2025年6月15日、世界のフットボールカレンダーによるAマッチウィークで十分すぎる2週間を経て、サマーブレイク期間まではリーグ戦下位とだけぶつかる勝負の一か月間を迎えた横浜F・マリノス。
しかし再開初戦となった順位が一つ上、19位の新潟との試合は悲惨の一言だった。
この試合で起きた出来事は戦い方の変更などではなく、町田戦の後半45分間で確認された現象が最初から再現したに過ぎない。
キスノーボの問題点については、町田戦が終わった時点で指摘していた事を思い出してもらいたい。
町田戦の後半45分間をよく研究して、最初からやるべく準備するチームと対戦したら詰みそう。
— Speir_s (@Speir_s) 2025年6月1日
ボール保持率37%シュート1本、ゴール期待値0.06
被ゴール期待値1.17 被クロス19本 被ビッグチャンス1
例えば長谷川健太や城福浩、四方田修平、木山隆之ならどうするだろうか。
簡単に言えば、ミシャ式またはコンテのチェルシーぽい感じで町田が左右に開いた3バックで保持姿勢を強めると、ボールをマリノスが持たせているのではなく、どうにも出来ない状態になってしまい自陣に釘付け。
高台から砲撃を打ち込まれ続けるだけの戦闘、そんな感じ。
意図しないボール保持率30%台、それはアル・ナスル戦や柏戦でも起きた現象で、自陣ローブロックの守備時間だけが増えて、ロングボールを活用したカオスアタック(混沌攻撃)すら出来ない状態になってしまう。
それを最後まで修正できない監督と
西暦2025年に契約する必要性を感じない
と思って改善を期待したが問題とすら思っていなかったのだろう。
別にリードを許している訳ではなかったし、それで十分だったので保持の位置は若干低めになったが、新潟は十分に再現してきて詰んだ。
試合後は若干強く言い過ぎたかもしれないが、思いは通じたのかもしれない。
そら、この試合を観れば誰だってそう思うでしょう?
え、まだいけると…
何がダメなのか
僕言いましたよね。
何故、キスノーボの監督昇格に反対なのか
そもそもビルドアップと言うが、ボール保持攻撃をするとして、保持の安定、球出し、前進、破壊というフェーズがあるとして、マリノスは初歩の安定すら出来ていなかった。
自分達の保持を安定させる事が出来ない監督は
相手の保持を不安定にさせる事も出来ない訳だよ!
ボールの保持権を巡る攻防を根本的に理解できていないのだから。
キスノーボとコーチ陣は現代フットボールの必須履修項目のポジショナルプレーをまるで理解してない。
その結果、敵のビルドアップユニットは常に絶対安定状態を維持出来てしまう。
ファーストラインの枚数くらい
敵にあわせろよ!
新潟だけじゃなくて、町田にまで圧倒的保持でサンドバックにされてる。
2週間前からこの現象が確認出来ているのを再度、言いたい。
新潟戦では両WGはSBにピン止めされ、GKと2CB+ボランチをずっと2トップのロペス&天野でしか見ない。
2対4、-2で翻弄され続ける(絶対安定保持)
そして4人の中から次第に完全にオープンなボールホルダーを作り出し(球出し&前進成功)
そこから質の高い長いパスで空いている空間、主に両サイドへのパス(破壊成功)
ミドルゾーンではCB+下りるボランチ+残るボランチで絶対安定
おいおいマリノスだけ10人でサッカーしてるんか!?
最大の被害者は鈴木冬一、常に劣勢な状況で始まる1対1を試合開始から何度も繰り返し強いられる。
これ以外にも沢山あったが、致命的なシーンに繋がった所では3つ。
9分50秒、FK獲得から飯倉の至近弾セーブ。
流石に修正を期待した後半開始早々の48分にゴメスのクロスからこぼれ球、デンのハンドを取られてもおかしくないシュートブロック、絶望的。
そして遂に73分はカットインからのミドルで決壊。
凄いの一発でやられただけ?
そんな事言ったら今期マリノスの勝利は殆ど全部まぐれじゃない?
何でマリノスはゴメスより遥かに優れたヤン・マテウスに同じようなシュート機会を作らないんだい。
前の4人もひたすらキスノーボの指示通りに、後ろのスペースを埋める作業を繰り返すのみで第2被害者と言える。
ボールは頭の上を越えてより危険なスペースへ飛んでいくんだが…
もう何で2連勝出来たのか、論理的に分かってないんだなこの監督はと思った。
ビルドアップ出来ないからロングボール蹴り込むという判断が、高い位置で、前向きな選手を生み出し、混沌状況を制して、スペースがある状況での攻撃に繋がって、高いクオリティを持つ選手が活躍したのが2連勝の中身。
だからこそ2週間でキスノーボがやるべき事は、ポジショナルプレーが出来ない愚者のフットボールとして、盤面を単純化するマンツーマンのハイ&ミドルプレス整備と、自陣ローブロックからの脱出率向上を含んだ、ロングボールの蹴り先に決め事を整備するしかなかった。
2連勝で明らかになった課題の補修と、得点の再現性を高めるという事だ。
ところが残念ながら、何で勝てたのか理解してないのだから先鋭化どころか、アップデートすら絵に描いた餅となった。
そもそも、敵に関係なく何で必ず毎回442で良いと思っているのか。
今期バルセロナ風味を取り入れた4231で挑むプランもあった筈だ。
ボール奪取時に遠野とヤンが前にいてこそマリノスの強みが活きるんでしょうが。
エウベルの運用を含めて保有戦力を活かす事すら出来ない。
次監督に期待する事
時代遅れの払しょく、守る時ですらポジショナルプレーへの理解は必須だと分かった筈だ。
今期の新体制発表会で言っていた様に、良い守備あってこそのアタッキングフットボールという目標を達成して貰いたい。
ハイプレスに行くならマンツーマンしかない、という最新トレンドを取り入れるのは間違いないだろう。勿論、ならばハイプレスに行かないという判断もあるのかもしれない。
ミドルゾーンでの守り方も前進をさせない人を捕まえる守備と、バックパスを起点にハイプレスで詰めていくブロックからプレスへの切り替え、そしてカウンターの設計と、良い攻撃をさせない先の攻撃機会という好循環を作り出して貰いたい。
せっかく敵がミスをして追い詰めてもチーム全体として意思統一がなく、後方はブロックのままで空白が生まれプレス回避されるシーンが新潟戦では何度も起きた。
また、別にショートパスをベースにしたビルドアップを取り入れてもいいだろう。
チームに基盤が無い訳ではない。
一方で、例えばアフター4という概念、ゴールキックから4本目のパスが何処でプレーされているかを見るにあたって、低迷したポステコグルーのトッテナムは自陣ディープゾーン=ローブロックで多数記録されており、バルセロナやシティですらハーフラインを越えている確率が高い。
これも重要な最新トレンドであるし、マンツーマンでハイプレスを受ける前提で取り組む必要があるだろう。
ディープゾーンはプレーを繰り返す場所ではなく、さっさと脱出するべき場所である。
プレミアリーグではマンチェスター・シティやアーセナルではなく、是非ともニューカッスル辺りを見るべきだと思うが、最新の知見を引き出しとしてどれだけ取り入れてるのか。
時代遅れの人達によってすっかり周回遅れ、未だにiPhone7を使ってる(使えるのか…?)様なチームになってしまったのがマリノスである。
今後は監督を選ぶ能力が無いに等しい事が分かった西野努SDの権限変更も含めて、最新版へのアップデートを進めていく事で生存戦略としたい。
特に最新の知見に溢れ、マリノスが大好きな林解説員であるが、いきなり現場に送ってはベトナム戦争に従軍した新入り少尉の平均生存時間16分※になってしまうので、クラブのスポーツ面における決裁権を持つ社長付きアドバイザーとして活躍を期待したい。
※映画で語られた情報である