2025年、シーズンの半分が過ぎたのにリーグ戦で最下位に混迷する横浜F・マリノスからするとニアミス的な大会、6月15日からアメリカで華々しく開幕となったネオ・クラブワールドカップ。
新とかニューの方がいいかもしれないが、ネオの方が、悪の組織FIFAによる金儲けの悪だくみ感が増すのでネオ(ギリシャ語)としたのだが、もしも何かのはずみでアル・アインに勝ってたらと思うと恐怖でしかない。
あの試合がどうであれ、今期はSDとしての能力が懐疑的な西野努SDによって率いられたマリノスというプロセスは変わらない筈なので、世界のフットボール史に伝説を残していたかもしれない。
もっとも、誰も大会の放映権を買わないと思ったら、何故か急にDAZNが手を挙げて、何故かその直後にDAZNはサウジ系のファンドから購入した放映権と同額の出資を受けるという
たまたま偶然
が重なって無事に開催となったJクラブからすれば超儲かるネオ・クラブワールドカップに出るとなれば資金的余裕はあったので違う未来があったかもしれない。
例えば浦和レッズは出るだけで17億円ゲットだけでなく、1勝の勝利ボーナスはJリーグ優勝以上!というダブルアップチャンスに挑戦中である。奇跡的に上位進出すればそれだけでJリーグなら10年は戦えるだろう。
そんな夢物語はさておき…マリノスは現実と向き合う必要がある。
具体的にJ1残留へ向けてどうしたらよいのか!
迷走を止めるには
2025シーズン最大の問題はクラブとしてのフットボールという指針なき編成にある。
これはSD不在期間という前黒澤社長の監督を信じるだけという属人性の高いやり方を導入した時点で起きた、2017利重体制が最も否定した方法を採用した時点から始まっている。
その結果として起きたプロセスはマスカットに完全委任、これが全ての始まり。
委任されたマスカットはブライトンの物真似を始めるも上手く行かずに、前年の思い出に縋りつくも、主に後方を中心に戦力が瓦解し、残骸となって終戦。
事前に何も取り決めをせずに就任したキューエルは前年もマスカットも知らん!とばかりにスペイン方面に向かうも、ハーフラインから先はノープランでチームは被カウンター製造マシーンになりUAEで爆散。
哲学が違うという、事前に一切会話せずマッチングアプリで決めたと思われる理由で解任。
ヘッドコーチだったハッチンソンにポステコグルーみたいにとオーダーを出すも、そもそも3か月程度しか一緒に仕事してないので重要な事を理解してないわ、能力的にも半年一緒にやったマスカットがクビにした人物にそれは無理な話。
その裏でひそかに次シーズンを計画していた西野SDであるが
「私の理想は敵陣でボールを握り続けるフットボール」
と新体制発表会で打ち出すも、
肝いりで選んだホランド監督は自陣で敵にボールを持たれ続けるフットボールで体現するなど、会話どころかあみだくじで選んだ疑いすら浮上する頓珍漢ぶりを発揮。
くっそー!
隣ならロジャー・シュミットだったのに!
ついてねぇぜ!
その後、クーデターを起こした勢力が掲げるお祭りが終われば不要になる神輿に過ぎないキスノーボを何の成果も出ていないのに、更に明らかに能力的に問題があるのをピッチ上で確認できたのに、音速で監督に昇格させる無駄な早さは発揮する一方で、物理的に足りていない選手人数は補充すら出来ないと言う体たらくでフィニッシュというオマケつき。
この様なプロセスではこの結果も残念ながら順当オブ妥当。
兎も角、J1残留を目指して立て直しを図るなら、先ず、その第一歩はクラブとしてどの様なサッカーをするのか定めるべき。
監督にお任せ!方針を今すぐにやめるべきだ。
そうしなければ監督も、必要な戦力も定まらない。
指針の制定
現実的に残り半分は現状の調整で凌ぐしかない。
鹿島と町田から3点取るポテンシャルはある。
HERE we goは来年からでいい。
先ず、それをクラブとして決定し、次の監督と合意する事だ。
絶対に細部を詰めるべきで、それを優先するのであれば内部昇格でも問題ない。
今はちょっとばかり高い能力があるよりも、指針に合意出来る方が重要だ。
その細部となるが、先ず今のチーム内にはアナリストと連携できる守備でポジショナルプレーを理解している人物が居ないのだから、愚者のフットボールを極めるしかない。
非保持はハイとミドルで基本マンツーマンのプレス、全選手に責任と連続性が求められる。
プレスをせずに構えるとしたら無駄に高い位置では新潟戦再びになるのでローブロックを中心にスペースを消し続けるホランド回帰になるが、その拒絶から今があるというプロセスな以上、今期は無理だろう。
時にはガタガタのボロボロになる試合も出てくるだろうが、やるしかない。
攻撃では、相手に構えられようが自分達の形を作ってロングボールを蹴り込んで行く意味をチーム全員に落とし込む必要がある。
これが出来ていないと、通らない、通りそうにない、から蹴らないという選手の迷いが生まれる。
愚者のフットボールではロングボールを敵陣に蹴り込む目的は、カウンタープレスをその位置で開始する為であり、パスを通す(成功させる)事は副産物に過ぎない。
つまり、ブロックでピッチに対して平均的に立つ相手に、数的優位になりやすい形を作った上で、自陣や深い位置で強制的に相手にボールを持たせるという目的の為にロングボールを蹴るという意識が、新潟戦でマリノスの選手にあっただろうか。
例えば新潟が自発的にボールを持てば、ポジショナルプレーに翻弄されてしまい、マリノスは手も足も出ないが、ブロックの状態で強制的にボールを持たせれば、ハマった状態(人と人が近い状態)でプレス開始が可能となる。
また蹴る方はチーム全体のベクトルとして前向きな選手が多くなりやすく、蹴られる方は後ろ向きになりやすい。
次の非保持を予測した後の先戦術と言える。
前半唯一のシュートは飯倉のゴールキックからカウンタープレスでボールを奪取し、山根がミドルシュートを打ったものだった。
Jリーグで優勢となるアンチポジショナルプレーとしてロングボール攻撃が簡単で確実な理由が、このワンシーンに詰まっている。
勿論、ハイプレスを仕掛けてくる様な相手には通して、捲って裏返す攻撃を目的とした、数的優位となるGKを中心とした対角線ロングパスを用意したい。
中に入らないウイングとSBの上りで逆サイド大外に数的優位を作って蹴って行くのがセオリー。ボールアウトでスローインも獲得しやすい。
後方の保持として蹴る準備、せめてGKの数的優位を活かす保持の安定位は落とし込みたい。出口は対角線ロングパスで良い。
まとめると
・監督にお任せスタイルこそが元凶
・クラブとしての指針制定が必要
・即効性が期待可能な半年用の指針でOK
・要件定義制定、コーチ陣と合意必須
・愚者のフットボールを極める
・主力はウイングの質的優位を活かすスペースアタック
・非保持はマンオリエンテッドにプレス主体
・保持はロングボールで2パターン
1,カウンタープレスを仕掛ける為の配置型ロングボール
2,ハイ&ミドルプレス回避する為の対角線ロングボール
もうこれミシャ式でいいんじゃねぇか…みたいな感想も出てくるが、美しく死ねたらそれでいいでは困るので合意できないだろう。
本人をコーチにする訳にも行かないが、長年、彼と共に活動してきた通訳兼コーチは昨年に札幌を退任して以降、何処にも属していないようだ。A級ライセンスしかない様なのでクーデターの恐れも無い人材である。
内部昇格となればまた人が減るのだから補充は必要だ。
また、選手に関してはウインドーが近づく事で様々な情報が出てくるが、入れ替えを行うにしてもコストをかける所を失敗しない事が重要になるだろう。
その為にも指針制定は必須である。
獲得する選手はライトスタッフじゃなければならない。
ウイングには質的優位、ファーストトップには裏取りやプレスバックでの献身性、ボランチにはボールハンターが必要で、バックラインは怪我人次第か。
特に今のスカッドでは植中を欠いたのが痛恨で、鹿島戦を見れば、1点目は飯倉→加藤→裏抜けする植中と2つのロングパスがあって完結した早い攻撃であるし、2点目は植中の下りる動きから遠野へ展開し更にサイドをオーバーラップで中央にスペースを生み出し、3点目は植中のプレスバックでボール奪取と、あと2人くらい欲しい所だ。
終わった事を言っても仕方ないが、これを天野で代用できると思ったキスノーボは本当にセンスまで無い。
植中が居ないんだから無理に同じにせず、433にしてヤンと天野を近距離でプレーさせて徹底的に右から攻めようぜ、くらいやってもらいたいところだった。ヤン大外固定から天野か加藤蓮がハーフスペース突撃を繰り返せば、もう少しは個でどうにかなっただろう。
ブロック守備にしてもファーストラインがCBにけん制しやすい訳だし。
兎も角、中山社長と西野努SDには何が何でも残留するんだ、という意思を仕事で見せて貰いたい。
アタッキングフットボールもスタナーもどうでもいい。
残留という結果の為に、今のマリノスに何が必要なのか、何が出来るのかは明らか。
指針として愚者のフットボールを制定。
戦い方はクラブが決める。
監督に任せた結果の連続クーデターであり、クーデター後のクラブに統治を取り戻すべき。
再びアジアを目指す強いチームは、来期以降に強いフットボールクラブとしてあるべき合理性を取り戻すしかない。