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横浜Fマリノスの意思決定プロセスを整理します

横浜Fマリノスについて、フロントがどうの、シティ派と日産派がどうたら、何の根拠もない適当な推測の流言が目立つので、

 

2015年にNewspicksが行ったCFG(シティフットボールグループ)の日本法人、シティ・フットボール・ジャパン株式会社マネージング・ディレクター、現横浜Fマリノスチーム統括本部長の利重孝夫氏インタビューを元に、

 

それらのいい加減な情報に対して反論します。

 

※ 2016年4月エグゼクティブアドバイザー(社外)就任を経て現職

 

Newspicksインタビュー

 

 

newspicks.com

 

newspicks.com

 

newspicks.com

 

 

CFG マリノス参画の経緯 おさらい

 

 

大前提として、CFGがマリノスの経営に参画する経緯は、以下の通りです。

 

 

 

「Fマリノスは持続可能な状態ではなかった」 カルロス・ゴーンCEO

 

toyokeizai.net

 

マリノスにこれ以上の宣伝広告費は会社として損失なので出せないが、シティに出すならグローバルな宣伝効果として出せる、規模は差こそあれ何処の会社でもありそうな名目が重要なお金の流れを感じます。

 

日産スポンサード → シティ → CFGとしてマリノス株を購入 → 日産が得た株の売却益 → マリノス債務超過解消

 

 

この辺はファイナンシャル・フェアプレーの規定で大目玉の罰金やCL選手登録制限を食らっていて、スポンサーを増やす必要性を感じていたシティの事情もあります。

 

正に三者の思惑が合致した、日産、シティ、マリノス、三方良しなシェイクハンドで、マリノスは冗談抜きで消滅の危機を脱しました。

 

 

考えてみて下さい、カルロス・ゴーンですよ、親会社が日産だから大丈夫だろうなんて言える相手ですか。

 

CFGがいなければ今どうなっていたのか、と想像以上の危機だったのを、チームに関わる全員がこの際、知っておかなければなりません。

 

 

 

 

マリノスは何を目指しているのか

 

上記した東洋経済によると、日産からの赤字補填が止まったのが2009年1月。 ここからの5年で単年黒字化とCFG参画による累積赤字の解消が達成されたと言えます。

 

そして、前体制はいつ累積赤字に転落してもおかしくないマリノスというチームを、CFGの一員として抜本的な改革を始めるスタート台を作った段階で現体制に移行したと言えます。

 

 

続いて、現在の新しい体制が目指しているのはリーグを牽引するような大都市の人口に支えられたビッグクラブ、それは ② のインタビューで利重氏が以下に語っています。

 

『シティ・フットボール・グループ』にとって、クラブ経営はイコール、ビッグクラブの経営です。

だからこそニューヨークであり、メルボルンであり、横浜なのです。

 

 

更に、同じく②より、その構造は下記のようにとてもシンプルに考えているようです。

 

投資をして、チームが強くなって、サポーターが増えて、それが入場料収入につながる。さらにスポンサー収入、放映権収入が増え、選手の強化や育成を後押しできます。その正の循環をつくれれば、自ずとビッグクラブになると考えています。

 

彼らはタレント的な水ものな人気よりも、継続性を持ってチームが強くなるかを最重要視していると言えます。

 

 

 

 

どうやって強くするんだ

 

この辺は話題になっている部分であり、様々な憶測が飛んでいる部分と言えます。

 

ですが、インタビューの主に 記事③ にてその構造は全てオープンにされています。

 

 

・ シティグループには マーケティング(スポンサー)、選手補強、社会貢献の組織が3つある。

 

英国にあるチームがメルボルン、ニューヨーク、横浜を見る事で、全シティグループでノウハウ等を共有化している。

 

・ シティフットボールジャパン(CFJ)の役割はコンサルティング

 

現在はCFJの利重氏がチーム統括本部長ということで、他のシティグループ同様によりダイレクト化

  

・ 選手のデータ分析が細かくて凄い

 

嘉悦社長(当時)「正直、本当にびっくりしました。向こうでデータを見せてもらったのですが、とにかくデータの密度、検索機能は、日本とは比較できないレベルでした。」

 

「言えないことばかりですが、選手の属性、特徴などです。あのレベルを日本に持ち込むと、カルチャーショックみたいなのもあるはずなので、まず消化不良を起こすでしょうね。人間は、情報が多すぎると判断できない生き物です。まずはフィルターを通さないと。」

http://diamond.jp/articles/-/54477?page=5 より

 

 

まとめると、よりシティのやり方を理解している利重氏が中心となり、グループの持つ世界最先端な情報処理を用いて、チームや選手のパフォーマンスや能力を分析、活用するメソッドを採用していると言えます。

 

私としては彼らの仕事の結果を数年は待ってみたいと思わせる可能性を感じました。

 

 

 

 

意思決定プロセス

 

 

この辺は本題の一つと言えます。

 

先ず、アデミウソンの獲得について、③にて、これはマリノスかシティ、どっちの仕事か、と問われた利重氏は以下のように回答してます。

 

マリノスとシティ、どちらが決めたかということではなく、すでに一体化しているんです。

 

 

『誰が決めたのか?』ということではなく、『シティ・フットボール・グループ』の中のマリノスとして決めたんです。使える資源を最大限活用するということです。

 

この点では、すっかり期待を裏切ってしまったカイケもCFGに一定の責任があると言えます。

彼もデータ分析上は問題が無かったのでしょう。

 

ただ、アデミウソン、カイケ、マルティノス、で見ると、ろくに獲得すらしてこなかった、ここ数年のマリノスを考えると悪い勝率ではないと言えます。

  

カイケは金額も大きく粗大g…さっさと売れるといいのですが、どんなに優れたメソッドでも、結局は失敗ゼロはあり得ないし、

 

確率と精度の比較論がテーマであり、それがプレミア他で既に一定の成果を上げているメソッドである点は事実です。

 

 

更に、CFGとマリノスにおける意思決定がされる場として、②でこの様に紹介されています。

 

マリノスさんはビデオ会議のために、数百万円もする機器を導入しました。イギリスの朝、つまり日本の夕方にビデオ会議や電話会議を行なってます。

 

会議の参加者は、マリノスの強化部長、監督、私、それから向こうの分析担当、スカウト…。ほぼ毎週のように会議をやっていますね

 

ビデオ会議にしては高いなと思いましたが、説明によると、いつでもどこにいてもスマホで参加できる24(ジャック・バウアー)の世界みたいな機器かと思われます。

 

 

ただ、議長が誰か、意見が分かれた場合に誰が最終決定をするのか、詳細は述べられていません。

 

ですが、一旦CFG抜きで決まった話が、後々CFGの意向でひっくり返されるなんて、構造上発生しない のがよく解ります。

 

 

いつ会議が入るか分からないので、夕食のアポイントを入れられなくなりました(笑)

 

と言う体制が作られている状態で、次の監督、なんていう重要案件がCFG抜きで決まるというのは真実とかけ離れた何も知らない人間を騙す為のおとぎ話ではないでしょうか。

 

 

 

 

社長と利重氏とCFG

 

シティが何故、中国ではなく日本を選んだのか。

 

この辺が、利重氏はJリーグに対して、健全な整備されたリーグであると述べてますが、このインタビュー ① を読むと、利重氏と、元バルセロナ副会長にてCFGのソリアーノCEOとの関係が重要だったんじゃないかと感じました。

 

この点、消滅の危機という経緯を経たマリノスにとって、彼がインタビュー当時よりも、より深くマリノスに関わるようになったのは良い傾向に思います。

 

資本関係的に、今後も数年に一度、頭というか社長は代わると思うのですが、今までと異なるのはCFGという一貫性を持ったメソッドが存在することで、真の意味で中長期ビジョンが持てるようになるのではと期待しています。

 

 

 

夢は見ておこうか

 

オリンピックの為に作られた総合競技場、結局、オリンピックの招致に失敗、その後継続して使うのは地元のプロサッカーチーム。

 

日産スタこと横浜国際競技場ではなくて、シティのホーム、エティハド・スタジアムの話です。

 

CFGの前ですが、陸上トラックを撤去してサッカー専用スタジアムに改修したんですよね。 なのでノウハウは持ってないかもしれません。

 

 

そもそも、スタジアムは行政の協力が必要な案件で、これは正に横浜Fマリノスが横浜で生まれ育った人、暮らす人々にとって、明日無くなったとしたら困る存在になれるのかどうか、がテーマとなります。

 

格好いいからとフランスの歌をテーマにしていて、今以上に横浜市民にシンパシーを得られるのか、YSCCが、市民なら教わってない筈なのに何故か歌える市歌を流してるのを見てやられた気分になったのは私だけでしょうか。

 

エンタメ路線な、もっとノリ易い簡単な曲、例えば昨今の欧州では猫も杓子もホワイト・ストライプスのアレだったりするのも、本場感覚で参考にしても良いかと思います。

 

まぁ根性で、30年は流し続ける覚悟があるなら、どんな曲でも定着するとは思いますが、そこまでやりきれる覚悟でしょうか。

 

 

 

何より、CFGとしてやはり投資が回収できるかどうか、これも重要となります。

 

インタビュー①にて

 

はっきり言わせてください。私たちは(マリノスを)買収するつもりはありません

  

買収をするには、市場や商品に魅力がなければいけません。(Jリーグが)今どうなっているのか、ということを考えれば分かると思います。

そういう可能性があるのなら、われわれだけではなくて、いろいろなところが手を挙げて要望すると思います。では、現状どうなっているのか? 自ずと答えは出ると思います。

 

 

つまり所有という段階ほど買う価値=回収可能なビジョンは見えてなかった。

 

とてもスタジアム改修に100億円がポーンと出る情勢ではないと言えます。

 

チームとしても先ず、前日産体制における負の遺産として練習場の問題があり、当分は余裕が無さそうです。

 

個人的には大黒埠頭の公園を再開発するか、追浜を越えて、横浜最南端部となる関東学院の裏の山に秘密基地を作り、寅神の銅像を建立し、通称は虎の穴と呼ぶのが良いかと希望だけは申し上げておきます。

 

一方で、スタジアム自体は鉄筋コンクリ物件として来年にはもう築20年が経つに辺り、底が抜けたのに予算も付けられなく修理できず、稼ぎ時の夏を放置された本牧市民プールの二の舞いと成らぬよう、その時へ向けてマリノスはビッグクラブへの道を歩み始める必要があります。

 

 

また、この話を締めるとしまして、今後、彼ら(CFG)の仕事は検証と評価をキチンと成されるべきだとして、それ以前に気に入らないから仕事の邪魔をする、と言うのは背任行為以外の何物でもありません。

 

現時点で、彼らのやり方、考え方、目指すものは論理的であり、何より紹介したように堂々と公開されています。

 

この点、ろくに表にも出てこれない上に、チームの名誉を何とも思っていない愚かな卑怯者より、彼らは遥かに信頼ができる、正にマリノスというチームのフロント(あえて最前線の意)だと言えます。

 

 

チームの名前はFマリノスではなく、冠に横浜を付けてる意味をどう理解しているのか。

 

チームの名誉を貶める事、それは横浜という街であり、そこに住む人であり、サッカーだけの話じゃ済まない事を理解しなさい、ということです。