今期は観ている側として、残した結果よりも、かなり苦戦した印象を持つ方が多いのではないだろうか。
数字の解釈、注目するポイント、なぜそうなったのかという個人的感想を盛り込み、連覇を目指しながらシーズン2位で終えた23シーズン明治安田生命J1リーグにおける横浜F・マリノスの戦いをデータ面から批評する記事です。
何をやっていたかよりも、結果として何が起きたのかを中心に見ています。
また、あくまでリーグ戦のみとなり、カップ戦は含まない物となります。
データ参照元 football-lab.jp,sofascore
<23シーズン 勝敗得失点及び前期比較>
23シーズン 34試合
勝ち点 64 19勝7分8敗 63得点 40失点 得失点+23
22シーズン 34試合
勝ち点 68 20勝8分6敗 70得点 35失点 得失点+35
勝ち点、勝敗、得失点を見ると、得失点が12も減った割には勝ち負けへの影響が余りでなかったと言える。
例えば1勝1分だったものが2敗になるというのは、得失点ベースで考えれると1勝1分は(+2)程度であり、2敗は(-3)程度であり、その差額は-5程度に収まる。昨季に比べて-12ともなれば本来はもっと勝ち点が減っていても不思議ではない。
23-22シーズン比較 左23 ー 右22
2点差以上勝利 10-15
複数得点試合 19-23
無得点試合 5-4
クリーンシート 9-13
2失点以上試合 11-11 → 敗戦数 7-4
勝ち点への影響が薄かった部分として昨季は2点差以上の大差勝ちが5試合も多かった事が伺える。
一方で、2失点以上した試合は同数ながら、今期は7敗だが、昨季は4敗と殴り勝つ試合が減っているというか、今期は全8敗中7敗を占めるように複数失点したら殴り負けるという傾向が見える。立田のレッドカードが無ければもう一つ増えていた。
<攻撃>
inhttps://x.com/prompt_fmarinos/status/1726889106255622144?s
引用元URL https://x.com/prompt_fmarinos/status/1726889106255622144
数字は 23シーズン ー 22シーズン
1試合平均シュート数 13.9 - 15.9
ゴール期待値(ExG)1.449 - 1.849
少し余談だが、シュート数が減れば期待値も減りますよ、逆もまたしかりと、現状のサッカー界ではゴール期待値というデータが全く正しく使われていない気がする。
かつてマリノスがシティグループと契約した時に、当時社長の嘉悦氏が選手を評価するデータについて一部を垣間見た後に、凄すぎて扱う人の能力が問われるという発言を行った事があった。
現状、ゴール期待値って、ただ足し算して結果的にシュート数と大して変わらない物を出してどうすんねんと疑問に感じないのだろうか。
例えばシュートの評価として、0.2以上をチャンス、0.3以上をビッグチャンスと定義し、0.2以上がX回、0.3以上がY回ありました、そういう見方、使い方をするのがゴール期待値の正しい使い方の1つでは?と疑問を呈する。
特にPKの数値を足すとか無駄であるし、PKがあった事を記載しないと数字を壊すのでは?
監督談話で「ウチのチームの方がチャンスは作った」というのがよくあるけれど、ほんとかな?とすぐわかるようになる。
今期のマリノスには大きな構造の変化があったのは説明不要だろう。走行距離に関する物ではスプリント数を意図的に抑制していたのは明らかであるし、ダブルアンカーとも呼ぶべきビルドアップ時におけるボランチの中央固定とサイドバックの行動制限、ウイングの中央裏抜けなど。
果たしてそれらは結果としてどれだけ有効だったのだろうか。
変化を試みた自陣ビルドの有効性は…失敗に終わった?
引き出しの1つ、対戦相手を見た上で用いるオプションとしてなら理解できるのだが、傾倒、全フリで行った変更。
自陣で敵を引き付けて、後方スペースを利用し一気に敵ゴールに迫る。
それが目的であったとするのであれば、失敗に終わったと評価せざるを得ない。
自陣ポゼッションからのゴール率、シュート率は共にリーグ9位、22シーズンがゴール率1位、シュート率2位だったのとすると、そのクオリティは大幅にダウンしている。
ロングボール使用率、空中戦使用率は共に昨シーズン同様に低いままで、敵を自陣に引き付けても蹴らずにコンビネーションでの打開に拘ったのが、所属選手の能力とのマッチングエラー、そして守備の進化を上回れなかったと言える。
また22シーズンの同パターンにおける得点者を見ると、仲川、ロペス、水沼、小池龍、西村となっており、更にドリブル使用率も高い事から、左で発生するエウベルの個人打開から右サイドで仕留める形がハマっていたと思われる。
これは想像だが、今期はビルドアップの出口としてエウベルに良い状態でボールが入らない状況が増えたのではないだろうか。いかに唯一無二の仕事ができるウイングだとしても限界があった。
また攻撃の指標として、攻撃時に良い位置に前進出来たのか、という点でも明らかな低下が見られる。
23シーズン-22シーズン
30mライン進入回数 42.4 - 51.2
ペナルティエリア進入回数 13.1 - 16.4
一方で、それにしては得点数が7しか減ってないのは何故か、というと、Sofascoreにおける今期の1試合平均ビッグチャンス(決定機)数は2.6、昨季の2.8から微減にとどまっている。
それは後述する得点、アシスト、ラストパスの依存度を見ても分かるように、今期のマリノスは個に依存した局所的クオリティを押し付けるフットボールであり、敵にとってそれは無慈悲なまでに有効だったという事だろう。
また昨季に続いて、ボール保持率が高かったトップ3試合は全敗している。
もっとも昨季は3試合で62本シュートを放った、いわゆる”決まらない試合”だったが、今期は3試合で33本と、明確に抑え込まれて負けている。
副作用? カウンター機会の激減
更にフットボールラボの指標において激減している数値がショートS、ロングLのカウンター指数だ。
今季の数値はS43、L41と、ポステコグルーはおろかモンバエルツ以降でも特に低く、そらスプリント数は伸びないな、と納得の数字である。
ショートカウンターはDAZN中継を見ている方であれば、そもそも敵陣で全然ボールが取れないから”ショート”のカウンターをやりようがない、数字が激減するのは分かる。
一方で低い位置で守る時間が増えたにも関わらずロングカウンターも激減しているのは意図的に行っていないのか、保持&つなぐ意識が強く反映しすぎたのか、どちらなのかは分からない。
それがなんにせよ、昨季はリーグでゴール率2位、シュート率4位の強力な武器だったものがスポイルされてしまったのは間違いない。
カウンター指数が激減して自陣ポゼッション指数が上がり、被シュート数が爆増する一連の流れはモンバエルツ最終年の2017年と非常に類似している。今の3トップならモンバエルツも3位までに入れたかもしれない。
得点から見える構造の変化
引用元URL https://x.com/prompt_fmarinos/status/1722087797442396598
今季得点者は上位3人に集中し、ロペス、エウベル、ヤンで37ゴールを計測した。
その依存度は58.73%に達し、昨シーズンの45.71%より得点者が限定された。
チーム内得点数4位以下の数字が顕著で、3得点の宮市、植中と出場時間が少なかった選手が並ぶ。22シーズンは4位がエウベルで8得点、5位が仲川で7得点だった。
今季、誰が出てもマリノスは過去の言葉だったと言える。
またラストパスも両ウイングに集中し、攻撃は彼ら2人ありきだった。
ラストパス数 比較
23 エウベル 58 ヤン 57 水沼29 ロペス24 永戸19
22 水沼54 永戸40 マルコス34 エウベル33 西村28
当然アシスト数も2人に集約した。
アシスト数 比較
23 エウベル、ヤン 11 水沼7 ロペス4 エドゥアルド3
22 水沼7 仲川6 エウベル5 永戸4 ロペス4
マリノスのサイドバックは高い位置でプレーする機会が一定数あるが、今期の松原と永戸のアシスト数は各1しかない。
なぜか?
ロペスのエース化
34試合34先発、出場時間の2855分は最多出場を記録している。
ゴール期待値16.799に対して23得点、シュート成功率24.7%は歴代のファーストトップと比較してもそん色はない。
一方で、明確なゴールパターンと苦手パターンが存在していた。
代名詞はWGのカットイン、または斜め後方から蹴られるアーリークロスからのヘディングシュート。
他にはスルーパスを受けてドリブルシュート、そしてウイングがドリブル突破を含むラインブレイクした後の折り返しクロス。
彼のゴールはほぼこの3パターンであり、PKを除くと例外は開幕浦和戦で永戸のクロスを西村が折り返したシーンと、34節エウベルのスルーパスを受けた山根のクロスの2つになる。
問題はマリノスで頻繁にみられる敵陣サイドでパス交換し、タッチライン際又はハーフスペースに走りこんだ選手から蹴られる、横からのクロスで得点は1つもない。
シーズンも終盤になると、試合を見ていてついつい思ってしまうのは「無駄じゃねその攻撃、中にいるのはロペスだよ」と。
秋の神戸戦では30mライン侵入が神戸の35回に対して、マリノスは54回も記録したが、エリア内侵入では神戸の13回に対して12回にとどまり、ゴール期待値はシュート15本で0.709、ビッグチャンスは0回と、敵陣ゴール前で完全にスタックしたのが敗因であり、必然の敗北と言える。
ロペスをエースに固定したが、それならば上手くいかない試合ほど、強みを活かすような徹底する意思統一がチームにあったのかと問われると疑問を感じるし、ロペスが苦手なことを代わりにやる選手、補完性、シナジーを探すべきだった。
総じてみると、セカンドトップの迷走も含めて、前シーズンまでのベースを大きく変化させようとした結果、多くの箇所で上手くいかず、それはつまり上手くいかない中でも活躍できる=激流を泳げる魚しか生存できない環境であり、結果として個人依存度の高い、時には理不尽に、強い時は強いチームとなってしまった部分もあった。
<守備>
引用元URL https://x.com/prompt_fmarinos/status/1708836228249145663
個人能力でどうにかなった攻撃よりもさらに厳しい結果だったのが守備の項目だった。
23シーズン - 22シーズン
1試合平均
被シュート 15.3 - 11.8
被ExG 1.516 - 1.134
軒並み数値は悪化しており、特に被ゴール期待値は衝撃の1.516。まぁ被シュート数がリーグ16位なのだから当然ではあるが。
被ゴール期待値が1.2より多いチームはマリノス以外、全てボトムハーフのクラブであり、またハイプレス試行数が多い&ラインが高すぎるチームは多い傾向にある。
・ トレンドとの衝突と前線選手の守備
今期のJ1リーグではGKを含む保持&ロングボール使用での回避が流行した。
その中でも広島は被ゴール期待値で0.735と非常に優れた数値を記録。
これはハイボールに強いCBが裏を取られない”ほどほど”なライン設定を行い、ハイプレスも常時ラッシュするのではなく、マンマークでフリーを消して出した先を潰す、更にロングボールを活用して自陣ではプレーしないリスク回避を徹底した結果、最もトレンドにマッチしたと言える。
一方でマリノスの守備は多くの時間で上手くいかないシーンが多発しており、簡単に説明すると以下の構造になる。
先ずハイプレスには明らかな欠陥があり、1列目からして前にしか追わない2トップが、敵にGKを活用されるとCBへのパスコースばかりを意識して左右に開きっぱなしになり、ボランチがカバー出来ていないのに中央をガラ空きにしてしまう。
人数が足らなくなる状況なのにGKまでラッシュをかけて簡単に+1を後方に作られてしまう時も少なくない。
そしてボランチが前に出れば、今度は中央で何の制限もかかってないGKからロングボールを蹴りこまれる。すると今度はマリノスは1列目とボランチ1人は引き出されているし、ウイングも返ってこない。
特にサイドにロングボールを蹴られると、敵はサイドバックがロングボールに呼応して上がってくるので2対3を作られ、セカンドも回収されやすく、拾われたら数的不利でゴール前まで下がるしかない。
そして、前の4人は当分帰ってこないので6人で敵がシュートかクロスを蹴るまで守り切るしかなく、収支のバランスとしてマリノスの強みを簡単に回避した上で有利な状況で攻撃を継続できる。
更には保持意識が強くカウンターがとても少ない為、敵はそのままハイプレスにいく事でプレー位置は必然的にマリノス陣内が増加する。ボールを取れればまたクロスかシュートまでいける。マリノスの被シュート数が増えるのは必然の結果。
更には困ったことにミドルゾーンでも守れないシーンが目立った。ハイプレス状況じゃないのに前に意識が向いている前4人はバックパスを混ぜれば簡単に外せてしまう。柏や神戸の強度と比較するとかなり差がある。
9月には札幌、鳥栖戦で徹底的にハイプレスの穴を突かれ、続く鹿島戦ではGKへのラッシュを諦めミドルゾーンで構えたが、開始僅か1分50秒、エウベルが自陣で簡単に穴をあけてサイドバックのクロスから垣田にフリーでヘッドされる被決定機。
今季マスカットの振る舞いは問題は明らかなのに見えないふりをしているように感じた。
・ 失点は5しか増えていないぞ
にも拘らず失点は昨季の35から僅かに5増えた40に過ぎない。
なぜか?
マリノスが作った1試合辺りのビッグチャンス数が約2.6だった訳だが、では対戦したチームがマリノスに対して作り上げたビッグチャンス数はいくつだったのか。
Sofascoreによると23シーズン通算で敵チームが作り出した総ビッグチャンス数は78を記録しており、つまり1試合平均で約2,294。
仮にビッグチャンス数と得点数に関連性があるとするのであれば、マリノスは1試合平均2.6で63得点しているのだから、同じ基準で敵のビッグチャンス数が2.294だと…
55失点に該当する
おいおい、待てよ!マリノスの攻撃陣基準はおかしくないかと思った人もいるだろう。
ところがどっこいビッグチャンスと得点数に関連があるとすれば、人を選ばないのである。
例えば攻撃陣が乏しいと一部報道で話題の浦和レッズ。
1試合平均のビッグチャンス数は約1.7回、つまりシーズン累計で約58回。
そして浦和の今季ゴール数は42得点で比率は 約72.41%
マリノスは2.6×34試合=88.4回 63得点 約71%
ちなみに最終戦で4得点してくれた京都は73.52%、ビッグチャンスさえ増えれば決める力あり!なるほど4失点!
今期の失点が40失点に収まったのは一森が人知を超えた神だったか、対戦相手がよほどヘボかったかのどちらかであり、ちなみに55失点はリーグ最小失点だった浦和の2倍以上となる。
また、フットボールラボにおける「守備の際にどれだけ相手を前進させなかったか、相手を自陣ゴールに近づけなかったか」という指標、KAGIにおいてポステコグルー就任以降最低の数値を記録しており、2018年の47.3を下回り、46.1となっている。
ちなみに2018年は年間で56失点している。
1試合辺りの被シュート数は今季よりも2本少ない13.2本だ。
敵がまともだったのかよほどツイてなかったのか。
結論として守備は上位を争う水準に遠く及んでいなかった、と言える。
また、余談だが改めて優秀選手賞、更にはベストイレブンの選出方法は甚だ疑問を感じる。
今季のJ1リーグで遥かにピンチを迎え、それを凌いでいたのは一森であり、監督、選手によるあいまいな印象で決めるべきではない。
<マスカット>
引用元URL https://x.com/prompt_fmarinos/status/1734925415192662412
22シーズンはプレータイムマネジメントという5人交代制の時代における1つの回答を見せる手腕を発揮しリーグを制覇した。
しかし、ゆえに、彼が率いるチームは属人性が低い状態を維持しなければならなかったのではないだろうか。
攻撃の項目で記載したように、今期のマリノスは”3人”に依存度が高く、その内誰かが欠けると急速にパワーダウンしてしまう、属人性の塊のようなチームだったのではないだろうか。
それはつまりマスカットが昨季みせた手腕と最も相性が悪い、彼の特徴と相反する状態であり、戦力編成だった。
またマスカット自身も対応力の無さを露呈した。
途中就任した21シーズンは戦力の把握、整備に時間を要し、シーズン後半の重要なところで、選手の交代によって明らかにチームが失速する場面が何度もあった。
プレータイムマネジメントを重視するあまり、交代によって起きる効果、選手の組み合わせに無頓着な所がある。22シーズンは戦術的な優位性が維持された上で、充実した戦力というバックボーンがあり顕在化しなかった。
水沼の起用
そして今季、この煽りを最も受けたのが水沼だろう。
昨シーズンは正にチームの中心として活躍を見せたが、それは全てエウベルとの組み合わせ、エウベル居てこその水沼だったのをマスカットはどれだけ理解していたのだろうか。
5月3日の鳥栖戦でヤンが右ウイングでポジションを掴むと、水沼はエウベルと交代で試合に入る事が多くなった。
水沼は今季リーグ戦で7アシストしているが、5アシストは先発でエウベルと同時起用されていた4月までに記録しており、残りの2つも16節のFC東京戦、17節の柏戦と相手にレッドカードが出てからの物だった。
以降、エウベルと交代がメインになる6月からシーズン最後まで水沼がリーグで記録したゴール、アシストは1つもない。使われる環境が変わるのだから、右ウイングの交代枠にはエウベルの助けがなくても活躍できる選手を模索するべきだった。
植中の起用
セカンドトップは何が正解か誰にも分からない中で、唯一可能性を見せたのが福岡戦で先発に起用された植中だった。
元から西村よりもデュエルに強く、試合でも自陣ビルド時にパスレシーブからのドリブルで得点を演出、下がるロペスとの連携でラインブレイクし自身もゴールを決めるなど、文句の出ない出来だった。
特に驚いたのが、今期悩みの種だった左サイド問題に一定の解決を示した事だった。今季はエウベルの守備意識がルーズで、左サイドでは数的不利で守らないといけない状況が多く発生していた。
ところが植中にはエウベルの穴を補填しようという明確な意思があり、1週後にルヴァンカップで浦和を破壊する福岡の主武器である右サイド攻撃を封じる事に成功。
この試合は23シーズンでセカンドトップが唯一機能的に輝いた試合だったと言っても過言ではなく、その答えが攻守に渡って周囲とリンクできる選手、と分かった
…筈じゃないのかマスカット?
その後の冷遇は理解に苦しむ所で、常にロペスの保険である6人目としてベンチに座り続けた…。
残念だけど終わりだよ サイクルの終焉
今期は多数のケガ人が出る不幸なシーズンでもあり、口には出さなかったが選手の入れ替えにも大いに不満があっただろう。監督の立場から言い訳にできる要素は沢山ある。
一方で、シーズンを通して守備の問題を解決できず、更には2度の新潟戦は象徴的だが、ルヴァンカップ準決勝の浦和戦でも、試合中に相手の変化に対応するという事が全く出来ないのがよく分かった。
対応力がある監督を相手にすると後半完全な劣勢に陥る事が何度も発生した。
更に、プレータイム管理による手腕を発揮するには確立された優れた戦術的ベースと、妥協なき2チーム分の戦力が必要であり、微修正で対応する選択肢もあったが、サイクルが終焉を迎えるのも納得の結果と言える。
上海のチームと5億円で契約、更には自ら鹿島や浦和に売り込みをかけていたという報道もあった。
思い出の話ではなくビジネスの話をするのであれば、ピッチ上での出来事を冷静に見て、より高い報酬を求められても、残念ながらそこまでの高額を払う必要があるとは思えない。
俺たちのセビージャでELを何度も制し、現在プレミアリーグを席巻するウナイ・エメリの半額が欲しい?
流石にそれはちょっと高望みでは…
最後に
さてデータとして何が起きたのかだけをベースに振り返っても、9000文字に迫る内容となってしまった。
23シーズンを振り返ると1つは広島という正解が示された中で、来期に向けてマリノスとして何を選択していくのか。
そして継続を選ぶにしても、今季は未整備さが目立つ結果になった準備段階での選択肢の用意と、試合中の対応力、この明確な課題を解決可能な監督を含むコーチ陣を探し出せるのか。
新たな構想に進むとなれば戦力の再編成も考えると、2か月という時間がとても短く感じるオフシーズンになりそうだ。
さて、現状で来期のスカッドは監督すら定まっていないので自由研究の様な内容になるが、次回は皆大好きな話題、24戦力編成について予定している。