アイザック・ドルよ、なぜ明文化しなかったんだい。
アタッキングフットボール
もはや石板に刻まれた言葉であり、時の権力者が好き勝手に利用しようとしているかのようだ。

かつてマリノスに繁栄をもたらしたが、2025年、アタッキングフットボールという言葉は無理解と、それを加速させる”フットボールには正解が存在しないという真理”において、人を縛り、惑わせる呪いになりつつある。
ここで一度、当時を知らない人もクラブ内にすら増えているようなので、少なくとも、マリノスに2度のタイトルをもたらしたアタッキングフットボールとは何だったのかを未だに公式発表が無いので、先んじて定義したい。
新体制発表会
https://www.youtube.com/watch?v=1IikO0Pqb9M
西野SDによる冒頭、アタッキングフットボールに関する発言
・去年一年全部見た、何度も見た
・試合に勝つ為にこの言葉、哲学、コンセプトがある
・支配する 自陣ではなく、意図を持ってボールを保持
・チームとしてハードワーク、スポーツマンシップ → 当然
先ず、去年を見てもダメなんだわ…
キューエルの失敗こそが、アタッキングフットボールを捨てた事であり、
引き継いだのが理解が及んでいないハッチンソンで、その結果としての不完全。
去年の試合を1万回繰り返して見てもさっぱり分からないのである。
マリノス試合後ざつだん・アディショナルタイム 失われたアタッキングフットボール - 横浜F・マリノス ファン
アタッキングフットボールとはフットボールの勝者になる為に、無数有る要素の中で、マリノスは何を最も重視するのか、というロジックでなければならない。
西野SDが言っているのはピッチ上におけるチームとしての努力目標であって、真理に迫る、哲学ではない。
勝つ為の理詰め
アタッキングフットボールとは勝利を重ねる為に理詰めで生み出された論理がベースになる。
1,勝利が沢山ないと優勝できない。
2,勝利を再現するにはゴールが沢山必要。
3,ゴールを沢山生み出すにはチャンスが沢山必要。
リーグ優勝をする上で数多ある要素からマリノスは何を選ぶか?
これこそがコンセプトであり、マリノスの選択はゴール(得点
ゴール至上主義=アタッキングフットボール
で、ピッチ上の実装を考えるとフットボールの試合でチャンスを沢山作るには?
一、ゴールに近い位置で
二、スペースがある状況へ
三、ボールを届ける構造に
これに再現性を与える魔法の言葉が
「素早く攻めろ、出来るだけ」
これこそがアタッキングフットボールの実現に至った真ん中にある精神であり哲学。
当時を知らない、そして誰も知る人がいなくなったマリノスに来た新SDである西野氏は真実を知らないといけない。
全てはスペースの為に
近年、この精神で大成功を遂げたのが07-08シーズンにホッフェンハイムと共に快進撃を演じた”教授”ラルフ・ラングニックである。
多くのゴールはボールを奪ってから10秒以内に決まる、フットボールの真理に気が付いた彼は実践をした。
バイエルンの様なコンプリートなスター軍団でなくとも、高い競争力をチームに植え付ける事が出来る手法=戦術として知れ渡る事になる。
「ボールを奪ったら10秒でゴールを決めろ」
偶発的なカウンターではなく、チームとして再現をする為に、練習場には巨大なタイマーが出現し、8秒以内にボールを奪う練習、10秒以内にゴールを目指す練習が繰り返される。
(早いに越した事はないという事で5秒に設定する事もあるらしい)
それは常時、全プレーで徹底され、例えばポステコグルーのマリノスでも裏のスペースを取ったとして、その選択肢としてダイレクトでクロス、そしてゴールというシーンを多く見ただろう。
当時のホッフェンハイムでもよく見たゴールシーンであり、ポステコグルーは間違いない、ラングニックの信奉者である。
ポステコグルーがプロ監督としてトップカテゴリーのチームで、ブリスベンロアーでキャリアを本格的にスタートさせたのは2009年。ホッフェンハイムが衝撃を与えた後である。
また、これらの行動は考えると遅くなり、早く蹴らないとスペースが無くなってしまうからであり、パターン化する事で思考を排除し、それは徹底されていたのを思い出すだろう。
8秒や10秒はただの言葉だし、意識づけに過ぎないが、この信仰を浸透させようとする監督は儀式を求める。
スローインを出来るだけ早く投げさせたり、コーナーキックも普通に蹴る事をせずに早く再開させるというのは彼なりの布教活動だったのだ。
強者の悩みと相反する信仰
状況を難しくする要素がある。
先ず、分かりやすい対抗戦術として、ボールを捨てるフットボールがある。
徹底的に後方のスペースを消して、ボールを奪ったら裏に蹴り込む。
奪ったら早く攻める事でスペースを蹂躙していた、スペースの為に用意した速い事が条件のアタッカー達がカカシ化する。
次に後方の選手が、慣れない保持局面が増えてミスから失点を献上する。
アンチフットボールを受け入れる事が容易い立場のクラブに構造として大苦戦をするのが避けられない。
特にクラブとして特化しているので、よほど予算に余裕があるクラブでなければ、急に保持局面で活きる選手や、狭い中で大活躍する電柱ヘッダーは用意できない。
一歩進んだアンチ対抗手段として、後方でのボール保持が生まれてきた。
これは別にブライトンを率いて有名になったデ・ゼルビの専売特許ではなく、2016年頃にはコンテなども行っていた、前に進まずに自陣でボールを持つ事で、ゴール前の空間を残し続けた上で、そのスペースを狙うロングディスタンス・パスアタックである。
何故、後方でボールを持つのか、その意図が明確に存在しているし、それは根源的な部分では、ラングニックの思想とは相反する物ではない。
一方で、ポステコグルーの抱える矛盾、2つ目の信仰としてクライフ→ペップの別宗派と言えるボールを持ってないと安心出来ない教団がある。
ゴール前のスペースは作る物で、どんなに相手が引いて守ろうが作り出す事は可能であり、ゆえに時間をかけても安定してゴール前までボールを運ぶ必要があり、運んだらスペースは作れるのだから、兎に角ボールを失う事は罪である。
敵にボールを与えたらシュートされるまで取り戻せないかもしれないし(相手もボールを失わないと信じている)危ないじゃないか。
宗教が根本的に異なるのが分かる。
いやむしろ真っ向から対立しそうである。
彼らはボール至上主義教団、支配率が100%なら負けないと信じてる。
お前…キューエルなの?
隠れクライフ教徒…そんな矛盾を抱えていたのがポステコグルーであり、何故かそちらばかりに目が行ってしまうのが日本という国なのかもしれない。
マスカットは流石、第1弟子だけあって、柔軟性では師匠を越える。ゆえに矛盾を内包しつつ調整する事に長けていた。スペースが無くてもゴールを生み出す、サイドから切り返してクロスを大外に打ち込む方法(いわゆるウイング→ウイングによる大外アタック)などで結果を残してしまった。
この結果、2022年は今まで見た事が無いゴールパターンが増えていった筈だ。
だが、矛盾を越えて、より調整を進めた果てに大して良く理解していないのにブライントの物まねを始めてしまい、当然何も上手く行かないまま放り投げ、雇用側もアタッキングフットボールが何なのか言葉に出来ないままキューエルと契約した結果、もう訳が分からなくなったのが近年マリノスのプロセスとなる。
そもそもボール支配への拘りは宗教的にアタッキングフットボールを実現してきた精神とは相反する物だと言えるし、環境として川崎やマリノスがリーグを席巻した事により、敵は学び対策も進んでいた。
ゆえに当時よりも、ポステコグルーの抱える矛盾が許されない厳しいリーグの環境になったのを理解して貰いたい。もう矛盾していては勝てないのだ。また矛盾を抱えたまま成功してしまったポステコグルーもプレミアリーグでは悲惨な状態になっている。
今年の1月に西野SDが新体制発表会にて、アタッキングフットボールについて語る際に、この宗教、哲学の根源に関するキーワードが一切出てこなかった事には大きな失望を感じた。
良い攻撃の為には良い守備、ここまでは別にアタッキングフットボールとは相反する訳では無いが、敵陣でボールを握り続けるというのは宗教が異なる。
マリノスがこれまで最も重視し、そして多数の勝利を勝ち取ってきた根源はスペースであり、ボールじゃない。
一体、何を言ってるんだ?
だってそれじゃ…
キューエルでいいじゃん。
マリノスはまさに前年、それまでの流れやアタッキングフットボールを実現してきた精神をすっとばして、独断でクライフ教団(ボール至上主義)に向かおうとしたキューエルをシーズン半ばも行かずに解任していた。
SDがキューエルみたいな事を言ってますけど?中山社長、昨年にフィロソフィーが違うと言ってキューエルを解任したんじゃないのかい?
究極のアタッキングフットボールはドイツで完成する
ポステコグルーから矛盾を除外し、アタッキングフットボールの精神を完全無欠としてチームに反映させる。亜流、独式のポステコグルーから本流へ。
それこそがアタッキングフットボールの進化=深化である。
スペースアタック&プレスからのスペースアタック&プレス。
静的局面を拒否し、高フィジカルが支えるハイテンポで敵をすり潰す無慈悲なフットボール。
勿論、フットボールには多数の答えがあるとして、何を信じるのかは自由だ。
だが、その信仰を、宗教を変えるならちゃんと変えるべき。
何だか良く分からないままアタッキングフットボールと言い続ける、その姿勢こそが今の混迷を生んでいる。
アタッキングフットボールという言葉を忘れるのか、取り戻すのかだ。それは言い換えれば引き続きゴールの為に全てを捧げて生きるのか、それとも別の道を探すのかだ。
数多のゴールを生み出す為に再現性が必要であり、そのリソースと言えるスペースは無くなる資源なのか、生み出すべき創造物なのか。
選択は自由、さぁ選べ、どっちだ。
勿論、優勝を目指すクラブとして、後方スペースを徹底的に潰し、ボールを放棄する様な相手をどうするのか考えないといけない。
だが現状で、日本代表と戦ったサウジアラビアの様に、後方スペースを消す事のみを徹底し、ミドルゾーンの勝負に一切付き合ってこないような、そこまで引くかという様なクラブは存在しない。
今のJリーグで、ミドルゾーンでの保持からスペースを攻略する攻撃が有効なのは広島がお手本になるだろう。
また、なぜ広島のシュート数が多いのかと言えば、彼らはドイツ派閥の文脈にある訳で、時間内にシュートを打つというルールで動いているからこそ、時間が経過した2次攻撃、3次攻撃で早く打たないとという焦燥感により、ヤケクソに見えるダイレクトなミドルシュートが飛び交う事情もありそうだ。
彼らは毎年、CFを正しく選べないのが最大の問題だ。
中山社長、西野SD
改めて自分達が何を手放そうとしているのか、理解しているのだろうか。
そして手放すのも、改宗するのも自由だが、それは別の宗教を見つけてからではないか。
フットボールの暗闇を信じる物を持たずに歩むというのは正に地獄だ。
その行程には足元を照らす光が、希望が存在しない。
ちなみにドイツ人脈を探すなら大物がフリーだ。
ロジャー・シュミット 58歳 FREE
2024年8月31日付 ベンフィカを退任
ザルツブルグで成功した、ラングニック学校の卒業生
アジアでは北京国安でも2シーズン、監督経験がある。
直近キャリア
アイントホーフェン 平均勝ち点 2.16
ベンフィカ 平均勝ち点 2.26
いいか、よく聞いてくれ。
2022年は何の年か。
そうだ、コロナ禍もあったがマリノスが優勝した年だ。
歴代でも最強と呼べるチームだった。
1年で投稿したブログは僅かに2本だ。
一方、2024年の投稿はお陰様で18本になる。
何が言いたいか分かるか。
そして今年は既に8本目だ。
まだ4月だぞ?