横浜F・マリノス ファン

横浜F・マリノスを応援するイチファンによるブログです。

横浜・F・マリノス マルティノス先生から学ぼう

マルティノスがパスを出さない?

 

そんな声を加入以来、聞く事が絶えないマルティノスだけど、彼の方が正しい判断をしているという視点が必要ではないだろうか。

 

 

マルティノスの行動様式

 

フローチャートでロボットの思考回路を組み立てるみたいなゲームをやった事があると分かりやすい説明です。

 

状況① ファーストタッチでゴール方向に向けるパスを受ける、尚且つ、数的に同数で対峙(つまり1対1)。

 

1,先ずドリブルを仕掛ける。

 

 1-1 成功

   → 次の段階として、更に自身が決定的な仕事を担うアクションを継続する

 

 1-2,失敗 時間を使ったが相手を剥がす事が出来ない

   → 周囲との連携、及び利用、再起動

 

 1-3,大失敗及びその可能性 ボールロストのリスクが発生、又はその可能性が高い数的不利に陥る

  → パスで逃げる、サイドラインに逃げる

 

【要点】1か2ではなく、あくまで先ず1択、その結果により分岐する。

 

 

状況② 相手を背負った状態でパスを受ける

 

2-1,ボールキープ、サポートを待つ

2-2,持とうとしないで次の展開に動き直す

 

【要点】こちらは2択、攻撃の速度が加速している段階なら2,遅い段階なら1が多い。

 

これを踏まえて見ていると、実に、彼は自分のルールに忠実に動けているのか解ります。

 

ブレがない。

 

 

状況①

 

 

 

http

s://twitter.com/Speir_s/status/91437015329

状況②

 

 

 

 

マルティノスの判断

 

ではその選択肢の結果として、上手く行かないことが多いのですが、果たしてそれはマルティノスの責任なのか。

 

天野、山中の判断と、マルティノスの判断、について、ボールをロストしない事や、クロスを上げる事ではなく、目的であるゴールの確率を高めるのはどちらなのかを再確認する必要があると考えます。

 

 

ガンバ戦であった象徴的なシーン

 

 

 

これはマルティノスが右にいても、度々、起きてしまう、結果として、マルティノスがチャンスを潰してしまった様に見えるシーンです。

 

ですが、マルティノスの行動様式を理解し、その意図を汲み取る事で、ゴールが少なすぎる現状を大きく打開するだけでなく、天野や山中は、プレーヤーとして飛躍する事にもつながります。

 

 

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マルティノスを皆がフォローしすぎて、失敗した図。

 

チームとして、もっと良い条件でドリブルでの打開(1対1)をさせる為にはどうすれば良かったのか。

 

 

 

私が思う この局面で天野が優先するタスク

 

 

前回の記事でも書きましたが、セカンドトップとして最優先するのはゴール前のスペースで、サイド補助ではないのですが、このカウンターが決まるかどうかの局面でも、ゴール(得点)の可能性を上げる為の判断にミスがあったと思います。

 

 

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彼が近寄らないことで、同時にセンターバックを引き剥がし、マルティノスにスペースをもたらす事にもつながります。

 

フォローしないことがフォローになるという理解であり、やはり、役割の優先度として、チャンスメイクよりもゴールなんだ、と考える必要がありそうです。

 

 

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エリア内が数的同数の所へ、発射されるマルちゃんミサイルの図。

どうです、ワクワク感ありませんか。

 

  

山中の動くタイミング

 

この局面において、これは右の松原も良くありましたが、絶対にマルティノスからはパスが出ないタイミングで、オーバーラップしてしまっています。

 

 

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再度、失敗の図を見て考えますと、逆に、マルティノスがサイドラインに勝負できるスペースを奪ってしまいました。

 

これにより、カットインの1択しかなくなったドリブラーを止めるのは難しくない、と相手の守備を助けてる事になっています。

 

 

ここで、山中がどう動くのかは、マルティノス次第となる理解が必要です。

 

 

例えば、マルちゃんがカットインを選択したら…

 

 

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サイドバックを吊り出して、開いてるスペースへオーバーラップ

 

 

逆に、縦を狙ったら…

 

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ダメだった場合にアーリークロスをダイレクトで蹴れる位置

 

 

そして時には大失敗に備えてのリスク管理

 

 

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アカン…カウンター食らう

 

 

彼らは全員プロ、つまりは専門家であり、例え年齢が若かろうが、私のような趣味の素人が偉そうにダメ出しをする事は、本来、おこがましい行為です。

 

ですが、上手く行かないのは、個人の問題ではなく、あくまでチームであり、マルティノスが悪目立ちしてしまう部分はあるかもしれないですが、あまりにもファンやサポの間でもマルティノスに対する理解が進まない事もあり、書きました。

 

 

彼がサイドアタックの国、オランダで育ち、育成年代別代表も経験し、プロとしても150試合近いキャリアを持つ、正にサイドアタックの専門家である点を強調したいです。

 

 

マルティノスが正しいんじゃないか、という視点は、プロとしてのキャリアを積み上げ始めたばかりの天野や山中がマルティノスに合わせる事で、最適解や、定石を身に着ける事で、プレーヤーとして大きく成長するチャンスであると考えています。

 

 

横浜・F・マリノス 進歩の現在地

理想的なゴールが再現性を持った上で決まった、セットプレーからも得点できた。

 

枠に飛んだシュートのプロセスを見れば、2-1こそが順当なゲームであったと私は思うし、

アンラッキーがフットボールの一部であるとしても、ドローで勝ち点1は得られる筈であった。

 

少なくない賞金(DAZNマネー)を睨む争いをする上で、手痛い結果となったゲームではあるが、好調と不調、上位と中位の分水嶺にいるチームにとって、今後の指針が見えた甲府戦と言える。

 

 

モンバエルツのコンセプトと進捗状況

 

ボールを保持して素早く攻める、監督のメッセージはシーズン当初よりブレることがない。

 

この点において、明らかにピッチ上で監督の意図が反映され始めた昨秋以降、チームには確実な進歩があるのは間違いがない。

 

中断明け、勝負の9月、ディフェンス時のディティール的なミスから自滅してしまった川崎戦は残念であったが、今季一回目の対戦ではボール保持練習の稽古をつけて頂いた様な、お粗末な内容に終わった柏に対して、パーフェクトな45分を見せつける等、チームとして伸びを感じる部分は間違いがなくある。

 

この甲府戦においても、リスクを感じるような自陣でのボール保持から、一気にマルティノスペナルティエリア内でシュートを打つシーンに展開する等、偶発的にロングカウンターが出来た時は良い攻撃が出来る、だけではなくなっているのを多くの方が感じているのではないだろうか。

 

その一方で、リスクに見合うメリットが得られていないボール保持と攻撃、というのが、あるように思える。

 

 

スピードアップ出来ない左傾斜の袋小路

 

多くの場合は、崩せたと言うか、ゴール前にパスを送れたとしてもこういう形であり、この軌道を描くクロスが出るのが、左傾斜なマリノスのフィニッシュシーン。

 

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これは肝心のウーゴが得意なパターンではない上に、そもそも形として、ファーストトップはニアで潰れ役になる確率が高い。

 

なので、クロスはファーに流れる、又はニアを囮にその裏を狙うとして、マルちゃんはそこまでクロスに合わせるのが上手い訳でもない。

 

じゃ、中町上がれよと言っても、扇原まで左に出動してしまってる中ではリスク管理上、クロスに合わせるタイミングでそこにいるのも厳しい。

 

クロスを上げて惜しいシーンを作ってるというよりも、敵にコントロールされた結果として、深い位置からのクロスで勝負せざるを得ない形にされている様に受け取れる。

 

つまり、この形で終わることが多い事を鑑みるに、その実効性において、マリノスの左サイド攻撃は本当に上手く行ってるのだろうか、となる。

 

山中がレギュラーポジションを奪取した勢いと共に、存在感を増した事で、左へ大きな傾斜が起きているのは、誰の目にも明らかだが、スピードダウンによる相手の準備時間と、それに対する枚数不足という意味で、決定機に中が空洞化する問題から、労力とリスクに見合うほど、成果を上げていないのではないだろうか。

 

 

モンバエルツの寛容さと理想

 

モンバエルツは特に攻撃に関しては自由を許容する部分があると思う。

 

この点で、いわゆる ティキ・タカ(狭いスペースに集まった選手による連続的なショートパスでの攻撃という意) が好きな選手が左サイドに集まって、即興に興じるのを許している部分がある。

 

許しているとはどういうことかというと、本来は、相手の陣内(ピッチに対してではなくDFラインに対して深い位置)に入った段階でのスピートUP(チェンジ)を彼は理想としているが、攻撃に関しては選手の自主性を尊重している懐の深さを感じる。

 

だけれど、それも時に我慢の限界を迎える。

 

絶対に勝ち点が欲しいゲームで0-2となった瞬間にモンバエルツは動いた。

 

この時、デゲネクが下がっただけではなく、ウイングが左右配置転換をしたのは行き過ぎた傾斜(自由)を修正するものだと考える。

 

 

少し遡り失点シーンをみると、もちろん、デゲネクのミスは個人の物だが、あまりに選手が左に密集し、その傾斜により左サイドでしかボールが動かない状況になってしまった一連の結果でもある。

 

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センターバックタッチラインを越えてサイドに張り出している中で、バックラインに入ってボールを受けた中町はデゲネクにパスを預けると敵陣へまっすぐ突進、この時、扇原も左側で高い位置にいる状況。

 

片サイドの狭いスペースへミッドフィルダー全員が集結していく様は、ティキ・タカという幻想へ、全員が引き寄せられていくようなシーンであり、最終ラインで受けた中町の選択肢としては、自身はリスク管理で最終ラインに残った上で、攻撃サイドを転換する事での加速化を試みるのが妥当だったと感じる。

 

 

再現性のあるパターンゴールが決まる

 

ウイングの左右配置転換から、僅か数分でマルティノスは決定的なクロスを2回蹴り、その内一回が決まった。

 

今季2回目のホーミングなクロスからゴール。

(90年代後半、マンチェスターユナイテッドベッカムのクロスからコール&ヨークがゴールを量産した時代にベッカムのクロスをホーミングミサイルに例えられたが、クロスの軌道が似ているのでそう呼ぶ)

 

 

 

 

 

マリノスのゲームを今期見ている人なら、直ぐに清水戦のアレが思い浮かぶだろう。

 

この時、0-2となったこともあって、甲府のDFラインはとても深く、ハーフラインを大きく越えた所でもマリノスは容易にボールを保持出来る状況であった。

 

故に加速化出来なければ、最終局面でスペースが無い&数的に不利という状況において、マルティノスは、タッチライン沿いでマークを外して山中からボールを受けると、直ぐ様に対面のサイドバックに1対1を仕掛け、縦に突破するや速いクロスをゴール前に送った。

 

正に、確かな技術は元より、タイミングと物理的速度の両方で、彼が攻撃の加速化を行った結果、スペースと局地的な数的同数が生まれたと言えるゴールだった。

 

勿論、それを完結させる、ウーゴの得意な形になった時の決定力というのも素晴らしいが、何より、この再現性こそが、監督の意図する物、戦術が生み出すゴールと言えるのではないだろうか。

 

 

攻撃の加速化

 

ロジティクス部隊が弾薬の確保と供給を行い、ウイング&セカンドトップの1.5列目はそれを最終局面へと、同速度ではなく、加速化した上で発展させる、又はそれを意識させて囮にして迂回路(サイドバック)を使う、モンバエルツの意図は明確だ。

 

だからこそ、今は代表で地球の反対側に何度も呼ばれた結果、コンディションを落としているが、開幕戦から数試合はターンとドリブルに優れたバブンスキーが真ん中担当(セカンドトップ)であったのも頷ける。

 

この点、齋藤の課題はシュート数に対するゴール数(つまり決定力)だけでなく、ゴールまで距離があっても攻撃としては最終局面と言えるトップスピードでボールを受けれるロングカウンターとは異なり、対面する相手の前でボールを受けた後に、加速化させる部分でも期待に応えられていない。

 

打開を期待する選手として、遠藤は縦への勝負に徹する事で、個人での加速化において優位性を見せることができれば右サイドでポジションがあるかもしれないし、私は彼が、この終盤戦に必要なオプションになると考えている。

 

他に、甲府戦で出番が来た様に、評価が高まっているシノヅカは、どちらかと言うとトップ下で天野の競争相手ではないかと感じた。

 

天野というと、主力としては事実上のルーキーシーズン、奮闘をしているが物足りなさも感じる。

 

現状で、中央からの攻撃が不足している理由にはロジティクスだけでなく、セカンドトップである彼が仕事の優先度として、ウイングと同様に、アタッキングゾーン中央において、

 

マークを外してボールを受けるか、又はターンして1対1を仕掛けるなど、加速化を試みた上でスルーパスやワンツー、ミドルシュートを狙うプレーをもっとしなければならず、現状では成功失敗を問わず、そもそも、それらを試みる回数が物足りない。

 

今のシステムで優先度を考えると、サイド攻撃の補助は2番目以降の仕事であり、彼にはFC東京戦のゴールみたいなプレーが1試合で何回出せるのか、という、例えば日本代表で言えば香川の様なプレーモデルをテーマに持って貰いたい。

 

 

 

 

かつて代表監督時代にトルシエがアレックスに言っていたフレーズが思い出される。

 

『君は45分で3回はそういうプレー(飛び出してボールを受けクロスを上げる図を指差して)をしなければいけない、見せないといけない、解ってるね。(byダバディ)』

 

ロジティクス部隊がボールを保持してハーフラインを越えた時、ウイング、トップ下、チームの攻撃を加速化させるキーパーソン、彼らが45分間で何回、最優先事項の仕事をしたのか。

 

評価の第一ポイントはそこに置きたい。

 

 

パスを回して相手を崩すというのは面白い、それには魔力が有るし、楽しく勝てれば最高だ。

 

だが、面白さよりも優先度を持って追求しなければならない物があるのを忘れてはならない。

 

例えば、皆さん鹿島は凄いと簡単に言うが、その中身として、点が必要な状況ではサイドバックアーリークロス蹴るだけなんだけど、それに必ず3人が飛び込んでいる、みたいな地味で面白くない攻撃を淡々と繰り返す攻撃が行われているのを知ってのことだろうか。

 

「攻撃とは、結果が出るまで繰り返す行為の呼び名である」とは手段が目的化してしまいがちな本質を突いた言葉であり、つまらない行為であっても、徹底的に、相手が折れるまで繰り返す精神的なタフさこそが、勝負強さと言われる物の根源ではないだろうか。

 

マルティノスや山中が延々とクロスを上げ続けるだけの攻撃が繰り返される光景、今のマリノスには、まだ、そんな、クンフーの精神に通じる様なタフさはない。

 

 

ブーイングでチームは強くならない

対戦している相手選手や審判に対する物ではなく、自分の応援、サポートするチームに対するブーイングについて論じる。

 

一般的に、ブーイングとは観客による不満の意思表示である。

 

お金を払った権利において、演目の内容や演者に対する批評として、「つまらない、気に入らない、納得がいかない」を、その場で示す必要があった時代に生まれた物だ。

 

故にブーイングという行為は、有料の観客であれば誰もがやっていい行為であり、そもそもとして行為そのものを罵倒や文言は別として、悪い行為とは考えない。

 

 

一方で、私の様なファン、お客さんではなく、サポーターを名乗る立場でありながら、試合後には批評側になる行為は矛盾を感じる。

 

それは、12番目の選手を自称し、つまり共に闘うチームの一員であると、勝つ可能性がある時は向こう側に属していながら、負けた途端に、お客さんに戻り批評者になる、というのは筋が通らないと考える。

 

共に勝ちたければ、負けた責任も共有しなければならないし、その覚悟はないのだろうか。

 

ブーイングをする前に、自身の立ち位置は何処にあるのか、自覚が必要だ。

 

 

次に、この論に対する反論として出てくるのが「チームが強くなる為には時に厳しいネガティブなリアクションも必要」という物だ。

 

その根底にあるのは、拍手等の労いだけでは選手たちが甘える、という考えがあると思われるのだが、よく考えてみて欲しい。

 

それを是正する為に、サポーターからのブーイングが必要なチームって、強くなる訳がないじゃないか。

 

先ず、専門的にテクニカルな修正が出来るとして、ブーイングという不満を伝える行為でそれが出来る訳ではないし、サポーターにブーイングされないと、やってしかるべき当然の対応が出来ないチームが強くなる訳ない。

 

つまり、強くなる為にはブーイングが必要だという条件設定が、正当なスキームが崩壊している、更には選手が負けても叱責されないと甘えるという、メンタル的な部分まで崩壊している訳で、

 

その条件設定の段階になった時点で、スタンドから何をしようが、もう一旦落ちる所まで落ちて、ゼロからのリスタート、再構築が、つまり経営的判断が必要な段階と言え、どの道、効力を発揮しないのである。

 

 

 

勿論、サポーターであっても、同時にお金を払ったお客であるのだから、ブーイングしたければすればいいだろう。

 

その際に、『こんなチームのサポーターなんてやってられるか、俺はお客として、金を払った権利において不満を伝えなければ気が済まない』とは言えないので、大義名分として「チームが強くなる為に」が必要とされると考える。

 

ただ、既に上で述べたように、ブーイングはチームを強くしない、風が吹いても桶屋は儲からない、論理がつながらないのである。

 

チームの一員であるのであれば、時に我慢を強いられる。

 

そこで我慢できずに、不満を意思表示したければ、ただ行えばいい。

いつでもドアは開いていて、お客と支援者の間を行き来するのは自由である。

 

「今日はもう我慢ならないので、お客として物言わせて貰いますわ」だけでいい。

 

『あいつサポーターとして共に闘うと言ってたのに、負けたら責任は背負わないのかよ』という批判を自身が甘んじて受ける覚悟が必要だというだけなのだ。

 

そこで自分だけは綺麗でありたいからと言って、チームが強くなる為にという大義名分を用いるのは、それこそ甘さであるし、甘いからこの様に私から批判を浴びるし、筋が通らないのである。

 

 

横浜・F・マリノス アシンメトリーな齋藤学の復活案

マリノスが抱える問題、実験の結果見えてきたパーツを組み合わせて解決策を模索すると、アシンメトリーな関係が浮かんできた。

 

ここ2試合、都合でオンタイム観戦出来なかったのですが、その間に結果だけは復調傾向にあるマリノス

 

そう結果だけ。

 

ここで、シーズンインからの好調にブレーキをかけている理由として、昨秋からのマイナーアップデート(微改修)ではなく、メジャーアップデート(全面的な大規模改修)を敢行している事にあるのは明白である。

 

これにより、現状では、まるで”1年目のチーム”が行うようなゲームを繰り返している…最も、メンバー自体も大幅に入れ替わっているのだが。

 

取り急ぎ、これでどうにかならないだろうか、という案が見えてきたので、あくまでも可能性を妄想して楽しむのもサッカーにおける楽しみ方の一つである、という前提で、ここに書く。

 

 

齋藤学をもっと活かしたい

 

昨秋に、解っていても止められない活躍を見せ、今季はさらなる飛躍を期待した人も多いだろう。

 

その期待値からすると、現状は明らかに物足りないものであるのは明白であるし、それはコンディションの問題だけでなく、

チームの意図としてロングカウンターの頻度を落とし、ショートパス中心でビルドアップに手間をかけた、ボールを長く保持する攻撃に切り替えるという大規模改修を始めた事で、活躍しやすい環境が提供されなくなった事に関係している。

 

その結果として、確か一昨年までの齋藤学はこんな程度だったよな、という状態だ。

 

せっかく見つけたレアメタルを手付かずにしておくのは惜しまれる。

 

 

右か左論争

 

清水戦では齋藤の偶発的な怪我により、左でマルティノスが終始プレーし、マリノスがゲームで迎えたチャンスと決定機の殆どに絡む活躍を見せた。

 

これにより、マルティノス左という可能性が無視できなくなった事により、かと言って齋藤を外す訳には行かないので右に置くか、はたまたトップ下に入れるか、という、まさかの10番ポジション難民問題が浮上してきた。

 

ただ、私としては右もトップ下も、それほど良いと思わない。

 

特に今チームにおけるトップ下というタスクは、完全にインサイドでのプレーを意味し、2010年ワールドカップにおける日本代表の左サイドで、香川じゃなくて齋藤の方がウイングとしては適切だろ事象の逆が起きるだけだ。

 

更に、清水戦で、いくつかの発見もあった。

 

 

ウイングと9番によるツートップ

 

・ 齊藤の守備負担を減らし高い位置に置きたい、但しあくまでも左サイドタッチラインが主戦場

・ マルティノスも左に置きたい

・ 清水戦で 天野、扇原、松原の関係性が良かった

 

諸々を織り込むとこの様な形になった。

 

 

 

マリノスは4-2-3-1と言われる(公式もスタメン発表をその形で行う)が、それはタスクとしてその配置であり、実際にゲームを見れば、守備時には4-4-2なのは、既に多くの方が知っている事だろう。

 

この為、スタートポジションとしてわかり易い、4-4-2で記載した。

 

特徴的なのが、ただのFW起用ではなく、現在トップ下の選手が、守備時には上がり2に入るのと同じく、あくまでもウイングとして守備時には中央に絞るイメージになる。

 

これによるメリットとして、先ずロングカウンターの時点で凄まじい威力を発揮する事になるだろう。

 

齊藤とマルティノスは感覚が近く、絡んだ瞬間は絶妙なコンビネーションを見せることがあったのだが、如何せん左と右と両翼の関係ではその機会も少なく、セットプレーからのカウンター位しか、その機会を見ることがなかった。

 

 

 

だが、この配置になることで、2人の関係は密接になり(スポーツ的な意味で他意はない)、例えば齊藤がちょっとキープ出来ればマルティノスが唸るようなスプリントで飛び出してくる、更にはマルティノスが特にボール運びをしてる横に、それは正にカットインプレーのスタートポジションで齊藤が待ち構えてる、一人でもやばい奴が2人いる、Jの歴史上最強の左サイドが実現するだろう。

 

 

 

更に、ビルドアップ時に、齊藤が苦手なインサイドでのプレー、特に相手を引きつけた状態でパスを受ける半身のプレーは粘っこいプレーでデュエル勝率も高いマルティノスに任せ、ウイングの位置でビルドアップには参加しないで済む。

 

例えば、昨季の絶不調からアザールが今季立ち直り絶好調なのは、正に今、齊藤が不調になっているのと似た理由からで、これにより復活する環境が整うだろう。

 

あえて似たポジションが好きな2人を近い距離に配置し、渋滞を作り、渋滞と言う名のケミストリーを期待する。

 

 

プレーメーカーとアタッカー

 

清水戦の後半、守備的な事情から5バック化した際に、天野が右サイドに移動したことで、見られた関係性であり、適正の差。

 

扇原がマリノスプレーメーカーとしての優秀さを徐々に発揮しつつあるのは多くの方が認識していることだろう。

 

同時に、天野にそれを求めている人は物足りなさを感じているのではないだろうか。

 

これまで、それほど多くはないが、ゴールに向かうアタッキングサードのプレーで惜しいシーンを幾つか作り出しているのが思い出される一方で、チームが苦心しているビルドアップの局面では、扇原と比べ天野には何の印象もない。

 

トップ下というポジションでは無くすことで、苦手なタスクから開放する事で、よりアタッカーとして活躍する機会を与えた方が、チームにプラスになるだろう。

 

そこで右サイド天野を継続し、右はオーソドックスな4-4-2の攻撃を扇原、松原と構築する図。

 

 

 

守備時には、現状の通り4-4-2、左サイドから攻める時は3-2-4-1の様になり、右から行くときはそのまま4-4-2みたいな話になるが、マリノスは4-2-3-1だ、みたいなのも含めて数字に縛られるのは良くない。

 

ただ、現在の、守備時には上がって2に入り、攻撃時にはビルドアップの為に下がる、みたいなトップ下って役割としていらないんじゃね、とは感じるのである。

 

 

ウーゴの2点目は凄かった。

 

こんなん、今後も狙っていかないなんてもったいなさ過ぎるよ。

 

 

🎦 ゴール動画🏆 明治安田生命J1リーグ 第13節🆚 清水vs横浜FM🔢 1-2⌚️ 52分⚽️ ウーゴ ヴィエイラ横浜FM)#Jリーグその他の動画はこちら👇https://t.co/3jbfnWNlY5 pic.twitter.com/9stBLZ2XwP— Jリーグ (@J_League) 2017年5月27日

 

でも左にいるの齋藤なんじゃね?と思ったらそれは異なる。

 

このゴールした局面は、右サイドからのサイドチェンジ、つまり上記したアシンメトリーな状態でも4-4-2として動いている状態なので、左にいるのは同じくマルティノスとなる。

 

黄金時代の広島みたいに、サイドチェンジするのはミキッチが1対1をやってクロスを上げる為、というように、なぜ今チームとして攻撃するサイドを変えるのか、という意味が明確になり、緩から急へと移行するスイッチの単純化である。

 

つまりバージョンアップとしては、サイドチェンジしてマルティノスにボールが出たらクロスが上がるから、皆ゴール前に突っ込め、みたいなパターン化する強みが出るだろう。

 

 

@Speir_sさんのツイート

横浜・F・マリノス大改造計画

リーグ戦において、柏戦、G大阪戦と、完全に相手が練習してきた通りにハメられてしまう連敗となった。

 

策を用意してきた柏と、その完璧にハマったゲームを予習してきたG大阪という関係であり、

今後、マリノスと戦うチームにとって、特に柏のやり方は模範解答であり、テンプレート化するだろう。

 

 

ロングカウンター依存からの脱却に苦しむ現状

 

昨秋に齋藤をキーパーソンとして、低いDFラインからの速攻、ダイレクトなサッカーに転向し、一定の成果を残す事に成功した。

今シーズンは、その方向を突き詰めるのかと思っていたが、そうではないらしいのだが、現状、苦しんでいる。

 

その理由として、ある程度、割り切った指針により、やることが限定された中で行っていた昨秋よりも、

迷いのような物がある事で、魅力的だった自陣から敵ゴールへダイレクトに迫っていくプレーまで影を潜めつつある。

 

守備のタスクが曖昧だった両ウイングも、ここ数試合はきっちりやらされてる感があり、負担が増加してる部分もある。

 

更に、これまで確率の低いプレーだとしても、高い位置にいるウイングにスペースを突かせるロングボールを蹴って逃げることで、リスク回避できていたプレーを明らかに減らしているのだが、

 

その現状を狙いすましたかのような柏には、これ以上無いくらいに、徹底的にDFラインでボールを奪われ、0-2という点差以上に完敗を喫した。

 

勿論、安定して勝ち点を上げていく為に、結局引き分けが多かった昨秋よりも変えなきゃいけないという意識、そして、やりたい事はよく解るのだが、それを行うには、もう少し大胆な改造が必要なのかもしれない。

 

 

アタッカー分析

 

齋藤と前田、彼らは良いパスを貰える事で、ドリブルの成功回数が増えるタイプであり、デュエルが強いわけではない。

この為、良いパスを貰える回数と、ゲームで活躍する頻度が比例する。

 

それに対してバブンスキーマルティノスは、そもそもとして、デュエルで強く、更に、特筆すべきは相手がプレスを頑張っている、時間とスペースが無い状況でも、パスを受けた際に、一瞬の間さえあれば、ターン(振り向く)する事ができる。

 

なので苦しいゲームでも、ドリブル回数が極端に減らないという特性がある。

 

<参考データ by sofascore>

 

広島戦のマルティノス

ドリブル回数 6 成功 4  デュエル 16回 勝利 8

 

柏戦の前田

ドリブル回数 4 成功 1  デュエル 13 勝利 2

 

柏戦のバブンスキー (プレータイムは27分間)

ドリブル回数 4 成功 3 デュエル 9 勝利 5

 

G大阪戦のマルティノス

ドリブル回数 8 成功 4 デュエル回数 22 勝利 10

 

G大阪戦の齋藤

ドリブル回数 2 成功 0 デュエル回数 9 勝利 2

 

 

中央進撃無くしてサイド無し

 

マリノスがウイングを活かしたロングカウンターからの脱却を図る中で、最大のネックが敵陣の中央を全く進んで行けないことである。

 

最近は喜田がDFラインに下がって7人がかりでも前に進めないのを見ると、覚悟を決めた大改修をしないと難しいと受け止めている。

 

現状では、圧が高い中央で、一瞬の間を活かしてターンして、更にそこから襲い掛かってきた相手を交わし、相手にリトリートせざるを得ない状況を作れる選手が必要なのだ。

 

ここまでのデータを見ると、このタスクがこなせる選手はマリノスには2人しかおらず、それはつまり、バブ&マルをインサイドハーフで同時期用するしかないという結論になる。

 

 

マルティンスキーシステム

 

 

 

意図 マルとバブの個人的な優位性で中央を進撃していく。

 

・ 高いデュエル勝率でボールを失わず、同じくドリブルで交わしていける能力がある。

・ 一瞬の間があれば彼らはターン出来る。

・ ターン後に1対1を行えるようにFWとサイドハーフが救援に行けない空間を用意。

 

賛否はあるだろうが、ここまでのデータをみると、中央進撃の頻度、成功回数は劇的に改善するだろう。

 

もちろんドリブル失敗、デュエル敗北のリスクはあるが、DFラインで取られるよりは遥かにマシと言える。

 

また、DF時には4-4-2の陣形になるのだろうが、中央のユニットが、前はウーゴとマル、真ん中が喜田とバブになったからと言って、劇的に悪化するとは思えない。

 

 

中央進撃したらサイドが凄いぞ

 

じゃ、右のウイングどうするんだ、と言う問には、ロベリー(ロッベンリベリー)の関係を取り入れたい。

 

天野は右ウイングという相手ボール時にはそこに収まるが、攻撃時、特にアタッキングサードへの進入時には、セカンドトップとして立ち振る舞い、中央でサポート不足がちになりやすいファーストトップを補完するタスクを割り当てる。

 

 

 

齋藤は純ウイングとして、主戦場は左のタッチライン

 

これに伴って左右のサイドバックも右上がりの傾向に自然となるだろうし、松原、更には遠藤の縦への突破力が活きる事になるだろう。

 

左サイドには、よりリスク回避的な振る舞いが求められると、今後、復帰した下平が金井からポジションを奪うかもしれない。

 

何よりも10番、齋藤が完全復活をするだろうし、これまでボールがろくに来ない中でも、来た時は絶妙なプレーを見せているウーゴも本領をするだろう。

 

という事をモヤモヤと思いつく、後半の残り10分間であった。

 

お粗末さまでした。

 

 

余談ですが、私、電子書籍を執筆、出版しました。

 

糖質制限って何の意味があるのか解ってます? 

 

体重が決まる仕組みを考えた結果、糖質制限もせず、特定の食品を偏って食うこともなく、自炊は一切せず、筋トレはおろか、運動も一切しなくても人は痩せることが可能でした。

 

お陰様で、Amazonダイエットカテゴリの新着ランキング1位、新着電子書籍の総合46位になりました。(変動するので最高位)

 

 

 

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@Speir_sさんのツイート