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横浜F・マリノス さぁどうする?キスノーボの監督昇格で不安な事

2025年5月2日現在、スティーブ・ホランドを解任し、監督(マネージャー)が不在の横浜F・マリノス

暫定はおらず、キスノーボはHCという役職のままで代行をしている。

 

いつまでも空席には出来ないし、期待の新監督が僅かリーグ開幕2か月でクビでは次の人物を正しく選べるのかも怪しい。

 

だが、安牌を拾いに行く様な消極的な理由でキスノーボに監督を任せるのは反対だ。

 

 

理由を以下に述べるが、極めてネガティブな内容なので彼を信じるのだと言う人は読まない方が良い。

 

 

金が無い

 

 

そんな理由でも選ばれたら、もう信じるしか選択肢は無いという残酷な現実に気分が暗くなるだけであるし。

 

 

 

 

1列目だけハイプレス

 
アル・ナスル戦は衝撃の試合だった。
 
ここぞという時に、またしてもこんなに酷い戦い方をするのか、という試合を昨年に続いて観る事になった。
 
 
開始からハイプレスを仕掛ける意思を見せたマリノス
 
35分じゃない、疲労が言い訳に出来ない開始3分の出来事だ。
 
 
1,ブロゾビッチがバックライン入って3枚
2,左SBが偽SBで中移動
3,マリノスはヤンをつぎ込んで3人で3対4
 
4,GKへのバックパスで3対5の‐2
 
どうしたらいいの?思考停止で動きが止まる
 
5,フリーのGKからフリーのシマカンへ簡単パス(画①
6,フリーのシマカンがマリノス陣内へ縦パス(画②
 
 

なんで1列目の選手だけがハイプレスしてる?

敵のGKを含んだビルドアップは想定外だった?

 

だったら何でそんな所まで追いかけるんだ?

 

 

 

 

最大の問題は開始3分で赤子の手をひねる状態なのに…

 

修正されなかった

 

 

 

7分46秒

 

敵のバックパスに対して、植中と遠野が最終ラインにプレス

 

で、その後ろはスカスカ、追従できないのにプレスに行ってしまう。

コンパクトな守備陣形という意識がチームとして皆無なのだ。

 

結局、このシーンも1列目だけがハイプレス

遠野と植中のライン後方に広大な空間

 

 

 

 

25分40秒

 

失点シーンに繋がるアル・ナスルの敵陣侵入

 

遠野が出た瞬間、ブロゾビッチのパスコースを作る動きは見事。

背中で消されない移動。

 

ここではフリーダムロナウドの中盤下りも山根をピン止めして、効いている。

 

ただ、遠野が出るなら植中が絞らなきゃならなかったとも言えるし、そもそも後ろが全く追従していないのに数的不利(このシーンは2対3)でプレスに出ていくという状況が繰り返されている構造の問題では?

 

 

1列目だけがプレスをしている。

試合開始からこんなシーンが数回繰り返されていて、何処が良い守備なのか。

 

試合開始3分のシーンを見て監督がすぐさまに修正を行うべきで、新体制発表会で掲げた目標が嘘やまやかしでないのであれば、それを行える能力がある監督を探すべきだと考える。

 

 

 

監督に求める能力と水準

 

アジアの水準は大幅に上がっているし、そもそもJリーグの水準も相当に上がっている。

 

https://www.youtube.com/watch?v=1IikO0Pqb9M

 

 

アル・アインの監督は前回紹介した様にセリエAで多数の経験を持つ、ステファーノ・ピオリ。川崎の長谷部監督は作戦部分では伍して戦った

 

 

さらに決勝に進出したアル・アハリは投じられた金額からも今大会では第3の存在になっているが、監督は大注目の若手(37歳)だ。

 

マティアス・ヤイスレザルツブルク、つまりラングニックの学校から出てきた最有力若手監督であり、今や有名監督が歴代監督に名を連ねるザルツブルグであるが、欧州の舞台である本場チャンピオンズリーグでベスト16に初めて勝ち上がるのに成功した人物である。

 

そもそも彼は選手時代にラングニックが選び、ホッフェンハイムに移籍してきた正に秘蔵っ子だ。残念ながら十字靱帯の怪我を発端に25歳で引退した。

 

 

最早、レベル的にJリーグよりも大きく劣るオーストラリアリーグ優勝が十分な経歴になる時代ではないのではないだろうか。

 

それでアジアで勝てる、日本を代表できるチームの監督はみつかりそうですか。

 

今のJリーグはアスリート性能が問われ、イングランド人も驚くほどダイレクトに、そして守備的に、戦術的に、遥かに高度化しているのではないか。

 

 

それにピッチ上で表現されている物だけを比べれば、新潟でプロ監督1年目の樹森監督の方が遥かに良い物を見せているのも事実だ。

 

京都戦は理不尽なパチンコフットボールに敗れた不運でしかないし、柏戦、広島戦と、とても降格する様なクラブの戦いには見えない。

 

アル・ナスルマリノスの人件費が話題になったが、新潟の人件費はマリノスの3分の1程度だろうか。

 

もしかして戦術的な高度化が進むJリーグをベースにする、代表チームも最強な日本の監督育成の方がアジアの中ではトップレベルに近いのでは?

 

 

 

 

ハメ所の設定くらい作るべきだった

 

公平性という点で触れると、何度か良い守備をしたシーンも無くはない。

 

19分40秒頃

 

遠野、植中、ヤンが敵最終ラインと3対3になった瞬間、左から右に追い立てて12番のミスを誘発したシーン。松原が縦パスをカット。

 

敵の戦力を見れば、もしハイプレスに行くのであれば、明らかに左SBの12番は狙い目であったが、左に誘導して仕留めるという意図はチームに無く再現性も無かった。

 

 

シマカンがいる左ではプレスをかけずに縦パス制限に徹し、右に誘導して12番が下りてきたらそこがスイッチ、プレスにGoという戦略性は皆無だったという意味だ。

 

つまり、442で右にヤンを入れてそれでいいのか、というのはこういう所。

 

ポジショナルプレーの脆弱性を攻めるとは何か。

選手は駒ではなく、能力差があり、ミスもする。

 

12番を狙う意図があれば、そこがプレスのスイッチならば、442の右に置くのはヤンではなく、井上か宮市、遠野でもいい。セカンドトップは別に渡辺皓太でいい。

 

たまたまそうなっただけで、意図も何もない守備だった。

 

 

 

監督力の差

 

アル・ナスルを倒した川崎はハイプレスを制限し、ミドルゾーンをコンパクトにスペースを与えない様に対抗した。

 

勿論、完勝などではなく、幸運もかなりあったが、幸運を祈れる所迄は持ち込むことに成功していた。つまりチームに戦える力、競争力があったと言える。

 

 

2トップは基本に忠実に中央へのルートを消し続け、敵の4人保持に4人でけん制しているのが伺える。

 

それでも進んでいけるアル・ナスルは見事だったが、最終ラインに対するストレスのかかり方はマリノス戦の比ではなかった。

 

両サイドの大外は離している、SHが死ぬ気で戻れば間に合うからだし、マルシーニョの全力スプリントでのプレスバックを何度も見た筈だ。

 

 

この試合で2トップを務めたのはプロ2年目、J3で32試合、J1では153分しかプレーしていない大関と、同じく2年目でリーグ戦はプロ通算30分しかプレーした事が無い神田のプロ2年目コンビだ。

 

そして45分走って死んでくれとばかりに若手2人は前半のみで交代。

監督はやるべき事を明確に提示し、殆どキャリアがない2人は完遂した。

 

リーグではどうかという部分があるが、シメオネの魂を感じる長谷部監督がアジアの頂点に届いても驚きはない。

 

 

一方でマリノスは既に川崎戦から、ハッチンソンの続きを感じさせる442でのハイプレス指向で戦っていたが、同時にちょっと敵がプレスを外す構造を入れたら、簡単にゲームをひっくり返されており、更に高度なポジショナルプレーを行うアル・ナスルに翻弄されるのは当然の結果だったと言えるかもしれない。

 

キニョーネスが負傷した、選手を交代しない、負けが込んでクーデターを起こされた。

だからと言って、この敗戦まで全てをホランドの責任にするのは真実と違うのではないか。

 

それに、成績を理由に監督が解任された場合のコーチ昇格は懐疑的だ。

その成績に対する責任が25%くらいはあるんでは…

 

 

 

ポステコグルーの限界

 

そもそも、またしても既に限界が露呈しているポステコグルーの系譜が再び登場でいいのか、という話がある。

 

結局の所は敵陣でだけは強いポステコグルーのロジックを持ちながら、保持への無駄な拘りと、敵を見ない事による戦術的劣勢により、敵陣で戦えない時間が激増し、自陣で弱いだけのチームがピッチ上に現れるという負の連鎖を止められるのか、という話に帰結する。

 

本人、更には継承者が、根本的な問題の解決能力、いや問題点を気が付いているのかすら怪しい。

 

進化でも深化だろうと、どっちでもいいのだが、大戦力ありきとは言え何とかしようとしていたのはマスカットくらいだ。なぜかスペイン方向ではなく何も良く分かってないブライトンだったのが失敗であった。

 

結局、彼のチームもACLEでマリノス以外にも川崎にボコボコにされた様に、ハイプレスに対するポジショナルプレーは出来ず、問題解決はオスカルという特別な個ありきなのが実に継承者らしい所だった。5億円払わなくてよかった。

 

彼らには自チームは敵陣でしか強くないのだから、どうしたらもっと敵陣でだけプレー出来るのか、という自己分析がまるで無いし、自陣での弱いのはどうしてなのかという反省も無い。

 

心では思っているのかもしれないが、ピッチ上で確認できない。

 

やらない結果として、ピッチ上で出来ていないのは能力が無いとイコール。

やるのも才能であり能力とされるのがプロフットボールではないか。

 

 

強敵と戦うのに能力が無い監督では無理であるし、Jリーグクラブ上位はサウジアラビア勢には劣るが、特に監督という部分だけなら準ずる能力があり、それら全てに勝たないとアジアに再び出る事すら出来ない。

 

 

実はベニテスの影響があったのかどうかは分からないが、キューエルの方がスペインに近づいた。

彼はポステコグルーの系譜じゃない、ゆえにクーデターで追放されたのかもしれない。逆説的にヘッドコーチに系譜を入れるからクーデターが起きるのか。

 

適正な戦力編成と優秀なスペイン人コーチがいればと惜しく思う。正直そのスペイン人が監督で良いけど。

 

 

 

キスノーボ監督に見出す希望

 

彼が成長する事だ。

失敗から正しく学ぶ事だ。

 

だが、そもそも試合中の修正どうこう以前の話として、442での守り方を2週間で整備出来ない監督に、あと1か月与えたからといって出来るようになるとは思えないのがツライ。

 

言葉だけじゃなく、ピッチ上で反省を見せて貰いたい。

別に個人としての好き嫌いじゃない。

 

ピッチ上を改善してくれれば諸手を上げて大歓迎である。

 

 

せめて無理だと気がついて、5月はハイプレスを止めて貰いたい。

整備する能力も、試合中に対応する能力も無いのがピッチ上で確認された事だ。

 

ファクト、既に起きた結果である。

 

もう何戦か落としてもなんて言える状況ではない。

 

 

それとアル・ナスルがちょっと本気で詰めたらあっさりロストを繰り返して失点した自陣のボール保持、ビルドアップも止めたらいい。

 

福岡戦から改善は何もない。もう、さっさと敵陣に蹴り込んでセカンド回収おしくらまんじゅうをしてる方がマシだ。

 

そもそも仮にプレス回避を出来たり、ミドルゾーンでボールを奪えても、敵陣で詰まってGKまでボールが戻ってきて、またハイプレスに捉まる現状はサイドへのスペースアタックというコンセプトが消えた、リターンの無いポステコグルーという絶望もピッチ上で確認された出来事、ファクトだ。

 

 

こうなると、攻守に諸々を整備できるコーチを新規に組み込めるのならいいかもしれないが、そうなるとまた実権はどっちにあるんだ、みたいな事になりそう。

 

 

もうその人が監督でいいのでは?みたいな

 

 

 

 

能力を何で測るのか

 

プロフットボールで言葉は何も意味が無く、ピッチ上で起きた事しか信じる物はない訳で。

 

監督選びで最も重要な要素を軽視したからこその、今ではないだろうか。

 

今の時代、いくらでも見れるのだから、直近監督業をしていたチームの試合をフルマッチでしっかりと見たらいいじゃないか。

 

アジアを勝ち抜く、日本を代表する水準でチームはプレーしているのか。

数試合観れば監督の能力は分かる。

 

 

そもそも創作物のポートフォリオも無い人物を選ぶのが間違いだと、いい加減分かっただろう。

 

真実は、能力を確認する術はそこにしかないのだから。

 

試合を観るべきなんだ。

 

100試合でも、1000試合でも観るしかないんだ。