横浜F・マリノスの問題点
ポジティブな要素が目立つ横浜F・マリノスですが、今シーズンどうしても気になっている事があります。
それは昨年から解消しない、戦術における構造的な問題があるんじゃないか、という不安です。
マニアックな内容でありますし、マリノスファン、サポ、関係者以外は読まないで下さい。
2ndステージは32得点19失点と一見、非常に良い数字を収めながらイマイチ順位が伴わなかった訳ですが、失点が15程度であればACL圏内も十分あったと感じています。
特に、8月のシリーズで露呈した構造欠陥による3つの失点は勝ち点7を削る手痛い物であったと考えています。
基本的な配置図
4-2-3-1と言われてますが、色分けの通り、4-2-1-3ではないか、と私は思います。
この理由こそが、構造欠陥を招いている最大の問題点だと考えています。
何故3の両翼が赤く、FWなのかと言えば、秋以降に両サイドの選手が大活躍をした理由として、それは恐らく守備免除、タスク軽減が許されていた部分もあるかと思います。
齋藤学は突然能力が開花したり伸びたのではなく、チームのキーパーソンが変わった事で、活躍しやすい環境が与えられる事になったと解釈するのが、より事実に近いと思います。
どの辺が守備免除なのかというと、普通は敵のサイドバック上がってきたら必ず見るわけですよ、サイドハーフが。
だけどマリノスの場合は、戻ってくる事もそれなりにあるんだけど、居ないことも多々ある。
これが、個人としてサボっているという指摘ではなく、チームの戦術として許されてると推測します。
もう戻るどうかはフィーリングでOKという感じで、特に2点、カウンターを受けてる場合は顕著で、更に、ボールと逆サイドの選手は戻らない確率が高いので、サイドチェンジから敵の攻撃が開始されるとこうなります。
また、逆サイドだと、中に絞ってスペースを埋める動きも余り無いですね、気分次第です。
これ、左側の4対4でボール取れればいいんですが、上から観てると真ん中のヤバさが一目瞭然です。
そして、一発カットインされると、いわゆるバイタルでドフリーって皆さんが昨年よく見たあの光景になります。
後は祈るくらいですね。
下位チーム相手だと、ここから選手の個人力でどうにかなってしまう事も多かったです。
ですが、昨年に手痛い失点を食らった例を上げますと、この展開でボールを受けた大宮の泉澤にはミドルをくらい、FC東京の東にはムリキとのワンツーからミドルとやりたい放題なゴールをくらいましたね。
更に、鹿島怖いと思ったのが、この大宮→東京→鹿島の順に当たった時でした。
特にマリノスがリードした2-1になってからは徹底したサイドにあるマリノスの構造欠陥狙い。
サイドはイジメですよこれ、やはり彼らの常勝には理由があります。
ここでモンバエルツは面白い対処を見せてくれました。
3(5)バック化です。
ですが、緊急すぎて選手が理解してませんでした、今年はいざとなったら3バックは用意した上で使ってもらいたいです。
監督の理想は、狙われてるサイドをファビオがフォローに行く事。
しかし現実はこうなりました。
もう、サイドバックはどうしようもない状態が起きて、エリア内でフリーでボールを受けた鹿島の遠藤がシュートだかクロスだか良くわからんボールを蹴って、それをGKが弾いた跳ね返りから完全フリーのファブリシオがゴール。
更に恐らく喜田ですが、中が3-3と枚数は足りていた事で、本来は彼がマークするべきな同点ゴールを決めたファブリシオへのマークが緩くなってました。
今年もウイングでゴリ押していくスタイルでいくなら、構造改革が必要です。
目的は彼らに引き続き守備の負担を減らし、高い位置を維持させつつ、ディフェンス上の構造欠陥を取り除く。
これを実現する上で、これをアンカーと呼ぶのか、フォアリベロと呼ぶのか、バックラインの人数を3なのか4なのか、5とするのか、まぁご自由にどうぞですが、トップ下ではなく、センターバックの間に居る選手が必須となるかと思います。
あくまで、今年も昨年秋のようなウイングにストロングポイントを置くならば・・・ですが、
この問題を放置したまま選手のクオリティだけで解決するのは、鹿島の様な相手を想定すると厳しいのではないでしょうか。
また、稚拙なプレスを交わす能力、攻撃をビルドアップする局面でも恩恵が望め、例えば蹴れるけど強度にやや不安があるような選手も置けます。
この点、カバーリングのセンスと美しいワイドへのミドルパスならばジョンス、より縦パスが得意な扇原、両足使え中盤もこなせる最低限のテクニックがありながら、フィジカルが高いデゲネクと、バリエーションは多そうです。
後ろにストッパーの加護があるのであれば、ビルドアップを優先しサイドバックに天野という選択肢も入ってきます。
この辺は今のセビージャに近い発想です。
更に、誰を置けるのか、だけでなくボールの流れ、チームで攻撃の中心になるのは誰なのか、という根幹部にも大きな影響があります。
現在、左サイドから攻撃を開始すると、こうなりますよね。
これ、どっちが正しいかではないです。
あくまでマリノスというチームの戦力を見た時に、ウインガー(齋藤学)とフォアリベロ(デゲネクorジョンスor扇原)
どちらが低いポジションでビルドアップに関わるのか、
更に、サイドの高い位置で攻撃のスイッチを入れるべきはウインガーなのか、インサイドハーフなのか
最大火力を模索した時により効果的なのはどちらなのか、で考えると、自ずと答えは出ると考えます。
また、何故4-2-3-1だと得点力が低いのか、マルキが居て2位だったシーズンでも年間50点とれなかったのか。
トップ下の選手がセットプレー以外、インプレー中は全然得点に絡まない、そういう得点力を武器にするトップ下タイプの選手が居ないからです。
これ、年間の総得点数を考えると致命的だと思うんですよね、そりゃ守備は安定するでしょうが。
奇跡的な個人のスーパーゴールに期待して、トーナメントの様に勝ち抜いていくやり方は2013年で限界見えましたよね。
そうすると、現状の形なら、トップ下には齋藤学が入ってサイドに流れて仕事をする方がいいですが、
それだと両サイドは守備力やビルドアップ向きの選手が必要とされるので、豊富な突破力を武器とするウイングタイプの選手が余ることになります。
何より、この時、一番ヤバイのは右のウイングに、翔さんを配置した時ですよ。
去年のガンバ戦を覚えてますか、あそこからドリブルシュートぶち込むんですよ。
\( ‘ω’)/ウオオオオオオオオオオオオオオオアアアー!
あれが、まぐれじゃないのはこの3年くらい観ている皆さんならご存知のとおりですが、
この形になった時に、恐らく1試合中に何度かは、彼がドリブルシュートをする機会が定期的に発生します。
もう怪我さえしなければキャリアハイ記録するんじゃないですかね。
だからずっと彼はウイングが適正だと主張してます、ショウゾーンです。
\( ‘ω’)/ウオオオオオオオオアアアアアアアアーーーーーーーッッッッッ!
何よりワントップが動くことで発生するスペースを活用するハードワークが必須で、彼は適してますし。
一見、形状は浦和レッズや、以前の広島に近い形になりますが、マリノスの場合はパスワークよりも、突破力のある、J屈指のウイングを攻守共に、高い位置に配置する為の比重が重いかと考えます。
チェルシーでアザールが今年復活したパターンに近いです、勿論、今右ウイングのレギュラーと言える昨年最終戦でレッズを切り裂いた様に、マルちゃんの裏抜けも強烈な武器になります。。
もちろん、昨年は全18チーム中、16番目に低かったディフェンスラインを、とても高く設定するのであれば、
チーム統括部長の言うように4-2-3-1=4-2-1-3でも、守備時にはウイングを比較的高い位置に置いたまま問題は解決出来るかと思いますが、
あくまでもウイングをストロングポイントにする場合の最適化という答えは3-4-3化だと考えます。
※フォアリベロを中盤(アンカー)と考えるなら4-3-3(4-1-2-3=4-1-4-1)であり、数字の並びに深い意味はない。
一方で、最近の動きとして、タイでのゲームでは、ビルドアップ時に中町がセンターバックの間に入り、両サイドバックを高い位置に押し上げる動きが何度もあり、
守備はラインを高くして対応、ビルドアップ時は3-4-3化して対応と、そういう解決策も試している感はあります。
ただ、これだと走力勝負を相手に押し付ける様な強烈な高速ロングカウンターが減りそうなのが、あの魅力を知ってしまった現状だと惜しまれる所ですかね。
最近、Twitterで教えて頂いたのですが、こちらの本でモンバエルツがロングインタビューを受けていて、彼の理論、思考、知識、人脈などが伺える大変興味深い内容のようです。
モンさん効果なのか、売り切れ続出のようです。
売れる記事ってなんなのか、どこかのマリノス専用メディアも再考して欲しい所です。
私は雑誌は捨てるのが面倒なのでKindle化を待ちます。
出版社さんにはユーザー側の目線で、保存する為のコスト、捨てるコストも考えて頂ければと思います。
@Speir_sさんのツイート