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横浜F・マリノス試合後ざつだん ロペス移籍から始まる戦力再編成と戦法再構築

2025年7月5日、J1リーグ第23節で5月31日以来となる久しぶりの勝利を挙げた横浜F・マリノス

 

その夜、この日に決勝点となるPKを沈めたロペスが移籍を決断したと公式に伝えられた。

 

 

今期は低迷の象徴とも言える不調、チームで最もシュートを打っているのにPK以外はノーゴールと運動量の低さも含めて、正に別れの季節が来たと言える。

 

別れの季節というのはどんな大スターでも特に海外クラブでは朝敵の如くクラブを応援する人々と敵対する事も珍しくないが、獲得したタイトルも含めて、過去の栄光は消える事はなく、いつか美しい思い出として振り返る日が来るだろう。

 

 

そして翌日にはいわきFCから谷村の移籍獲得が発表されるなど、新しいサイクルの始まり、終盤までを見据えた最後の戦力編成機会での動きが活発化している。

 

この記事では噂を含めた新戦力、更には再編成、そして未だに答えが見えないマスカット末期のアップデートについてまとめたい。

 

 

前線の再編成

 

ロペスの離脱、遠野の大怪我、植中の不在もあり、元から少なかった前線は7月5日の時点で完全に不在となった。ウインドーが7日に開く事もあり、20日の名古屋戦では谷村の合流や植中の復帰も含めて戦える戦力が揃うと願いたい。

 

 

新戦力①(確定)

谷村 海那 27歳 181㎝79㎏

 

大卒選手として当時J3いわきFCが獲得するとJ2昇格に貢献、2年目からは主力として活躍。

ブレイクのきっかけはエアバトルにも強い、現大分の有馬がいる中でCFとセカンドトップを兼任した昨年の24シーズン。

 

そして谷村と言えばクロスからのゴールシーン、ポストやエアバトルもこなせるが、マリノスに所属していた選手としてはセカンドトップよりなエリキや西村をイメージするゴール前のチャンスに飛び込むことを欠かさないアグレッシブなアタッカーだ。

 

昨シーズンはいわきFCで18ゴール、シュート成功率は16.8%ともう一声欲しい所。

 

だが、ゴール期待値に対するゴール数では得点ランクトップだった小森とほぼ互角の+6.184と、クロスからの理不尽ゴールも少なくない。

 

ゴール期待値 11.816 実ゴール 18 +6.184

 

 

今の前線に欠けている攻守に渡っての攻撃精神をいわきスタイルそのままに注入する事が出来るか、期待したい。

 

 

 

新戦力②(噂)

 

ディーン・デイビッド(Dean David) 29歳184㎝

国籍 イスラエル 左利き(両利き?)

 

プロキャリアは一貫してイスラエルリーグで、途中からマッカビ・ハイファに移籍すると大ブレイク…?イスラエルリーグのデータが20-23までは確認出来ないのでいつからかは不明。

 

リーグでは通算198試合67ゴール、欧州の各種大陸カップでもプレー経験があり、特に23-24シーズンは20得点をあげて得点王を獲得している。24-25は14得点。

 

23-24シーズン 28試合22先発 1934分 20ゴール

シュート成功率は25%と素晴らしく、ビッグチャンスミスも21と得点とほぼイーブン。

 

左利きという記載もあるが13ゴールが右足によるもので、相対するDFのスキを突いてコンパクトに振り抜く右足から隙間を打ち抜くようなシュートが得意技か。

 

ヘディングのゴールは2、翌年は14ゴールに対して0と、ヘッドからのゴールを補填する相棒が必要だろう。

 

左ウイングとしてもプレーした時間があり、ドリブル力も一定あり、キックには自信がありそうで、過去に所属した中では若干背の高いウーゴ・ヴィエイラという方向性が伺える。

スピードや運動量に関するスタッツは確認出来ないがプロの現場でWyscout等のツールを使える西野SDなら当然そこの確認は怠っていないだろう。

 

 

 

 

天野と渡辺皓太

 

前線を再整備する上でキーになるのが長くチームに在籍する天野と渡辺皓太だろう。

 

特に久しぶりにリーグ勝利となった試合ではロングボールが飛び交う昨今のトレンドを考えた時に、彼らの活きる場所が変わってくるのを予感させたゲームだった。

 

それはどうなんだ、という選択肢であったがマリノスとしてプレスを恐れてビルドアップを完全に放棄する選択肢を今後も時には採用するのであれば、少なくともその試合では彼らの居場所は無くなるだろう。

 

マスカット末期の環境では西村すら活躍の場を失ったように、生態系と同じく選手も環境の変化に耐えられない事が少なくない。

 

一方で、渡辺皓太は終盤にセカンドトップに移動すると彼の持つ前に出て行く時の鋭さという強みが存分に活きた。

例えば、ボランチとして神戸や京都でプレーする姿はまるでイメージ出来ないが、広島や柏でシャドーをやればリーグ優勝を狙う水準のチームでもレギュラーが取れるだろう。

 

天野もCKの流れから右サイドでボールを持った時はヤンと同等の期待感を持たせる選手であった。

ヤンの代わりが出来る選手はリーグ内から探すのも難しく、精彩を欠いたヤンが疲労に弱い選手である事も考えると右の2番手が良いのではないか。

 

 

7月5日 想定スカッド

 

 

左ウイングについては実力でエウベルがレギュラーに復帰、これに文句は出ないだろう。苦しい時間の中で唯一の出口としてチームを助けた個の質は見事だった。

 

右の逆足ウイングはチームとしてヤンの2番手を用意する意図で天野を活用。

 

センターラインはブレイクなどランによるボールの引き出し、セカンド争奪、プレス&プレスバックで戦える2名が90分間ピッチ上に居るのが望ましい。

 

 

27シーズン加入内定の松村だが、セットプレーを全て任せられるなどキックの質は光る物を見せており、またドリブルでの仕掛けなども期待が出来そうな事から、エウベルの2番手という運用がベストではないだろうか。

 

中央にいるよりも逆足ウイングの方が、オープンな環境で右足を振る機会が圧倒的に増える

 

一方で、井上、宮市はもっとチームとしてウイングでスペースアタックしていく整備をした上で起用をするべき。オプションとして効く相手にはかなり効くのは間違いない。

 

 

 

ヤンの契約延長はあるか

 

なお、ヤンを失う事は想定していないが、契約は25年12月末までであり、0円移籍、半年分を支払ってでも引き抜き、など様々な選択肢が存在している。

 

通常、来期も残るのであれば契約延長が行われるが、それを選手が拒否となればこのタイミングでの入れ替えも選択肢になるが、主導権は選手にあるだろう。

 

いわゆる0円、26年1月からのオファーとは純粋な年棒額の戦い、又はマリノスのJ2降格リスクが付与するか。

25年7月からのオファーとは契約解除金が合意さえあればクラブに残る道は無く、26年1月からの他クラブとのオファーが比べられるだろう。

 

26年1月オファーは契約解除金を支払わなくて良い分、年棒が高い。

これと競うにはマリノス年棒の大幅アップが必要。

 

25年7月オファーは26年1月オファーに良い物(高年棒や名のあるクラブ)があればスルーされる。その結果、今シーズンはマリノスでプレーとなる。

 

つまりヤンがこの夏に残るかどうかは、それなりの所から今より良い条件で26年1月オファーがくる、もしくはJ2降格リスクを含んでも25年夏オファー、26年1月オファーよりも良い条件の契約延長を締結できるか。

 

となれば、マリノスにそんな高年棒を用意出来るかという点で個人的には売り時であるが、そもそもクラブとして左利きの右ウイングは構造として求めているのかから検討するタイミングなのかもしれない。

 

とは言え、それを今やる余裕はないので、何処かの名門クラブが出す26年1月オファーが勝ってくれるのを期待したい。別れの季節はもう少し先が望ましい。

 

同時に26年1月から出来ればフリーで契約可能な、左利きの右ウイング発掘を進めなければならない。(どんなタイプかは新監督次第だが…)

 

 

 

サイドバックどうしますか?

 

これまで不動のレギュラー左サイドバックだった永戸がチームを離れて一か月。

 

不動の右サイドバックだった松原はCBで疲弊し負傷するなど、復帰は期待されるがサイドバック人員として物理的に苦しい状況なのは間違いない。

 

CBの連続負傷でそれどころではなくなってしまったが、そもそも保持の構造からして3枚保持や、ロングボールや大外クロス攻撃への守備も考えるとウォルシュの右や渡邊泰基の左はオプションとしてもっと進めておきたかった。

 

キニョーネスや諏訪間が復帰すれば加藤とウォルシュ(復帰すれば松原)、鈴木と渡邊泰基など、相手によって考えるという選択肢が大島監督に与えられるだろう。

 

それでも不動のレギュラーだった選手がいなくなったのだから全体戦力としてはマイナスであり、物理的補填を考えるのは当然と言える。

 

その中で、果たして今のマリノスは左サイドバックを取るべきなのか、それとも右サイドバックを取るべきなのか、というテーマがあるだろう。

 

左なら以前紹介した長崎の高畑が永戸を継承すると言う意味でもビルドアップに寄与するタイプとしてお勧めだ。

 

一方で松原のCBコンバート以降は右に移動している加藤だが、得意なのは左。

ウォルシュも出来るが、選択肢として右に攻撃的なタイプがいない。

 

永戸の空いた年棒と移籍金を回すなら、SBとしての守備力も高い新潟の藤原が狙い目なのでは?

 

 

なのでは?

 

 

では?

 

 

 

 

戦法再構築

 

勝ちこそしたが、結局何がしたいのかという試合だった。

 

プレスを回避する手段として積極的にロングボールを使うと言う判断まではいいとして、その先に余りにも設計が無い。

 

蹴り先は脆く、セカンド回収争奪までも行けず、無駄に高いライン設定で跳ね返されたボールを背走して処理するので、ほぼ自陣でボールを奪われる

 

結局、ビルドアップして自陣ロストするのと何も変わらなくないですか?

 

プレスが怖いのでとにかく蹴ります、それ以外は何も伝わってこない様な戦い方だった。

 

 

物理的にも追い詰められて、心情的にも絶対負けられない試合がこれか…

 

 

正直、一刻も早く来期の監督を探しに行きたくなる、世界のフットボールがちりばめられたデータの海に逃げ出したくなるような試合だった。

 

 

試合開始からずっと繰り返した様に準備をしたんだろうが、何を準備したのかピッチ上の出来事からは一切分からない結果だった為、ゴールキックというセットプレー攻撃の評価としては100点満点で20点以下だ。

 

 

マン・シティなどはショートで蹴り出して敵を自陣に深く引き出してから、つまり2か3本目のパスをハーランドに蹴る傾向がみられるが、そういった工夫、最新トレンドに対する知見や学習は一切感じ取る事が出来ない。

 

例えば前半3分30秒後、一回後ろで繋いでからパクイルギュがヤンに対角線ロングパスを蹴り出し、落下点で優位に立ち、ドリブルからスルーパスで惜しいシーンを作ったが、再現性は皆無だった。

 

そんなに恐れる相手だったのか?

 

 

今のキャラクターや、マリノスの経緯を考えるのであれば、保持をベースにしたプレス回避を進めて貰いたいし、正しく挑めばトレンドに負けない事は柏レイソルが証明している。

 

だがポジショナルプレーという現代水準におけるベースが監督スタッフ陣にすら無いのを痛感する様な試合だった。余りに時代遅れ、20年前の水準でゴールキックを行っている。

 

今回は勝利こそしたが、準備をしたけど的外れであり、もっとも攻撃がヘタクソなチームだから事なきを得たようなもので、全てが相手のプラン通りに15分で決まってしまった岡山戦、試合を通じて解決策を提示出来なかったFC東京戦に引き続き、何かが改善したという手ごたえは皆無だった。

 

FC東京戦の悲惨な試合を経て私にはビルドアップは出来ないから諦めました、という事だけは伝わった。

 

 

 

統制を失い、大混乱の結果、3位になり監督のクビが飛んで、取り合えず信頼第一で統治を取り戻せば何とかなるレアルマドリードと異なり、ブッチギリ最下位のマリノスが統治を取り戻しただけでどうにかなるのだろうか。

 

ピッチ上で能力を感じないという理由から改めて、監督交代を希望したい。

 

 

もしくは開催中のクラブワールドカップにおいてブラジルのフラメンゴで元気にやってるのが確認された、日本でもロティーナの右腕として活躍した、イヴァンの様なコーチを探してくるべきだろう。

 

新人監督の元ブラジル代表選手だったフェリペ・ルイスを支え、24得点4失点と爆発的な攻撃力を振るいリーグでは首位である。

 

ファルジャニ・サッシという個で解決する事も可能だが、外国籍枠どうすんねんもんだいがある。

国内であれば、新潟の秋山にどうにかして貰うしかないだろう。

 

 

最新のフットボール的教養を持つ人物、その水準がクラブに無いと戦えない。

一体、日本サッカー協会S級ライセンス講習で何を教えているんだ。

 

ついでとなりますが、JOC会長を目指した元サッカー協会会長である田島氏が無事選挙の末にマルゼンスキーで知られる牧場経営者、自称北海道の借金王こと橋本善吉さんの娘であり、オリンピックメダリストにして元国会議員の橋本聖子氏に敗れたのをお祝い申し上げます。