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マリノス試合後ざつだん・25ルヴァンカップ準々決勝vs柏レイソル連戦 覚悟を決めた地上戦で見えた事と改善点は

2025年9月3日と7日、横浜FマリノスはACLE進出ボーナスによりシードされたルヴァンカップ準々決勝で柏レイソルとのホーム&アウェー連戦に挑んだ。

 

国際Aマッチウィークを当て込む割り振りで、ACLEが無ければ過密日程にはならないルヴァンカップという事もあり、柏レイソルにメンバーを落とす必要は無く、前回対戦した5月14日のリーグ戦ではサンドバック以下の餅つき大会だったゲームを繰り返さない準備がマリノスには求められた。

 

この点、町田&神戸のJリーグロングボール主義2強との対戦では1分1敗と結果は出ていない物の、大島監督以下コーチ陣による前任者達からの変化として、対戦相手をベースにするゲームプランを用意するという、ごく当たり前の試合に対する準備が確認出来た。

去年からチームに居たのだから、千載一遇と言えた昨年のACL決勝アウェーゲームで披露して貰いたい手腕であったが、これを実践しているのは当時いなかった人物である可能性が高いとも言える。

 

 

バチバチの地上戦

 

これが覚悟ってもんだ!

 

現在のJ1リーグでは異質な存在になった地上戦最強を誇る柏レイソルに真っ向勝負を挑んでみた!

 

タイトルで全部説明していく現代のライトノベル小説風にタイトルを付けるならこんな感じだ。

 

衝突するマンツーマンハイプレスと保持、神戸や町田にはお付き合いのロングボール60本オーバーを蹴り込んだが、1戦目はレイソルの46本より少ない41本。

 

アル・ナスル戦を彷彿とするような餅つき大会の影は見えず、保持率は49-51%、パス数は426-447、クロス数では僅かに優勢、エリア内タッチ19-22、ファイナルサードエントリー51-56と若干の劣勢だった。

 

何よりもゴール期待値は3.67-1.50、レイソルはPK分の0.76を含んでおり、1-4と言うスコアは最早、サッカーという競技に不具合があると言える水準だった。

 

最大のチャンスは65分にFK再開から天野のスルーパスを受けたデイビッドのシュートから始まる連続シュート。ゴール期待値的にはPK相当の2本が含まれており、一連の流れとして1.5以上のゴール期待値を稼いでおり、1点は取りたかった。

 

また、この様にゴール期待値は最初の一本がビッグチャンスで続けて二本目もビッグチャンス!となると合算された数値は跳ねやすいが、一連の流れで短時間でシュート3本打ったけど、決まっても1点だよねというシーンがあるので純粋に足し算をして、それを見て3.5!!とか言っても意味が無い事があるのは注意したい。

 

跳ねてる分を別枠にすると 2.03-0.74(ハネ物枠 デイビッド連続BC1.64-PK0.76)の様な表記になる。益々、なんで3点取られるんや…という数字になったのだけど。

 

なお、1試合目は順当として、2試合目ではゴール前にボールが来ない事もあって、デイビッドは機械採点的には2試合連続で両軍を通じたワーストプレーヤーになってしまった。

 

 

 

全く異なる保持のロジック

 

そして勝ち上がりには大量得点が必要であった2試合目だが、逆にガッチリ抑えられてゴール期待値は0.51-1.07と統計通りに順当に完敗。ボール保持も44%にダウンし、シュートも僅か6本では3点差はひっくり返せないだろう。

1試合目が統計通りに勝っていたなら理想的なゲームだったが。

 

なんで1試合目はあんなにチャンス作れたの?と試合の細部を見て行くと偶然的な人選が生み出したんじゃね、という感想が起きてきた。

 

一気にゴール期待値1.67を稼いだ65分のシーンはFKからの早いリスタートと言う点もあり外して考えるが、加藤のセンターバック、フリーダムな天野、右サイドバック山根というビルドアップ部隊の人選がレイソルに混乱を与えた。

 

DFラインの前を自由に動く天野、山根の偽SB化と加藤は時に大外に立ち、渡辺が最終ラインに下りるシーンもあり、マリノスの保持攻撃は今期最大の流動性を見せた。

 

典型的なシーンが11分、山根のミドルシュートがポストをかすめたシーン。

 

渡辺が下りて3枚保持、加藤は外へ移動

 

山根に当てて落とす、諏訪間がダイレクトで天野

天野は振り向き様、サイドの井上に展開。

 


両WBをつり出して、ボールが中央にある状態の為、レイソルの3バックは大外のWGを捕まえられず広大なスペース。

 

この日のマリノス流動性による数的優位というよりも、技術的優位で同数を破壊していく風間スタイル。ボールのハマり所になりがちな所では、山根、天野、加藤の切り抜け力を活かして打開。

その流動性はフィーリングの領域に達し、加藤が3の真ん中に居て、渡辺が右、山根はセカンドトップの様な位置にいる時もあったが、中心で漂い続けたのが天野だった。

 

運動量、チーム1の技術力、球際の強さ、もし今後も大島監督が後方でボールを保持したいのであれば、その中心に置くべき選手であるのが改めて確認出来た。

 

特にオープンになった瞬間に打ち抜いてくるロングパスの質マリノス中盤のスカッドで変わる者が無い別格の質を有しており、デイビッドの様な選手にとって、最も必要な中盤後方の選手と言える。

 

10番ではなく6番、彼は個でゲームを支配した遠藤保仁の系譜に連なるJ1リーグ屈指のプレーメーカーだ。

 

 

 

だが、そもそもレイソルの保持とマリノスの保持では決定的にロジックが異なった。飯倉は足元の技術が高い事は間違いないが、ポジショナルプレーと言う概念を持ち合わせていない。

 

例えば16分、GKを含んだ3枚、そしてファーストラインの裏に立つ2枚。

 

典型的な見なれた中央+2の圧倒的な数的優位の保持だが、飯倉の選択肢はいきなり右サイドの山根へパス。頭を抱える。

 

 

 

フリーでもなければ後ろ向きに走っている山根にパス、当然即ハマる。

 

 

大島は何も問題と思っていないようだ。

 

GKを含む+2状態ですら前に進むロジックを持たないマリノスは個に頼るしかないとも言える。

 

風間スタイルの継承者がここに現る。

 

が、当然これは構成メンバーが限定され、山根、加藤、渡辺、天野の全員がビルドアップ部隊にいるのが求められるだろう。誰か一人でも抜けたら、喜田やジャン、松原では実現不可能な超属人的なスタイルと言える。

 

 

飯倉が中央の数的優位を捨てて、いきなりSBに蹴る選択は試合中に何度も繰り返されており…(また下がっていく山根に)

 

 

 

例外なくハマっていたが、山根は何とかしのぐ力があった。

 

例えばレイソルの様に、サイドに蹴ったらそのまま裏を狙うという意図がチームにあればいい。マリノスが喫した先制点は正に中央レーンから外への球出しとなるCB→WBをWBがダイレクトで裏ポン、瀬川のキープから始まっている。

 

ダイレクトで蹴るから上背で大きく上回る諏訪間がつき切れずに跳ね返せない。

 

ハマり所にあえてつける事で敵は取れると前に出てくるので、それを利用しダイレクトに裏を狙うという意図が感じられる。ポステコグルーの様な横(サイド縦)ポンアタックにも通じる。

 

一方で、マンツーマンに対して安易に中央レーンから球を外に出すのはGKの+1という数的優位を失う選択であり、数的優位を失う以上は素早くリスクの低い前進を選ぶという理解の徹底が求められる。

 

 

そしてレイソルは徹底的に中央でGKの+1を押し付けてくる保持を見せる。

マリノスがマンツーマンで押し寄せようと、+1は消せない。

 

マリノスはCBマークからのカバーシャドウ、背中で消してGKラッシュを随所に見せたが、小島は尽く+1を利用したレイオフで交わし、むしろプレス決壊を招いた。

 

 

試合自体は統計的にシュート数、ゴール期待値でも圧倒的大差だったのに、ゲームとしてマリノスが支配をしている感じが無かったのは、この様に数的優位を維持したボール保持の余裕が終始レイソルに有ったからではないだろうか。

 

レイソルの選手により危険な位置でプレーさせるには中央の選手がラッシュ要員になって、落としを周囲の選手で狙う設計が良いかもしれない。ただ外されたら今度はこっちが終わりなハイリスクハイリターン。

 

トータルで見た時に、1戦目が優勢な打ち合いに持ち込めたのはマリノスにはボール保持に特化した人選が功を奏したと言え、2試合目ではそれが失われた結果、守備で均衡は作ったが平凡にゲームを支配されただけで終わったと言える。

 

 

 

井上とゴール期待値の話

 

この日、井上には左サイドにいる時に何度も良い状態でボールが入った。

が、それを殆どカットインプレーで台無しにした。

 

井上がプレーを開始した段階でどれだけゴール前にスペースがあるのか。

 

 

 

そして下手なカットインをした結果、山根の惜しく見えるシュートで攻撃終了。

シュート位置、レイソルのDF枚数、いかにチャンスが失われたのが分かる。

 

まぁ山根がシャビならシュートではなく、デイビッドにチップキックを通しただろうけど。

 

 

この山根のシュートによるゴール期待値は 0.06 しかなく、このシュートは殆ど決まる事は無い。

 

 

続いて諏訪間の自陣からロングボールをレイソルの選手が処理ミスをして裏返し。

井上の独走になったシーン

 

前にスペースはあるのに何故か止まって切り返したが、どれだけゴール前にスペースがあるのか。

 

 

 

そしてカットインからシュート

 

このゴール期待値は 0.03 に過ぎない。

先ず決まる事が無いシュートである、惜しくもなんともない。

 

 

 

 

一方で松村。

 

マリノスのわちゃわちゃボール保持に翻弄されたレイソルはハイプレスエラー発生。

デイビッドの落としてスプリントから左展開、見事。

 

 

 

減速しないトラップから一気に深い位置をとってニアのデイビッドへ

 

 

このシュートのゴール期待値は0.32だ。

 

松村は井上が得意のカットインからミドルシュートを10本打ってもまだ足りない数値を一回のチャンスで作り出した。

 

 

 

人選はクオリティに直結する

 

右利きの逆足ウイングでカットインプレーが得意な選手と言うと…

 

例えば、リベリーのゴールシーンは見た事あるだろうか?

まぐれの一撃ではなく、同じようなカットインからのニアぶち抜きは3回は観た。

 

 

 

バルセロナのヤマルを出すまでも無く、マリノスのクルークス、そして在籍していたヤン・マテウスを見ても、逆足ウイングなんてキックを活かす為のポジションな訳で、キックが無い選手が同じ様にプレーをしてどうするのか。

 

なぁ君はフランス代表どころか、日本代表にも呼ばれたことが無い、J1リーグで39本シュート打って1点しか決めた事が無い選手だよ。

 

 

マリノスは成長を待つクラブではなく、アジアで勝って日本を代表するクラブを目指しているんでしょう?

 

これは新体制発表会で打ち出された中山社長によるクラブの指針である

 

ならば、マリノスは逆足ウイングとして既に結果を出した選手を探してくるクラブではないのか。それでは右足で何回ミドルシュート決めました?みたいな。

 

仮に選手の成長を待つというやり方があるとして、マリノスもそうなんだとして、なぜマリノスを応援する皆さんがずっと期待していた椿や津久井は成長を待とうとしないのか。やっている事が滅茶苦茶だ。

 

 

まぁ、この2試合を通じてのワーストプレーヤーは間違いなく尽くチャンスを潰した安くないコストをかけているデイビッドではあるのだが、一方でセンターフォワードとしているべき所にいる確かさを見せたとも言える。

 

失敗の理由も選択や判断の失敗ではなく、どちらかと言えばコンディションの問題で、欧州シーズンで動いている事から、これからまだ上げていける選手である。

 

連戦で確認されたシンプルに落として裏へのスプリントは試合中に何度も繰り返されており、スタッツでは分からない彼の強みも直ぐにチームに浸透してくるだろう。落とし先に天野の様なクォーターバックが毎回いるかどうかは別にして。

 

 

この点で、なぜ2試合目でプランを変える訳じゃないのに天野をボランチに使わなかったのか。ターンオーバーという大義名分があるかもしれないが、それならやり方を変えるべきだった。

 

もっとも、現状のマリノスにとってルヴァンカップはそれ所じゃない大会ではあるので、今後を見据えれば後方でボール保持したいなら、天野抜きじゃ成立しないのが明らかになったのは収穫とも言える。

 

ボールを保持したい時はボランチに天野+山根、加藤がSBで渡辺をインサイドハーフで使う位に人選を徹底するべきだろう。谷村や植中を左WGで起用し、鈴木や宮市を左SBで大外担当にする左右アシンメトリー構造が得点力を向上させるのではないか。

 

 

 

ゲームプラン

 

 

かなり流動するが数的のロジックは存在しない為、同数を個でどうにかしていく、風間スタイルでボール保持。プレス回避から天野の球出しで裏と左右スペースへ素早く展開。

ファイナルサードでは黄色4人組の内、2人までがボールより前に出ても良い316に変化。

 

時間経過と共に、黄色が誰か一人でも欠けたら成立しないので、その時点でボール保持のロジックを変えるプランB3421に移行も用意。

 

試合中に中央3人を解体するイメージなら、ボランチに喜田やジャンでリフレシュ、同時に井上などをシャドーに配置(例 64分交代2人 渡辺→ジャン、天野→井上)

 

続いて両WBを補強すると前への推進力は保てそうだ。

(76分交代 鈴木→宮市 クルークス→オナイウ)

 

3バックから対角線のロングボール、WBを囮にシャドーの裏抜けなどロングボール中心にスペースアタックを繰り返して疲弊した敵DFを攻めていきたい。