2025年6月25日、シーズン中2度目の監督交代となった横浜F・マリノスは前日24日に就任会見を終えた大島新監督の元、残留圏対象の17位であるFC東京とホームで対戦。
残留圏まで6ポイント差を3ポイント差に出来るのか、それとも湘南を対象とする8ポイント差になるのか。J1残留への分水嶺とも言っても良い状況の一戦は夢も希望も無い0-3の惨敗に終わった。
松橋監督は序盤から走力を発揮する事を期待した前線4枚とボランチを配し、ハイプレスとプレスバック、そしてスペースアタックを繰り返す、既に確立されていると言っても良いアンチマリノスなフットボールを展開。
今期1試合平均シュート数が10.8本しかないFC東京相手に、15分間で被シュートは6を数えるなど、岡山戦同様に開始早々から試合が決しかねない状況を繰り返す。
3枚保持などでボールの保持が安定して盛り返すシーンもあったが、被ロングボール攻撃による収支の赤字、ボールホルダーに制限がかからないミドルブロック、敵陣での答えの無さ、など巻き戻したが故に顔を見せるネガティブ要素の連鎖で失速しての完敗となった。
2023年の時点で劣勢な試合が多かったのに、2年分の宿題を何一つ解消せずに、アンチマリノスが進化した環境で試合を繰り返す事を考えると先行きが思いやられる。
状況がかなり悪いだけに、ハッチンソン同様、このまま座して死なれてはこちらが困る。
ずっと試合を観てきたという経験則をベースに即効性の高い改善方法を提案したい。
100点の正解ではなく、結果として上手く行けば良いという価値観が求められる。
なんちゃってハイプレスで改善
FC東京にすら2トップで制限すらかけられず後方でいい様に交わされてたのは絶望感すらあった。ちょっと圧がかかったら2回も致命的なキックミスをする様なGK相手に。
かといって愚者のフットボールを実現する様なガッツはクラブ内になく、ぬるま湯に浸かりたいクーデターが発生してしまうのだから仕方ない。ロッカールームには政治がある。
今日はちょっと現実が見えたかもしれないけれど。
そこで、もうスカされるのは前提という補填を用意しつつ、今よりはハマるだろうというファーストライン整備で対応を図りたい。
何度も言っているが両WGとCFでファーストラインを3枚に変えるしかない。
マリノスの442はGKによる+1を想定されていないかの如く時代遅れで、構造的にいつでも簡単に2対4にされるのだが、取り合えずそれは防げる。
また、FC東京戦におけるロペスの走行距離は90分で8.3㎞と献身性は期待できない前提が必要だ。長倉は11.8㎞と3.5㎞の差があった。
中央での制限とGKへの突撃以上の事を期待するべきではない。
守備に対する理解も乏しく、2トップにする事で生じる運動量にみならず、多様なタスクと判断を消化出来ると考えるのがそもそも間違っている。この選手では2トップの守備を構築するのは無理だ。
ファーストラインを3枚に、ロペスの仕事を簡単に、責任を少なくし、両ウイングはちょっと頑張って貰って、後は後方の7人でガッチリ人を捕まえて何とかするしかない。
ファーストラインはゾーンでロングボールと前進のみを制限して、後方はマンツーマンという落とし所が、ロペスを含んだ上で守備を改善可能となるなんちゃってハイプレスである。
仮に敵の両CBとアンカーをルーズにしても、上がって行く事は殆ど無いのでハーフラインより後ろで数的不利は発生しにくいという割り切った覚悟が必要だ。
少なくともボールを奪ったら前は3トップが敵と数的同数というリターンがある。
これでやるかやられるか、までは持ち込める。
もうこの際、前3枚はミドルゾーン・ローブロックでもバックラインの前まで戻ってこなくてもいい。
プレス回避攻撃
自陣への保持に対してプレスを受ける時に、どの様な攻撃をすればいいのか。
マスカットは個人能力に依存した結果、ゴール数で一定の成果を見せたが、環境は厳しくなっている。
FC東京戦では保持の安定すら苦しみ、ゴールキックからロングボールを蹴り始めるも、何の用意も無いマリノスに対して、走力のある選手が揃うFC東京がセカンド回収からカウンターを繰り返すなど、負の連鎖ここに極まるという光景が見えた。
プレスの出口として敵を背負ったヤンやエウベルに当てる、後は彼らの個人能力に期待、そんな攻撃が2年経っても通用するはずがない。
自陣のビルドアップに対してプレスを受けるとして、最後にSBが縦パスを蹴る選択肢が、敵を背負ったウイングかロペスという2択しかないのが絶望的な光景だ。
2年以上、何の解決も見られない。
どうせSBで詰まるんだよ!
だからこそ詰まる前提で、その状況にチームとして答えを持つ。
そこからどうやって攻撃するか考える。
この点、敵のサイドバックを引き付けた裏のスペースにロペスやセカンドトップが飛び出していく構造が無い。
マリノスの典型的なSBで詰まる自陣ロストパスコース3選
※ヤンがロストするか、ボランチへ逃がしても次で捉まる


ハマったら自陣に蹴らない
SB(加藤蓮)がCF(ロペス)にスルーパス(又は裏へロブパス)を蹴るシーン
マリノスではプレスにハマったな、という時に先ず見られない。
敵のSBを引き出した上で、ロペスが斜めにボールを呼び込むランをする。
例えパスが通らなくてもそのままプレスに行くか、サイド奥の敵スローインに対してプレスをかけやすい。
もうワンチャン裏取りする為に、わざとプレスにハマりにいく位の気持ち。
これはロングボール攻撃じゃないし保持攻撃であり、次のプレスへのスイッチ、通ればラッキー。
ロッカールームの有権者皆様も納得頂けるだろう。
そして通れば、そのままフィニッシュへ向かうボールの流れ

ヤンはロペスがCBを引っ張って空けたスペースへのダイアゴナルラン、義務。
ボランチはロペスの落とし先になる動きが義務、素早くスペースへ展開。
セカンドトップと逆WGはカバーさせない横幅のピン止め。
ボールに近寄らないでゴール前へ。
ロングボールを蹴りたくない。
蹴っても整備してないので効果的でもない。
保持の安定も怪しい、ならばせめてそのハマった状況でどう効果的なボールを敵陣へ入れていくのか、準備と整備をするべき。
ラフアタック
相手がミドルゾーン以下に引き始めると攻撃がスタックし始めるキューエル化現象も再発する。今のマリノスはマスカットの悪い所にキューエルの悪い所が合算された様な状態だ。
特にセカンドトップに天野や渡辺皓太となると彼らはサイドに3人突撃し、ゴール前はロペス一人という光景が再現しやすい。チームとして敵陣でどうするかは何も答えが無く、キューエル時代同様に完全フリーダムだ。
そもそも選手交代で伺えるように監督からして答えを持っていない。
CBが後方支援してサイド2対2、エリア内3枚にアーリークロスというシンプルなラフアタックを整備するしかない。何も決まってないから無駄にサイドへ突撃し、自由にバックパスが繰り返される。
それを考えれば山村は現状なら前で使うべきオプションだと言えるだろうし、天野はヤンと交代で使う人員と言える。

ファーサイドに蹴ると決めておけば、ゾーンでニアサイドに立つCBは1枚死に駒化
325で立ってしまってクロスに入るのはCF、シャドー、WG(WB)
サイド2対2、もしくは押し込んだ後ろからCBが発射台。
ロペスはニアに飛び込む様な動きはしないのだから、自動的にロペスがニア役になる様なクロスを蹴ればいい。ロペスの裏となるシャドーとWGが本命だ。
敵が5バックで構えてもプレーが発生する周辺だけ数的不利にならない事は出来る。
2対2から3対3へ、ラフにでも数的同数という確率に対してボールを入れ続ける。
何もしないなら大補強しかない
残り18試合で勝ち点26では勝ち点40、危うい数字だ。
目標が41だとすると1試合平均は1.5、上位陣と同じペースが求められる。
目下のところ下位に3連敗中だが、後半戦はリーグ上位陣との連戦が待ち受ける。
具体的に何もしないなら死ぬだけか?
否
大補強を敢行し、個の能力で問題を解決する方法がある。
つい先日に紹介したウイングのタレント達、ヴィトーリアのエリキ、マーガレット、ザ・ハリから2人、今年に入ってから紹介したファーストトップ、イサク・キーセテリン、マクリミリアーノ・ロメロは必須だろう。
圧倒的に劣勢でも殴り勝てる火力が必要だ。
交代選手が居ないなど論外。
そして、あと5日で以前に紹介したビッグネームが契約満了を迎える。
アンカー ファルジャニ・サッシ
2022年、森保ジャパンをアウェーの日本にて3-0で撃破したチュニジア代表の13番。
代表キャップ80以上を誇り、カタールリーグ、アル・ガラファでプレーする33歳。
185㎝の恵まれたフィジカルを活かした抜群のボール奪取能力を持ちながら、変幻自在の多彩なキックは観る物を魅了する、アジア圏でプレーする中で最高の司令塔。
彼の個に依存すれば、ビルドアップの問題、劣勢の守備状況は改善できるだろう。
中山社長、西野努SD
サンドバックになるような試合でも、不条理を実現する個の力ぐらいは見せて貰いたいものである。