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今週の横浜F・マリノスざつだん(25/08/21) ヤンの移籍情報や新加入選手に週末は町田戦

J1残留へ向け残り3か月半、12試合のリーグ戦と不確定なルヴァンカップを残す横浜F・マリノス

 

2シーズン以上、チームの主力であったヤンの退団報道、欧州の移籍期間よりも先んじて2025年8月20日に終了となるJ1リーグ第2ウインドーでの動き、9連勝中と今最強の町田を迎える週末のゲームについて、ざつだんである。

 

 

ヤンの移籍、退団に伴う話

 

クラブと選手、その契約である金額や条件に関して欧州クラブと異なり公表が行われない慣例もあり、様々な憶測と適当な数字が飛び交うJリーグ選手の移籍。

 

しかし近年では欧州以外でも決算の公表などが行われており、日本と異なりこの収入は誰の移籍に伴う入金なのか、という記載もあり、そこから後に読み解く事も出来るようになった。

 

この点、ヤン・マテウスについてはマリノスに移籍する前、ブラジルのパルメイラスからポルトガルのモレイレンセにレンタル移籍しており、この際にモレイレンセは20万ユーロで50%の経済的権利を獲得している。そしてレンタル期間が終了するタイミングでマリノスにレンタル移籍し、後に買取が行使された。

 

マリノスからパルメイラスへの支払いは22年、23年、24年と分割して行われており、確認できる合計は約120万ユーロ。同時にヤン・マテウス売却の収入として、モレイレンセからも23年と24年に計35万ユーロの売却益の分売を得ており、もしも売れたら30%程度払う50%の経済的権利、だったと推測できる。

 

以下は上記の情報を統合した推測となる

出来高支払いは除外 例えば25年分に生じるかもしれない)

 

マリノス → パルメイラス 120万ユーロ支払い(3年分割)

マリノス → モレイレンセ 120万ユーロ支払い→ パルメイラスに35万ユーロ

 

当時モレイレンセは確かに当初200万ユーロを要求していたが、当時のヤン・マテウスの価値からすると高すぎであるし、実際に50%保有していたパルメイラスにそんな金額は振り込まれていない事から、これをベースにした400万ユーロという推定は間違い

 

またパルメイラスが受け取った総額は決算書から155万ユーロであるが、モレイレンセからの分配を含んだ金額であり、これを2倍にするだけの300万ユーロも間違い。

 

パルメイラスとモレイレンセがそれぞれ経済的権利を50%を保有しているという記載はあるが、ヤンの売却に伴う経済的権利における比率が書かれているだけで、つまり取り分は50%と書いてあるだけに過ぎない。

 

パルメイラスの決算書から両クラブが売却益を得ているのが確認出来る為、マリノスが50%しか買い取っていないというのは間違い。

 

いわゆる転売分配金等の契約及び権利は不明。

※次にヤンが10億円で売れたら1億円分配してね、みたいな契約。

 

当初は本ブログ等でも確認されたブラジルの報道などから総額150万ユーロ前後という前提で話していたが、以上からもあくまでパルメイラスが受け取った総額であり、経済的権利の比率、記載された金銭の額から、パルメイラスの120万ユーロを50%分とした総額約240万ユーロ前後(出来高等は不明)に訂正する。

 

 

続いて、今回はヤンの移籍金をマリノスがいくら得られるのかは500万ドル(429万ユーロ)、300万ドル(257万ユーロ)と情報が錯綜しているが現段階では移籍が確定していないのだから不明。

 

しかし、ここからは情報を統合した推測になるが、この2年で特にアジア圏ではヤンの市場評価が高まっているのは間違いなく、またマリノスが支払った金額が240万ユーロ前後である事を考えると、ほぼ同額で手放すのは考えにくい。

 

契約更新が出来ないなら売るという判断はオフシーズンにやる事で、今の順位で出来る事ではなく、クラブに拒否権が無い状態の移籍、つまり満額の移籍金=契約解除金が提示されたと考えるのが自然であり、その設定額は400万ユーロ前後と考える。

 

唯一不安があるとすると、カタールSCは王族関係者がトップのクラブだが、トップクラブは浦和などを完全に凌駕するカタール国内では、かなりお金が無い方のクラブであり、400万ユーロは支払った事が無いレベルの最高額。

 

ただし、クラブのスポンサーは手堅い業績のグループ企業であり、安定した経営から3年分割などの条件でまとまった可能性はある。

 

 

 

新入団選手

 

エウベルとヤンを失った横浜F・マリノスは同ポジションとなるウイングを2人、完全移籍で獲得した。

 

一人が仙台でプレーするオナイウ情滋、もう一人は日本でのプレー歴も長いジョルディ・クルークス。今季、所属チームでプレーしたキャラクターとしてはエウベルとヤンをイメージする選手を探したと思われる。

 

 

オナイウは今期が転機、従来は右サイドでプレーしていたが、エース相良の怪我で左サイドに抜擢されると、右利きの逆足ウイングとしてプレーの幅が広がりつつあった。

 

チームではCKを蹴る事もあり、クロスの良さは現時点で井上や宮市よりも上かもしれない。ちなみにヤンもクロス成功率は同様に低い。

 

カテゴリー差はあるがクロス成功率比較(Jリーグ公式)

 

オナイウ 29.4%

井上 15.7%

宮市 16.7%

参考 J2 椿 直起 25.6%

 

また、いわゆるサッカー界的な基準の50m5秒台と言われるスピードだが、J2はトラッキングデータが甘くトップスピードは不明だ。J1で時速何㎞を記録するのかは楽しみな所。トップスピードだけでなく加速力で置き去りにするシーンもある。

 

 

ほか、今期J2でプレーする”卒業生”達とのゴール前の仕事数を比較

 

椿 直起 左WG 26試合23先発 1899分 3ゴール4アシスト

津久井匠 左右WG 26試合22先発 1882分 4ゴール2アシスト

※水戸→大宮移籍の為 2チーム計

 

オナイウ情滋 左WG 17試合13先発 904分 2ゴール3アシスト

 

与えられたプレータイムを考えれば、躍進中のチームで活躍する”卒業生”達と遜色ない活躍を見せていたと言える。プロ3年目、出場機会が増えつつある選手で、余白は十分残されており、そこへの期待感は少なくない。

 

 

そしてもう一人がジョルディ・クルークス。

 

カットインというよりも左足で蹴るマン、スルーパスを受けた時は素直に右足で蹴るパターンが多いので、開いて止まってるところにパスをすれば(特に左足側にパスをすれば)、その後のプレーはほぼ100%がクロスとチーム全体が予測しなければならない。

 

それはもう特徴的で、蹴る前に一切中を見ない。最初から誰かに合わせるというつもりが無い。この位置からどう蹴ればゴール前に飛ぶかという経験を積み重ねており、ちゃんとゴール前にボールを送る事に集中しており、それを決められないのは自分の責任ではないというスタイルだ。

 

その迷い無く行われるボール蹴り出しの姿はブレる事無く、型を通り越した伝統芸能、正に練り上げられたクンフーを感じると同時に、受ける側となるCFは勿論、セカンドトップと左WGの人選も重要になってくるだろう。

 

ただ、東京ヴェルディ戦、清水戦を経過した今のマリノスで問題となるのはどうやってそこまでボールを運ぶのか、という事になるかもしれない。

 

 

個人的な意見としてはそれでも”どうにかなるタレント”を要望していた。

 

理由としては今のマリノスは2年以上に渡ってウイングさん何とかして下さい、という個人能力依存でどうにかしてきた状態であり、当然それは改善を目指さなければいけないとして、新シーズンに能力が高い監督を選定した上でやるべき事であり、大島監督にそれが出来る能力があるのかと言う部分には懐疑的で、今から始めて大丈夫なのかという不安が大きい。

 

 

 

町田戦

 

無策でいけば9連勝(公式戦11連勝)と勢いに乗るチームに飲み込まれて終わるのは想像に難しくない。ACLEの苦しみを他チームが味う順番になって、敵は何も用意する時間が無い中2日というメリットが今後も回ってくるとして、果たしてそれを活かせるのか。

 

先ず町田はボール保持、非保持において、プレーする位置でチームとして何をするのかが明確であり完成度は高い。保持ではロングボールの前進は力強く、カウンターも強力でスローインを含むセットプレーも上手い。

 

非保持では練度の高いマンツーマンハイプレスと、堅牢な541撤退守備を誇り守備の安定度も高い。一方で単調なクロス攻撃が目立つ試合もあり、不安定なミドルゾーンブロックというマイナスも確認出来、付け入るスキはそれなりにある。

 

つまり、非保持ではロングボールによる縦ずれによる陣形の間延び&スペース利用を防ぎ、単調なクロス攻撃に終始させ、保持ではハイプレスを迂回しミドルゾーンの攻防から一気にゴールを目指せば、彼らは瓦解するだろう。

 

 

 

<vsハイプレス>

 

町田はCFがアンカーに入る選手を見てシャドーでCBを見る。

WBが強気な設定で両SBに突撃する形でマンツーマンを敢行

 

・外されて両WGを使った攻撃にひっくり返されるシーンもある

・例えば広島の3CBと比べると、WGへの距離感が甘い

・GKからWGへのルートへ安定したロングボールが蹴れるか

 

 

 

<対抗策>

 

・天野(CH)を積極的に球出しへ関わるタスクで送りだす

・多分、異常な位に関わって敵は勝手にバグる

・目標はボールタッチ95回、パス90本、12㎞走る、君なら出来る

 

・CFが大きく下りる、マンマークの指令で中央CBは追随義務

・両サイドCBは困る(鉄則に従い締めるか、でもWGは?)

・GKか天野、CBがWGへロングボール

 

 

この時に、セカンドトップは井上の方が嫌がらせの火力は上がるかもしれないが囮なので植中でもいい。とにかく敵にストレスを与え続け、気持ちよくプレスからのボール奪取を繰り替えさせない事だ。

 

CFとスイッチで中央裏へ突撃すると益々両CBは絞りが必要になるし、ロングボールを蹴る際は中から外へ蹴ったボール(GK→WG)に中から外へ向かって対応するCBは外にクリアが増えスローイン獲得で前進完了となる。

 

一番良くない蹴り方が、真っすぐ蹴って敵CBがマリノス陣内にヘディングを落としてくる事。これが試合中に繰り返されたら、監督以下コーチ陣はこの試合に正しい準備をしてこなかったと受け取って良い。

 

参考例としてはC大阪戦の前半16分前後に、これと類似シーンを仕掛けられハイプレス失敗していた。ただしC大阪に再現しようと言う意図が見られず。

 

 

 

<緩すぎ!?ミドルゾーン>

 

あくまで比較だがハイプレスと撤退に比べると急に怪しくなるところ。

ゾーンでしっかり構えだす523、541とはならないのがミソ。

 

相馬は後ろを気にするが、特に西村は気分次第で前にフラフラ前進する。シャドーの人選が重要で、特に西村の裏でありボランチの脇をいかに上手く使えるか。

 

町田をフルボッコにしていたヴェルディはキープレーヤーの森田が好き放題暴れていた。左で侵入保持を安定させ、右で仕留める形でチャンスを連発するも染野が連続クリアで失点を防いだ。

また相馬はボランチ脇をケアするが、今度は右に開いた宮原への対応が遅れ、WBを送り出して松橋を見るCBというマークのズレを使って右サイド攻略。

 

 

 

マリノスだと立ち位置は両ボランチ脇を定期的に攻撃する為、433の方が良い。

 

天野には球出しタスクを与えるので前に行かずシャドー脇で森田ロール、敵のボランチ脇と大外を誰が担当するのか左WGとSBの人選が重要。

 

後述する守備も考えると左SBに宮市でそのまま大外、左WGには井上でインサイドでプレーをさせたい。これは右CBに入る岡村が裏への動きに弱い、それを警戒して前に潰しに出る動きに躊躇がある事、これに最近は中での受ける動きとショートパスに才能を見せる井上をぶつけてみたい。

 

右は運べるSBとして加藤がいいかもしれない。

 

 

<vs撤退541>

 

またローブロック541は堅牢だが、相馬じゃないサイド(=昌子じゃないサイド)は引き続き狙いで、ボランチ脇のスペースを徹底的にチームとして意識したい。

 

・左からボランチ脇狙い、岡村を井上へ食いつかせる

・宮市は斜めランで岡村のスペースへ

・天野を押し出してニアポケットか、ファーサイドクロス

・右シャドーが西村なら守備貢献度は低く441に出来る

 

 

・ファーストトップは谷村かデイビッド

・理不尽なヘッドを期待するなら谷村

・前に強く裏に弱い菊池にストレスを与えるならデイビッド

・右WGは謎の得点力を発揮するゴール期待でアラウージョ

 

 

 

<vsロングボールメインな325>

 

重要なのはタスクと人選。

 

ハイプレスは縦に長い陣形、谷のキック力で回避されやすい。

蹴り先は右の望月、中央は藤尾なら裏、オ・セフンならポスト狙いが増える。

 

ゴール前では単調なクロス攻撃、セットプレーかロングスローでワンチャン。

正直、相手のミス待ち期待という部分も結構あるが、ミスをしてしまうチームが目立つ。チーム決定力は高いのでリードしたらカウンターも活きる。

 

シュート成功率 リーグ3位

1試合平均のゴール期待値1.321 に対する実ゴール1.46 +0.139

 

 

重要なポイントは

・左SBは宮市で望月と戦ってもらう

・縦ポン(CF)はキニョーネスが対応、相方がカバーで役割を明確に。

・全体的に間延びしてしまい、被ロングボール後にスペースが出来ない様に

・ファーストラインとバックラインの距離

・1,2列目は蹴られた後のプレスバック

 

 

外に誘導し、敵WB→CBのバックパスを起点にミドルプレス開始

保持で中に差してくる縦パスはそれほど脅威ではなく、カウンター機会

カウンターは両WGでWBの裏を突いていく意識の統一

 

 

まぁ、これらはあくまでも机上の空論のお遊びで、プロフットボールの現場にいる皆さんはとっくに分かっている事だろう。現実への実装が難しい訳で。

 

さて、最近思うのはご存じの通り、近年Jリーグでは523などでハイプレスをするチームが増えている訳だが、大島はキューエルのチームでコーチをしている時に、キチンと自分のチームを何故得点できたのか、どうして優勢だったのに劣勢になったのか、どうすればよかったのか、という研究をしていただろうか。

 

正に今こそ在籍し続けている蓄積のメリットを引っ張り出す時なのではないかい、と思うのであった。

キューエル式415は523でプレスをかけるのに結構面倒くさくないかい?