtube.com